はじめに
葬儀業界では競争が激化しており、折込チラシやWeb広告などのBtoC集客だけでは、費用対効果に限界を感じている事業者も少なくありません。安定した売上を確保するためには、個人客を待つだけでなく、紹介ルートとなる「送客元」の確保や、高単価が期待できる「法人顧客」の獲得といったBtoB営業の強化が重要です。
本記事では、葬儀業が営業をかけるべき具体的な業種、効果的な営業方法、さらに営業リソース不足を補う手段について解説します。
1. 葬儀業が熱望する「送客元(紹介ルート)」となる法人業種
葬儀社にとって最大の課題は「いつ発生するかわからない需要を、いかに自社へ誘導するか」です。そのため、高齢者やそのご家族と日常的に接点を持つ以下の業種への提携提案が最も重要になります。
老人福祉・介護事業(施設系)
ターゲット:有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなど
近年、病院での看取りが減少し、介護施設での看取りが増加傾向にあります。施設内でご入居者が亡くなられた際、ご家族から「どこか良い葬儀社を知りませんか?」と相談されるケースは非常に多く存在します。そのため、施設長や現場のスタッフ、ケアマネージャーとの信頼関係を築き、いざという時の紹介ルート(パイプライン)を構築することが最重要課題と言えます。
医療業(病院・クリニック)
ターゲット:療養型病院、地域の中核病院、訪問診療クリニック
施設での看取りが増えているとはいえ、依然として逝去場所のトップは病院です。医療ソーシャルワーカー(MSW)や看護師長などに適切にアプローチし、病院指定の葬儀社(ご遺体の搬送請負など)になることができれば、究極の安定受注ルートとなります。ただし、参入障壁も高いため、長期的な関係構築が求められます。
専門サービス業・金融業(士業・保険など終活関連)
ターゲット:司法書士、行政書士、弁護士、税理士、生命保険代理店、FP(ファイナンシャルプランナー)
士業や保険代理店は、遺言の作成や相続相談、生命保険の整理など「生前の終活」を行っている顧客を数多く抱えています。こうした専門家と提携し、「お葬式の事前相談ならここが良いですよ」と紹介してもらうネットワーク作りが有効です。葬儀後のお客様を士業へ紹介し返すなど、相互送客の関係が築きやすいのも特徴です。
宗教法人(寺院・教会)
ターゲット:地域の寺院や教会
古くからの繋がりとして、地域の寺院や教会も重要なパートナーです。檀家さんや信徒さんが亡くなった際、住職や牧師から自社を指定・推薦してもらうためのアプローチです。定期的に訪問してご挨拶をする、お寺の行事や清掃を手伝うなど、地道で泥臭い関係構築が今でも非常に効果的です。
2. 葬儀業の「直接の利用客」となる一般企業への営業手法
送客元の開拓と並行して進めたいのが、法人自身にサービスを利用してもらうための営業です。地元の中堅〜大手企業を中心に、以下のような提案が有効です。
福利厚生としての法人提携(従業員・家族向け)
企業の人事・総務部門に対し、「御社の福利厚生制度として、当社の葬儀サービスを割引価格(例:基本料金20%オフ)で導入しませんか」と提案する手法です。企業側は無料で福利厚生を拡充できるメリットがあり、葬儀社側は従業員やそのご家族の葬儀を独占的に獲得しやすくなります。
供花・弔電の指定業者化(BtoBの商流を押さえる)
企業が取引先に対して送る「胡蝶蘭」や「お悔やみの花(供花)」の手配を、すべて自社で一括受注できるように提案します。総務担当者にとって、都度業者を探す手間が省けるため、窓口を一本化する提案は喜ばれやすく、定期的な売上(チャリンチャリンビジネス)に繋がります。
社葬・お別れの会の事前契約(高単価案件の獲得)
創業者や高齢の会長・社長が在籍する地元企業に対し、「万が一の際の社葬・合同葬・お別れの会」のプロデュース契約を事前に結ぶ提案です。企業規模によっては数百万円から数千万円の売上になるため、経営基盤を大きく安定させる重要な案件となります。
3. 葬儀業が法人営業(BtoB)を成功させる3つのコツ
提携先や顧客を獲得するためには、ただ訪問してお願いするだけでは不十分です。以下の3つのコツを意識しましょう。
相手企業に明確なメリット(Win-Win)を提示する
「お客様を紹介してください」という一方的なお願いでは提携は進みません。紹介料(業務委託費)の支払いや、前述した士業への相互送客の仕組みなど、相手企業にとっても明確なメリット(Win-Winの関係)を提示することが成功の第一歩です。
決裁者(キーマン)に的確にアプローチする
どれだけ現場のスタッフと仲良くなっても、提携の決裁権がなければ話は進みません。介護施設の施設長、病院の事務長やMSW、一般企業の総務部長など、権限を持つ人物(キーマン)を見極め、直接コンタクトを取るよう工夫することが重要です。
定期的な接触で「いざという時」に思い出される関係を作る
葬儀のニーズは突発的に発生します。そのため、一度名刺交換をしただけで放置していては、いざという時に思い出してもらえません。定期的な訪問、ニュースレターの送付、終活セミナーの無料開催の案内など、継続的に接触し、常に頭の片隅に置いてもらう関係維持が不可欠です。
4. 法人営業のリソース不足にお悩みなら「営業代行」の活用がおすすめ
ここまで法人営業の重要性をお伝えしてきましたが、頭では理解していても実行に移せない葬儀社様が多いのも事実です。
葬儀業が抱える法人営業のハードル
- 「現場の施行や打ち合わせが忙しく、テレアポや飛び込み営業をする時間がない」
- 「ご遺族へのBtoCの接客やサポートは得意だが、法人に向けたBtoBの営業ノウハウがない」
- 「営業専任の担当者を新しく雇う余裕がないし、採用してもすぐに辞めてしまう」
このような業界特有のハードルがあるため、法人開拓が後回しになってしまうケースが散見されます。
営業代行サービスを利用するメリット
そこでおすすめしたいのが、「営業代行サービス」の活用です。
プロの営業代行を利用すれば、自社に合ったターゲット選定から、アポイント獲得(テレアポ)、さらには商談の設定やクロージングまでを一任できます。現場のスタッフは本来の業務である「葬儀の施行・ご遺族のケア」に集中したまま、自動的に法人提携先や紹介ルートが増加する仕組みを作ることができます。
【営業代行を利用するメリットについて補足動画で解説】
▽葬儀業の会社が新規の取引先を獲得したい場合
▽葬儀業で開業した会社が新規取引先を見つける方法
まとめ:法人との提携強化で安定した葬儀の受注体制を
一般消費者からの問い合わせをただ「待つ」営業スタイルから、法人と提携して紹介ルートを確保する「攻める」営業スタイルへの転換が、これからの葬儀業界を生き抜くための鍵となります。
しかし、社内リソースの不足やノウハウの欠如で実行が難しい場合は、営業のプロフェッショナルである代行サービスに頼ることが、成果を出すための最短ルートです。法人ネットワークを構築し、安定した受注体制を築き上げましょう。