ハウスメーカーや工務店、リフォーム会社から外構工事を請け、毎日現場を回している。仕事はあるものの、元請けからの発注が減れば売上もそのまま減り、単価や工期も相手の条件で決まってしまう。そんな状況から、外構工事の集客方法や下請けに頼りすぎない受注方法を調べている経営者の方も多いのではないでしょうか。
外構工事の仕事が入ってくる経路は、施主から直接依頼を受ける「直請け」と、元請け企業から依頼を受ける「下請け」の2つです。この記事では、少人数の外構工事業者でも続けやすい方法に絞り、直請けを増やす集客方法、取引先となる元請け企業を新たに増やす方法、そして下請けを続けながら受注経路を分散させる進め方を紹介します。
外構工事の仕事は「直請け」と「下請け」の
2つの経路から増やせる
集客方法を選ぶ前に、自社の仕事がどの経路から来ているのかを整理しておくと、何から手を付けるべきかが見えやすくなります。
施主から直接受ける直請けの特徴
直請けは、家を建てた方や住まいの外まわりを直したい方など、施主から直接依頼を受ける形です。見積もり・提案・施工・引き渡しまでを自社で担うため、価格や工期、プランを施主と直接決められます。施主から工事代金を直接受け取る点も特徴です。
一方で、施主に自社を見つけてもらうための集客は自分たちで行う必要があります。問い合わせへの対応、現地調査、プランづくりも自社の仕事になり、見積もりを出しても受注できるとは限りません。
元請け企業から受ける下請けの特徴
下請けは、ハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などの元請け企業から外構工事を任される形です。最大の利点は、自社で施主を集客しなくても仕事が入ることです。取引が続けば仕事量の見通しも立てやすく、営業専任者のいない会社にとっては現場に集中できる受注経路といえます。
その反面、価格や工期は元請けが施主と決めた条件の中で調整することが多く、自社で決められる範囲は限られます。また、元請け企業も利益や経費を確保する必要があるため、自社が受け取る金額は、施主が支払う工事全体の金額とは異なります。
2つの経路の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 直請け | 下請け |
|---|---|---|
| 仕事の入り方 | 施主が自社を見つけて問い合わせる | 元請け企業から発注される |
| 集客の負担 | 自社で集客する必要がある | 施主の集客は元請けが行う |
| 利益の残り方 | 工事代金を自社で受け取れる | 元請けの取り分を除いた金額で受ける |
| 仕事量の安定 | 集客の成果によって変動する | 取引が続けば見込みやすいが、元請けの発注量に左右される |
| 価格・工期の決定権 | 施主と直接決められる | 元請けの条件に合わせることが多い |
問題は下請けそのものではなく「少数の元請けへの依存」
下請けは、仕事量を確保するための有効な経路です。下請けをすべてやめて直請けだけにすることが、どの会社にとっても正解というわけではありません。
注意したいのは、売上の大部分が1〜2社の元請けに集中している状態です。この状態では、元請けの受注が減ったり、担当者や方針が変わったりしたときの影響を、自社がそのまま受けます。単価や工期の条件が厳しくなっても、ほかに仕事を振られる機会がなければ受けざるを得ません。
そのため、外構工事業者が増やすべき案件は直請けだけではありません。施主からの直請けと、取引先となる元請け企業の両方を増やし、仕事が来る機会や接点を複数持つことが、元請け1社の事情に左右されにくい状態につながります。
施主からの直請けを増やす集客方法
施主から直接依頼を受けるには、まず「外構工事を頼める会社」として見つけてもらい、施工の質を判断できる材料を用意する必要があります。少人数の会社が最初に整えたいのは、施工事例を載せた自社サイト、Googleビジネスプロフィール、施工後のお客様からの紹介の3つです。
施工事例を中心に自社サイトを整える
外構工事を検討している施主は、依頼する前に「どのような仕上がりになるのか」「自分の家と似た工事をしたことがあるのか」を知りたいと考えます。住所や電話番号など会社概要だけのサイトでは、その判断材料が足りません。
自社サイトには施工事例を中心に掲載します。1件ごとに次のような情報があると、施主が自分の家に置き換えて考えやすくなります。
- 施工前・施工後の写真
- お客様の要望(例:道路からの視線を遮りたい、駐車スペースを2台分にしたい)
- 工夫した点や使った素材
- 費用の目安
- 施工した地域
あわせて、対応できる工事と施工エリアを明確にすることも大切です。新築外構、目隠しフェンス、カーポート、駐車場の土間コンクリートなど、得意な工事や受けられる工事が分かれば、施主は自分の依頼が対応範囲かどうかを判断できます。「外構工事全般」とだけ書くよりも得意分野が伝わり、自社に合った相談が届きやすくなります。
「地域名+外構工事」「地域名+カーポート」などで検索した施主に見つけてもらうためにも、こうした施工事例や工事内容の情報をサイト上に積み重ねていくことが土台になります。
サイト内の情報を充実させ、Google検索やAI検索から表示・参照され問い合わせにつなげるWeb集客支援を弊社では行っています。サイト更新や改善などの対応に手が回らない場合は、以下をご覧ください。
Googleビジネスプロフィールで地域の検索に表示させる
近くの外構工事業者をGoogleマップやGoogle検索で探す施主もいます。そこで表示される会社情報を管理できるのが、Googleが無料で提供している「Googleビジネスプロフィール」です。登録することで、会社名や所在地、電話番号、営業時間、写真が設定でき、頂いた口コミなどが表示されます。外構工事業者が特に力を入れたいのは、次の3点です。
- 施工エリア(対応できる地域)を正しく登録する
- 施工写真を継続して追加する
- 口コミに返信する
口コミへの返信は、書いた本人だけでなく、これから依頼先を探す施主も目にします。良い評価にも厳しい評価にも丁寧に答えている様子は、会社を選ぶ際の判断材料になります。
施工後のお客様から紹介につなげる
外構工事は、知人や近所の家のまわりを見て「どこに頼んだのか」と話題になりやすい工事です。施工を終えたお客様こそ、次の依頼につながるきっかけになります。
紹介や将来の再依頼につなげるには、施工が完了した後も関係を保つことが大切です。 例えば、引き渡しから一定期間後に不具合がないか連絡する、点検に伺う、植栽やフェンスの手入れについて案内するといった対応です。「外まわりのことは、困ったらあの会社に相談しよう」と思ってもらえる信頼が、紹介や将来の改修時の再依頼につながります。満足していただけたお客様には、Googleビジネスプロフィールへの口コミをお願いするのもよいでしょう。
ポータルサイト・SNS・チラシは役割を決めて使う
ほかにも施主との接点を増やす方法はありますが、すべてを同時に始める必要はありません。それぞれの役割と注意点を踏まえ、自社で続けられるものを選びます。
ポータルサイト・一括見積りサイトは、自社サイトが構築段階や準備期間などまだ見つけてもらえない段階でも、外構工事を検討している施主と接点を持てます。ただし、施主は複数社から見積もりを取ることを前提にしているため、価格で比べられやすい点に注意が必要です。
SNSは、施工写真を発信する場として使えます。投稿が途切れると継続的な発信につながりにくいため、現場の合間に写真を投稿できる会社に向いています。
チラシ・現場看板は、施工エリア内で社名を知ってもらうための手段です。施工中の現場に看板を出しておけば、近所の方が工事の様子とあわせて会社名を覚えるきっかけになります。チラシは、新築住宅が多い地域や外まわりの改修時期を迎えた住宅地など、外構工事の需要が見込める範囲に絞って配ります。
問い合わせを受注につなげる対応
直請けでは、施主が複数の会社を比べてから依頼先を決めることが多いため、問い合わせが届いたら、できるだけ早く返信することが信頼してもらうための基本です。現場作業中ですぐに詳しく答えられない場合も、問い合わせを受けたことと、次に連絡できる時間を先に伝えておけば、施主を待たせずに済みます。
見積もりの段階では、金額だけを示すのではなく、図面やパース(完成イメージ図)で仕上がりを見せると、提案の中身が伝わりやすくなります。完成後の姿や素材を選んだ理由、手入れのしやすさまで説明できれば、施主は金額だけでなく提案内容で会社を比べられるようになります。
下請けの取引先(元請け企業)を増やす方法
下請けを続けながら1社への依存を減らすには、新しい元請け企業との取引先を増やす方法もあります。 直請けの集客とは違い、声をかける相手は外構工事を外注する可能性のある企業です。
営業先になる元請け企業の種類
外構工事を外注する可能性がある企業は、ハウスメーカーだけではありません。例えば、次のような企業から外構工事の依頼が出ることがあります。
- ハウスメーカー・工務店:新築住宅の引き渡しに合わせた外構工事
- リフォーム会社:住まいの改修に伴う外まわりの工事(フェンスの交換、カーポートの設置など)
- 不動産会社:中古住宅を販売する前の外まわりの手直し
- 賃貸管理会社:管理物件の駐車場・フェンス・植栽などの修繕
営業先を選ぶときは、自社の得意な工事と、相手が外注する可能性のある工事が重なるかを考えます。 新築外構が得意なら工務店、小規模な補修に素早く対応できるなら管理会社や不動産会社というように、自社の強みから営業先を逆算すると、相手にとっても依頼する理由が分かりやすくなります。また強みだけでなく、施工エリアの範囲内にある企業に絞ることも欠かせません。
協力会社募集・マッチングサイトを使う
「外構 下請け」で検索すると、元請け企業が協力業者を募集するページや、建設工事の発注者と施工業者をつなぐマッチングサイトが多く表示されます。こうしたサイトでは、元請け側が出した募集に応募したり、自社の対応工種やエリアを登録して声がかかるのを待つことができます。
手軽に始められる一方で、同じ募集に複数の業者が応募するため、単価や条件で比べられやすい面があります。また、施工依頼の募集が出るのを待つ形になるため、自社が取引したい企業を選んで声をかけることはできません。この手法に頼り切らず、取引先を増やす手段の一つとして使い、次に紹介する直接案内などと組み合わせるのが現実的です。
元請け企業へ直接案内する(FAX営業)
自社が取引したい元請け企業に、こちらからサービス詳細を伝えるFAXを営業に活用し、施工エリア内の工務店やリフォーム会社、不動産会社などを業種と地域で選び、自社の対応内容を提案する方法です。テレアポや訪問・飛び込みなども直接営業ではありますが、人手や時間が限られている中小企業の場合、コスト削減と効率の良さを考えた時に向いている施策です。
弊社ではFAX営業で成果を出した方の事例や実際に活用した紙面を公開していますので、取り入れる前に参考に活用ください。
下請けを続けながら受注経路を分散させる進め方
直請けの集客や新しい元請けとの取引が軌道に乗る前に下請けの仕事を断ると、売上が急に落ち込む恐れがあります。下請けからの売上を確保しながら、新しい受注経路を少しずつ育てていく順序で進めます。
- 現在の売上を「直請け」「元請けごとの下請け」に分けて書き出し、1〜2社にどれだけ集中しているかを確認する
- 下請けの仕事を続けながら、施工事例の整理と、自社サイト・Googleビジネスプロフィールの準備を進める
- 並行して、施工エリア内の新しい元請け企業へ案内を始める
- 直請けや新しい元請けからの仕事が増えてきた段階で、条件の厳しい取引から見直す
目指すのは「下請けゼロ」ではなく、特定の1社に頼らなくても仕事が回る状態です。下請けで仕事量を確保しつつ、直請けでは自社の提案力を生かす。見込みの高い取引先が複数あれば、取引条件を選べる余地も生まれます。
まとめ
外構工事の仕事を増やすには、施主からの直請けを増やす方法と、元請け企業との取引先を増やす方法があります。 どちらから手を付けるかは、自社の今の状況から判断します。
- 施工実績を見てもらえる場がない:施工事例を中心にした自社サイトと、Googleビジネスプロフィールの整備から
- 引き渡し後のお客様と連絡が途絶えている:点検や連絡で関係を保ち、紹介や口コミにつなげることから
- 取引のある元請けが1〜2社しかない:施工エリア内で、外構工事を外注する可能性がある企業への案内から
いずれも、下請けの仕事を続けながら始められる方法です。
元請け企業の新規開拓に営業やWeb周りの対応に手が回らない場合は、集客や取引先獲得に関する業務を外部に依頼するという手段もあります。まずは自社の強みを洗い出すことから始めてみましょう。
営業先リストの準備からFAX紙面の作成、配信までを任せられるFAX営業代行や、問い合わせ獲得に繋がるサイト改善・更新サービスをご検討ください。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。