FAXDMのクレーム対応マニュアル|電話応対の手順・ケース別の返答例と再発防止策

FAXDMを送ったあとに、「今後は送らないでほしい」という電話や、配信停止の欄にチェックが入った返信FAXが届くことがあります。営業の専任者が少ない会社では、電話を取った人がそのまま応対することも多く、何をどう伝えれば良いのか迷う場面もあるのではないでしょうか。

本記事では、FAXDMのクレームを受けた際の応対手順と、番号の入手先の追及や用紙代の請求といったケース別の返答例をまとめました。同じクレームを繰り返さないための社内体制と、クレームを生みにくい送り方についてもあわせて紹介していきます。

FAXDMで届くクレームの種類と対応の基本方針

多くは「今後送らないでほしい」という配信停止の依頼

FAXDMに対するクレームは、おおむね次の3つに分けられます。

  • 配信停止の依頼:「今後は送らないでほしい」という連絡です。電話のほか、返信FAXに記載されているか、設定した配信停止枠にチェックされる形式で届くこともあります。
  • 苦情:「業務の妨げになる」「なぜうちに送ってきたのか」といった不満の表明です。
  • 強い抗議・要求:用紙代の請求や法的措置への言及など、具体的な要求を伴うものです。

苦情や抗議の形をとっていても、相手がいちばん求めているのは「もう送ってこないこと」である場合が少なくありません。そのため、どの種類であっても最優先すべきなのは、配信停止を漏れなく実行し、同じ番号へ二度と送らないことです。言葉づかいやお詫びの仕方も大切ですが、停止が実行されていなければ、どれほど丁寧に応対しても次の再送で信頼を失ってしまいます。

クレームになりやすい理由

FAXDMがクレームにつながりやすい理由は、主に2つあります。

1つ目は、受信側に負担がかかることです。FAXは受け取った側の用紙やトナーを使い、受信中は回線もふさがります。読むかどうかを決める前に、相手にコストが発生する媒体です。

2つ目は、面識のない相手からの営業であることです。取引のない会社から突然届く案内は、内容に関心がなければ「頼んでもいない広告」と受け取られやすくなります。自社の事業と関係の薄い商材の案内であれば、なおさら不満につながりやすいでしょう。

クレームの電話・返信FAXを受けたときの応対手順

電話でクレームを受けたときは、次の4つの手順で進めます。手順を社内で共有しておけば、誰が電話を取っても同じ流れで応対できます。

手順1 話を遮らずに聞き、手間をかけたことを詫びる

まずは相手の言い分を最後まで聞きます。途中で事情を説明したり反論したりすると、相手は「話を聞いてもらえない」と感じ、怒りが強まりやすくなります。話を聞き終えたら、手間をかけたことをきちんと詫びましょう。

FAXを送ったこと自体の是非を、電話口で議論する必要はありません。相手の時間を使わせてしまったことへのお詫びを、率直に伝えることが大切です。

手順2 配信停止を約束し、FAX番号と社名を復唱して確認する

お詫びのあとは、できるだけ早い段階で配信停止を約束します。

例:「今後、御社へのご案内は停止いたします。念のため、FAX番号と御社名を確認させていただけますでしょうか。」

聞き取った番号は復唱し、相手に確認してもらいます。1桁の聞き違いがあるだけで、停止したつもりの会社へ再び送ってしまう原因になります。複数のFAX番号を持つ会社もあるため、「ほかにもご案内が届いている番号はございますか」とあわせて確認しておくと安心です。

手順3 応対内容を記録し、停止登録をその日のうちに完了させる

電話を終えたら応対内容を記録し、停止登録まで当日中に済ませます。後回しにすると、その間に予約済みの配信が送られてしまうおそれがあります。

記録しておきたい項目は次のとおりです。

  • 受付日時
  • 相手の社名・担当者名(分かる範囲で)
  • FAX番号
  • 連絡の内容(停止依頼のみか、苦情や要求があったか)
  • 対応者
  • 停止登録を完了した日

返信FAXのチェック欄などで配信停止の依頼が届いた場合も、電話と同じように記録し、停止登録を行います。書面で届く依頼は机の上に置かれたままだと見落とされやすいので、受け取った人が登録まで担当するなど、社内でルールを決めましょう。

手順4 収まらない場合は責任者が引き継ぐ

停止を約束しても相手の怒りが収まらない場合や、金銭の要求など担当者が判断できない話になった場合は、責任者に引き継ぎます。

例:「責任者に代わりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」

責任者が不在のときは、その場で結論を出そうとせず、「確認のうえ、改めてご連絡いたします」と伝えて、折り返しの連絡先と期限を確認します。電話を取った人が一人で抱え込まず、会社として応対する形を作っておくことが大切です。

ケース別の返答例と避けたい言い方

ここでは、応対に迷いやすい4つのケースについて、返答の例と避けるべき言い方を紹介します。いずれも実際の事例ではなく、あくまで想定の応対例です。自社の状況に合わせて調整する前提で参考に活用ください。

「番号をどこで手に入れたのか」と聞かれた

入手先を聞かれたら、事実をそのまま答えます。

例(自社で調べた場合):「御社のホームページに掲載されているFAX番号を拝見し、ご案内をお送りしました。」

例(企業リストを利用した場合):「〇〇社の企業リストに掲載されていた番号へお送りしました。」

そのうえで、「今後はお送りしないよう、すぐに配信先から外します」と除外を約束します。

避けたい言い方は、「法律上問題のない方法で入手しています」のように、電話口で適法性を言い切ることです。相手が知りたいのは入手の経緯であり、法律の話で返されると反発を招きやすくなります。入手先をはぐらかすことも、不信感を強める原因になります。

「用紙代・トナー代を払え」と言われた

費用を請求された場合も、まずは手間をかけたことを詫び、配信停止を約束します。そのうえで、金銭については担当者の判断で約束しないことが基本です。

例:「ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。御社へのご案内は停止いたします。費用のお話については私の一存ではお答えできかねますので、責任者に確認のうえ、改めてご連絡いたします。」

要求が続く場合は責任者が引き取り、必要に応じて顧問弁護士などの専門家に相談します。

避けたい言い方は、「お支払いする義務はありません」と言い切ることや、その場で支払いを約束することです。どちらも電話を受けた担当者が判断できる範囲を超えており、その後の対応を難しくします。

「停止を頼んだのにまた届いた」と言われた

停止依頼のあとに再び届いた場合、原因は完全に自社の管理にあります。言い訳をせず、管理不足を認めて詫びます。

例:「配信停止のご依頼をいただいていたにもかかわらず、弊社の管理不足で再びお送りしてしまいました。大変申し訳ございません。」

続けて、これから何をするのかを具体的に伝えます。

例:「本日中に停止リストを確認し直し、御社の番号が配信先から外れていることを確かめたうえで、改めてご報告いたします。」

避けたい言い方は、「システムの不具合で」「業者のミスで」など、原因を外に向ける言い方です。代行業者や外部のリストを使っていたとしても、相手から見れば送ってきたのは自社です。

「法的措置をとる」と言われた

法的措置という言葉が出ても、反論や事情の説明はせず、配信停止を約束します。

例:「ご不快な思いをおかけし、申し訳ございません。御社へのご案内はただちに停止いたします。」

金銭の要求や強い言葉が続く場合は、その場で判断せず、「社内で確認のうえ、改めてご連絡いたします」と引き取ります。連絡先と折り返しの期限を確認し、責任者に引き継ぎましょう。

避けたい言い方は、「法的には問題ありません」「訴えられる理由はありません」といった反論です。相手の主張を否定する形になり、対立を深めるおそれがあります。

同じクレームを繰り返さないための社内体制

応対が丁寧でも、停止した番号へ再び送ってしまえば、クレームはより深刻になります。再送を防ぎ、誰が電話を取っても同じ応対ができるように、社内の仕組みを整えておきます。

停止番号を一か所で管理し、配信のたびに照合する

配信停止の番号は、担当者ごとの管理ではなく、社内で統一して一か所で管理します。電話、返信FAX、メールなど、どの経路で届いた依頼も同じ停止リストに登録します。

そのうえで、配信のたびに送信リストと停止リストを突き合わせ、該当する番号を除外してから送ります。名簿業者から購入したリストや、代行業者が用意したリストを使う場合も、自社の停止リストとの照合は欠かせません。新しく用意したリストに、過去に停止を依頼した会社が含まれている場合もあるためです。

番号の表記ゆれ(ハイフンの有無、全角と半角の違いなど)があると、照合の際に漏れが出ます。登録する時点で表記をそろえておくと、照合漏れを防ぎやすくなります。送り先リストの集め方や整え方は、以下でも詳しく解説しています。

FAXDMリスト作成ガイド|低コストで質の高い送り先を確保する具体策

応対記録と返答例を社内で共有する

手順3で残した応対記録は、停止リストとあわせて社内で共有します。どの会社からどのような連絡があったかが分かれば、同じ会社から再び連絡があったときも、経緯を踏まえて応対できます。

本記事の返答例などを自社の言葉に直してトークスクリプト(架電時の台本)としてまとめておくと、誰が電話を受けたとしても対応が均一になります。応対のたびに記録を見返し、うまく伝わった言い回しや判断に迷った場面を書き足して行くことで、自社に合った応対マニュアルとして育てていけます。

代行業者を使う場合は窓口と停止の反映方法を確認する

FAXDMの配信を代行業者に依頼する場合は、次の点を事前に確認しておきます。

  • クレームや配信停止の連絡を最初に受けるのは、自社か代行業者か
  • 停止の依頼を受けてから、配信先に反映されるまでに何日かかるか
  • 代行業者が受けた停止依頼やクレームの内容が、自社にどのように共有されるか

紙面の送信者欄に自社の連絡先を載せる場合は、自社に直接電話が入ります。窓口と配信停止の流れをすり合わせておかないと、相手を待たせたり、停止の反映が遅れたりする原因になります。

クレームを生みにくいFAXDMの送り方

応対と体制を整えたうえで、送り方そのものを見直すことも大切です。ここでは、弊社がFAX営業代行を行う際に重視していることについて紹介します。完全にクレームをなくせる方法ではありませんが、受け手の負担感を減らすための方法として参考にしてください。

提案内容に需要のある企業に絞って送る

当社では、FAX営業で重視すべきなのは送信件数の多さではなく、提案する商品・サービスと送り先企業の需要が合っているかです。

自社の事業に関係のある商材の案内であれば、受け手にとってはひとつの情報として受け止められやすくなります。反対に、業種や用途が合わない会社へ広く送れば、関心を持たれないうえに「なぜうちに送ってきたのか」という不満を招きやすくなります。

業種・地域・企業規模・用途などから送り先を絞り込み、相手に合わせて紙面の内容も変えていく方法は、反応を得るためだけでなく、受け手の負担感を減らすうえでも大切だと考えています。

送信者情報と配信停止の方法を明記する

紙面には、送信者の社名・住所・電話番号・FAX番号と、配信停止の方法を明記します。停止の方法が分かりやすければ、受け手は電話をかけず、接点を作らずに意思を伝えられます。そのためにも、紙面の下部に「今後のご案内が不要な場合は、チェックを入れてこのままご返信ください」といった欄を設けておく方法があります。

法令との関係でいえば、特定商取引法のFAX広告に関する規制は、主に一般消費者に向けた通信販売の広告を対象としており、営業のために行う事業者間の取引は一般に規制の中心ではありません。ただし、相手が事業者であれば一律に対象外になるわけではない点には注意が必要です。そのうえで当社では、事業者向けの送信であっても、送信者情報と配信停止の方法を明記することを実務上の基本としています。

法令の詳しい内容は以下の記事で解説しています。

FAXDMは違法?特定商取引法の規制対象と法人宛てに送る際の注意点

広告らしさを強めすぎない紙面にする

新規開拓のFAXは、取引のない会社へ直接届く案内です。弊社では、広告らしさや営業されている印象を強めすぎない紙面の方が内容を確認してもらいやすく、「勝手に送られてきた広告」という受け止め方も和らぐと考えています。チラシのような派手な装飾や強いコントラスト、「今すぐお問い合わせください」といった強い呼びかけは、受け手に売り込みの印象を与えやすい表現ですし、モノクロで印刷されるFAXには適したデザインとは言えません。

ただし、営業感を抑えることは、情報を減らすことではなく、何を提供できるのか、どのような会社のどのような場面で役立つのか、相手が次に何をすればよいのか(資料の請求、見積もりの依頼など)は具体的に伝える必要があります。実際に成果を出したお客様の事例を紙面サンプル付きでご紹介していますので、参考にご覧ください。

まとめ

FAXDMのクレームを受けたときに優先すべきなのは、配信停止を漏れなく実行し、記録を残し、同じ番号へ二度と送らないことです。応対では、話を遮らずに聞いて詫び、停止を約束して番号を復唱し、その日のうちに停止登録を済ませます。入手先の追及や費用の請求、法的措置への言及があっても、その場で法律の話や金銭の約束はせず、事実を伝えて責任者に引き継ぐのが基本です。

クレームそのものを減らしたい場合は、送り先の選び方と紙面の作り方から見直すとよいでしょう。提案内容に需要のある企業へ、広告らしさを強めすぎない紙面で送ることが、受け手の負担感を減らすことにつながります。

送り先の選定や紙面の作成、停止番号の管理までを少人数で続けるのは負担が大きい、と感じる場合は、FAX紙面の作成から営業先リストの準備、配信までを依頼出来る「FAX営業代行」のご利用もご検討ください。

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