防犯カメラの営業・集客方法|設置業者が直接の依頼を増やす進め方

設置工事には自信があるのに、仕事の入り口は紹介や元請けからの下請け、一括見積もりサイトが中心。法人から直接もらえる依頼がなかなか安定しない。など、設置や交換をする現場対応と並行して提案している防犯カメラ業者にとって、こうした悩みは珍しくありません。 

本記事では、防犯カメラの販売・設置を手がける事業者に向けて、直接の依頼を増やす営業・集客の進め方についてまとめます。依頼先の決め方、FAX営業など自社から知らせる方法、自社サイトに載せたい情報、相見積もりで価格で比べられない提案方法まで、何から手を付けるかを判断できる順番で説明します。

防犯カメラ業者の営業・集客が難しくなりやすい理由

紹介や元請けからの仕事は、営業の手間がかからない反面、いつ・どれだけ依頼が来るかを自社で決められません。案件量が元請けの受注状況や紹介者との関係に左右されるため、社員の手が空いても、自社から仕事を増やす手段がない状態になりがちです。

また、一括見積もりサイト経由の依頼は、最初から複数社の比較が前提です。さらに防犯カメラは、通販や量販店でも機器を購入でき、利用者が自分で取り付けることが出来る製品もあります。そのため「機器を用意して取り付ける」という説明だけでは他社や通販との違いが伝わりにくく、価格で比べられやすくなります。

この状況を変えるには、まず「誰から依頼をもらうか」を決め、候補となるターゲットに自社から提案する方法と、相手が探したときに見つけてもらえる受け皿を用意することが重要です。どちらを先に整えるかは、営業に割ける人手や時間によって変わります。

まず「誰から依頼をもらうか」を決める

直接の依頼を増やそうとするとき、「防犯カメラが必要な会社すべて」を相手にすると、何を伝えればよいかが定まりません。依頼主は、防犯カメラを自社で使う「導入先の法人・施設」と、自社に仕事を回してくれる「紹介・発注元の企業」に分けて考えると整理しやすくなります。 

導入先として狙いやすい法人・施設

導入先は、業種や施設によって困りごとも、話を進める相手も異なります。代表的な例を整理すると以下のとおりです。

依頼主主な困りごと・導入目的(例)導入を検討する相手 最初に提案しやすいこと
建設会社・資材置場を持つ事業者夜間・休日の資材や重機の盗難、離れた現場の状況確認経営者、資材・工事の管理責任者資材置場の死角チェックと、夜間でも状況を確認しやすい設置位置の提案
介護施設・医療機関出入口の見守り、来訪者の確認、トラブル時の状況確認施設長、事務長出入口・駐車場など共用部の設置位置の確認
小売店・飲食店万引きやレジ周りのトラブル、閉店後の侵入店長、オーナーレジ周り・出入口の映り方の確認、既設カメラの画質の見直し
工場・倉庫敷地への侵入、在庫・資材の持ち出し工場長、総務担当者敷地の境界や搬入口の死角チェック
月極駐車場オーナー・マンション管理会社/管理組合車両へのいたずら、不法投棄、共用部のトラブルオーナー、管理会社の担当者、管理組合の理事会録画の確認方法や保守を含めた運用の提案
自治会・商店会通学路や商店街の見守り自治会・商店会の役員設置場所の候補整理と、補助制度の有無の確認

自治会・商店会などの地域団体向けには、自治体が設置費用の補助制度を設けている場合があります(例:東京都港区の防犯カメラ設置補助)。対象や条件は自治体ごとに異なるため、提案する際は該当する自治体の公式情報で確認してください。

紹介・発注元になる企業

依頼主は、カメラを使う企業だけではありません。電気工事会社、リフォーム会社・工務店、不動産管理会社などは、顧客から防犯カメラの相談を受けることがあっても、自社では対応していないケースがあります。

こうした企業には、「顧客から防犯カメラの依頼をされた時任せられる協力業者」として提案します。導入先への営業とは異なり、伝える内容は対応エリア、対応できる設置場所や規模、見積もりまでの日数、施工後の保守体制など、安心して任せられるかを判断する情報が中心になります。一度関係ができれば、継続して案件を紹介してもらえる可能性もあります。

また、最初からすべての依頼主候補を狙う必要はありません。施工実績のある分野や対応しやすい地域から、1〜2業種に絞って始めることをおすすめします。誰に送るかが変われば、何を伝えるかも変わります。依頼主を決めることが、この後の提案方法や営業内容を決める土台になります。

業種・地域を絞った送り先の候補は、営業先リストの資料で確認できます。送り先の選び方は、以下の記事でも解説しています。

FAXDMリスト作成ガイド|低コストで質の高い送り先を確保する具体策

直接営業で最初の接点をつくる

依頼主を決めたら、相手に自社を知ってもらうために、最初の接点をつくります。ここでは、自社から知らせる方法の使い分けと、FAX営業で法人に案内するときの進め方について説明します。

テレアポ・訪問・郵送DM・FAXの使い分け

自社から依頼主に知らせる方法には、主に次のようなものがあります。人手や施工エリア、伝えたい情報量に合わせて方法を選びます。

手法特徴注意点
テレアポ会話の中で相手の状況を聞けるかける人手が必要。受付で担当者につながらないことも多い
訪問施工エリアの近隣なら、現地を見ながら話せる1件あたりの時間がかかり、回れる件数が限られる
郵送DM写真や事例など多くの情報を同封できる印刷・郵送のコストがかかる。封筒を開けてもらう工程がある
FAX封筒を開ける工程がなく、紙で届く。業種・地域を絞って案内しやすい読んでもらえるかは、送り先と紙面の内容の合い方に左右される

企業サイトの問い合わせフォームから案内を送る方法もありますが、営業目的でのフォーム送信を断っている企業もあります。使う場合は、各サイトの注意書きを確認してください。

営業専任者がいない、または少人数の業者の場合、テレアポや訪問を続ける人手を確保するのは簡単ではありません。限られた人手で、絞り込んだ企業に自社を知らせる手段として、FAXは検討しやすい方法のひとつです。

FAX営業で法人に案内するときの進め方

FAX営業は、送る件数よりも「誰に、何を伝えるか」の構成で考えます。FAX営業は、次の順番で進めると整理しやすくなります。 

① 送り先を業種・地域で絞る

前の章で決めた依頼主を、業種や施工エリアで絞り込みます。たとえば「対応エリア内で資材置場を持つ建設会社」のように、困りごとが想像できる程絞ると、紙面に書く内容も決めやすくなります。

② 相手の困りごとに合わせた紙面をつくる

資材置き場なら夜間の盗難、駐車場ならいたずらや不法投棄など、送り先が抱えていそうな困りごとを仮定してから書き出します。そのうえで、対応できる設置場所、これまでの設置事例、保守の体制、対応エリアを具体的に記載します。

新規開拓のFAXは、広告らしさや営業感を必要以上に強めない紙面の方が、内容を確認してもらいやすくなります。 派手な装飾や「今すぐお問い合わせください」といった強い呼びかけは控えましょう。ただし、営業感を抑えることは情報を減らすことではありません。何ができる会社なのかは、具体的に記載してください。

③ 最初の連絡は負担の小さいものにする

初めて接点を持つ相手に、いきなり契約や商談を求める必要はありません。相手が気軽に依頼できる内容を、最初の連絡として用意し、連絡すること自体のハードルを下げましょう。 

例:現地での死角チェックと概算見積もり・既設カメラの入替え相談・設置事例資料の送付

返信の方法も、FAX返信用の記入欄や電話番号など、相手が使いやすいものを選びましょう。

④ 反応を見て、送り先と紙面を見直す

届いた返信内容や反応率をもとに、送り先の絞り方と紙面の書き方の両方を見直します。反応が少なかった場合も、送る件数を増やす前に、送り先と伝えた内容が合っていたかを確かめることが大切です。なお、FAXを送る際は、送信者の会社名と連絡先を紙面に明記し、送信停止の依頼があった場合は速やかに対応します。

実際にFAX営業で成果を出した企業の事例を、紙面付きで紹介しています。取り掛かる際の参考に活用ください。

自社サイトで「地域×用途」の問い合わせ先を設ける

自社から知らせる接点とあわせて、顧客側が探したときに見つけてもらえる受け皿も整えます。防犯カメラの設置業者を探す人は、「地域名 防犯カメラ 設置」「駐車場 防犯カメラ」のように、地域や用途を組み合わせて検索することがあります。顧客側が検索するだけでなく、FAXを受け取った企業や会社名を耳にした企業が、詳細を知るために自社サイトを確認する場面ももちろんあります。

防犯カメラ業者のサイトに載せたい情報

近隣地域や用途で探している人が「この会社に相談できそうだ」と判断できるよう、次の情報を載せます。

  • 対応エリア:都道府県単位ではなく、市区町村単位で明記します
  • 用途別のページ:駐車場、資材置場、店舗、施設、集合住宅など、用途ごとに設置の考え方や事例をまとめます
  • 施工事例:設置場所、目的、台数、工期、写真を載せます。写真や事例は、施主の掲載許可を得たものに限ります
  • 費用の考え方:台数、配線の距離、録画の方式、設置場所の高さなど、費用が変わる要因を示します。金額を載せる場合は、自社の実際の価格を使います
  • 依頼の流れ:現地調査、設置、保守までの流れを示します
  • 問い合わせ方法:電話やフォームなど、相談しやすい方法を用意します

受注した案件を施工事例として積み上げていくと、各用途別のページ内容も充実していきます。ただし、ページを整えただけで、すぐに検索結果の上位に表示されたり、問い合わせが増えたりするわけではありません。継続して情報を加えていくことが前提になる施策です。

自社サイトの情報を充実させ、Google検索やAI検索から問い合わせにつなげる取り組みは、Web集客サービス「売り方ドットエーアイ」で支援しています。

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一括見積もりサイト・広告との付き合い方

一括見積もりサイトは、自社サイトからの問い合わせが少ない段階でも引き合いを得られる問い合わせの入口として使えます。ただし、他社と比較されることが前提の仕組みです。利用する場合は、問い合わせへの初期対応の速さと現地調査の質で差を出しつつ、自社サイトや直接営業からの依頼を増やして、依存度を下げていきます。

検索広告についても、「防犯カメラ」のような競争の激しい単語に広告費をかけ続ける方法を、当然の施策と考える必要はありません。実施する場合は、対応エリアや用途を絞ったキーワードで、費用と問い合わせの状況を見ながら限定的に運用する方法が考えられます。

相見積もりで価格だけで勝負しない方法 

直接もらった依頼でも、相手が他社と見積もりを比べることは基本あります。この時、価格以外の比較材料を示せるかどうかは、現地調査と提案の中身にかかっています。

現地調査で示す提案方法

現地調査では、カメラの台数や機種を決めるだけでなく、導入後に「必要な映像が残り、確認できるか」を確かめます。具体的には次のような点です。

  • 死角:出入口、敷地の境界、資材の保管場所など、映したい場所が映るか
  • 夜間の明るさ:照明の有無と、夜間に必要な映像が撮れるか
  • 録画の保存期間と確認方法:何日分を残し、どうやって映像を見返すか
  • 映像を確認する担当者:トラブルがあったときに、誰が映像を確認するか
  • 通信環境:外出先から確認したい場合に、回線を確保できるか

あわせて、近隣の住宅や道路を必要以上に映さない撮影範囲と、防犯カメラの設置を知らせる表示についても提案しておくと、導入後のトラブルを防ぎやすくなります。

確認した内容は、導入の目的から設置後の運用までを一つの提案書にまとめます。被害額や見回りの手間がどれだけ減るかを示す場合は、仮の数字で効果を示すことは避け、実際の数字をもとに試算しましょう。

既設カメラの入替えと保守で取引を続ける

すでに防犯カメラを設置している企業も、提案企業の候補になります。録画機の老朽化、画質への不満、外出先から映像を確認したいという要望は、入替えを提案するきっかけになります。

遠隔確認の手段としてクラウド型のカメラを提案する場合は、仕組みを正確に説明しましょう。日本防犯設備協会の調査研究報告書「クラウドサービスを利用したシステム調査」によると、クラウド型には、カメラを直接インターネットにつないで現地に記録装置を置かない構成と、現地の記録装置を経由する構成があります。同報告書は注意点として、回線の障害時に録画できない、または中断するおそれがあること、月額費用がかかること、クラウド事業者側の障害で映像を使えなくなる可能性があることも挙げています。現地の機器管理の負担は構成によって異なるため、相手の通信環境と運用に合う方式を提案しましょう。

設置後の保守・点検も、取引を続けるための接点です。定期的な点検で録画の状況や画質を確認し、パスワードが初期設定のままになっていないかといった設定面も見直し、サポートしましょう。こうした接点から、追加設置の相談や別の企業を紹介してもらうことにつながる場合もあります。 

まとめ

防犯カメラ業者が紹介や一括見積もりに頼らず直接の依頼を増やすには、手法を増やすよりも、取り組む順番を決めることが大切です。

  1. 依頼主を1〜2つに絞る:導入先の法人・施設か、紹介・発注元になる企業か。施工実績や対応エリアから決めます
  2. 直接アプローチで最初の接点をつくる:絞った相手の困りごとに合わせて案内し、現地での死角チェックなど、相手が依頼しやすい内容から始めます 
  3. 受注した案件を施工事例としてサイトに蓄積する:地域や用途で探す人が判断できる情報を増やしていきます
  4. 現地調査の提案で、価格以外の比較材料を示す:必要な映像が残るか、運用まで考えた提案で選ばれる理由をつくります

今回ご紹介した方法を自社の集客方法に是非取り入れてみてはいかがでしょうか。もし、営業に人手を割けず、依頼主への案内まで手が回らない場合は、営業を外部に頼むという方法もあります。今回ご紹介したFAX営業を検討している場合は、1社約20円から配信出来る弊社サービスもご検討ください。

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