倉庫業を利用する顧客の求めている事と利用される為には?新規開拓を成功させるポイント

はじめに

競合の多い倉庫業界において、ただ待つだけの営業では「空きスペースを埋めたい」「新規荷主を獲得したい」という目標の達成は困難です。

本記事では、荷主が倉庫に求める「リアルなニーズ」を紐解き、顧客から継続して選ばれるための具体的なポイントを解説します。

最後までお読みいただければ、自社が何をアピールし、どう営業活動を進めるべきかが明確になり、新規開拓を前進させるヒントが得られます。

倉庫業を利用する顧客(荷主)が求めていることとは?

新規開拓を成功させる第一歩は、顧客である荷主が「倉庫に何を求めているのか」を正確に把握することです。荷主が倉庫選びで重視する4つの主要なニーズを解説します。

① トータルコストの適正化(単なる保管料の安さではなく費用対効果)

荷主は「坪単価」や「パレット単価」といった単純な保管料の安さだけを見ているわけではありません。入出庫にかかる荷役料、流通加工費、さらには配送拠点までの横持ち費用やエンドユーザーへの配送料を含めた「物流全体のトータルコスト」を気にしています。

そのため、「保管料は安いが、ミスが多くて対応コストがかかる倉庫」よりも、「少し割高でも、作業品質が高くクレーム対応や返品処理のコストが下がる倉庫」のほうが、結果的に費用対効果が高いと判断されやすくなります。

② 立地条件と配送ネットワークの利便性

倉庫の立地は、荷主のサプライチェーンに直結する重要な要素です。

「主要な高速道路のインターチェンジや港に近いか」といったアクセスの良さはもちろん、「ラストワンマイル(最終拠点から消費者まで)の配送網を構築しやすいか」「特定の路線便・宅配業者の集荷時間に融通が利くか」など、立地と配送ネットワークを掛け合わせた利便性が強く求められています。

③ 物量の波動(時期による増減)に対する柔軟な対応力

EC通販や季節商材(アパレル、イベント用品など)を扱う荷主にとって、繁忙期と閑散期の「物量の波動」は大きな課題です。

「セール時期に急激に物量が増えても、スペースや作業人員を柔軟に確保してもらえるか」という拡張性や柔軟性は、荷主にとって非常に安心感があり、倉庫選びの強力な決め手となります。

④ WMS(倉庫管理システム)などのIT化による正確性と効率化

現代の物流において、正確な在庫管理は必須条件です。荷主は「いつでも自社の在庫状況や出荷ステータスをリアルタイムで把握したい」と考えています。

WMS(倉庫管理システム)を導入し、荷主側の受発注システム(カートシステムやERP)とスムーズにデータ連携ができるIT対応力は、誤出荷を防ぐだけでなく、荷主側の事務作業を大幅に削減できるため、高く評価されます。

顧客に選ばれ、継続的に利用される倉庫になるための3つのステップ

顧客のニーズを理解した上で、実際に「選ばれる倉庫」になるためにはどのようなアクションが必要なのでしょうか。具体的な3つのステップに分けて解説します。

ステップ1:自社の強み(USP)を明確にし、ターゲットを絞る

「何でも預かります」という汎用的なアピールでは、価格競争に巻き込まれがちです。まずは自社の強み(USP:Unique Selling Proposition)を明確にしましょう。

「アパレル商材の検針・タグ付けなどの流通加工が得意」「定温・冷蔵倉庫の設備がある」「大型機械や建材の保管実績が豊富」など、自社が勝てる領域を定義します。強みが明確になれば、「どこの業界の、どんな荷主を狙うべきか」というターゲットが自然と絞り込めます。

ステップ2:御用聞きから脱却し、荷主の課題を解決する「提案型営業」へ

「空きスペースがあるので使いませんか?」という単なる御用聞き営業では、荷主の心を動かすことはできません。

荷主が抱えている「誤出荷が多くて困っている」「物流担当者が退職してしまい、業務が回らない」といった潜在的な課題をヒアリングし、「当社のこの設備とノウハウを使えば、その課題をこう解決できますよ」と提示する「提案型営業」へシフトすることが重要です。

ステップ3:柔軟なコミュニケーションとトラブル時の迅速な対応力をアピール

物流業務において、イレギュラーな事態やトラブルを完全にゼロにするのは困難です。だからこそ、荷主は「トラブルが起きた際の対応力」を重視しています。

遅延や商品破損が発生した際に、ごまかさずに迅速かつ誠実な報告ができるか。チャットツールなどを用いて日頃から密なコミュニケーションが取れるか。こうした「人」の部分での柔軟な対応力が、継続的な契約(リピート)に繋がる最大の要因になります。

新規開拓を成功させるための具体的な営業手法と体制づくり

戦略が固まったら、次はいよいよ実行フェーズです。しかし、多くの倉庫業では「現場が忙しくて営業する時間がない」という課題に直面します。ここでは、無理なく新規開拓を進めるための手法と体制づくりについて解説します。

ターゲットリストの精査と、効果的なアプローチ手法の選定

ステップ1で明確にしたターゲットに基づき、アプローチする企業のリストを作成します。リストができたら、自社のリソースとターゲット層に合わせた営業手法を選定します。

テレアポ・DM: 特定の業界やエリアに絞って直接アプローチしたい場合に有効です。

Web集客(SEO・広告): 「倉庫 委託 〇〇」など、すでに課題が顕在化している荷主を集めるのに適しています。

展示会への出展: 一度に多くの見込み客と名刺交換ができ、対面で信頼構築がしやすい手法です。

また、倉庫業ならではの効果的なアプローチ手法として「FAX営業」も挙げられます。

以下の動画でも解説されている通り、メーカーやEC事業者、卸売業などのお客様は、すでにどこかの倉庫と取引しているケースがほとんどです。そのため、1社ずつ地道に営業をかけても「今は間に合っている」と断られやすくなります。

重要なのは、「今まさに倉庫を切り替えたい・拡張したい」と考えている企業を効率よく見つけ出すことです。FAX営業であれば、自社に専任の営業マンがいなくても、自社の強み(例:遠方への配送が安いなど)を数千社に一斉に届けることができ、タイミングよくニーズが合致した荷主からの反響を効率的に集めることが可能です。

関連動画『倉庫業で新規受注を探すならFAXを使ってほしい理由』

現場対応と営業活動を両立させるための社内体制の構築

多くの中小規模の倉庫では、所長や現場責任者が営業を兼任しており、「現場のトラブル対応や既存顧客のフォローに追われ、新規開拓に手が回らない」という悩みを抱えています。

これを解決するには、「週に半日は現場を離れて営業活動に専念する時間をブロックする」「現場のオペレーションをマニュアル化し、特定の担当者に依存しない体制を作る」など、社内の業務フローを見直し、意図的に営業活動のためのリソースを捻出する体制構築が必要です。

【補足】自社リソースが不足している場合は「営業代行」という選択肢も

「頭では分かっていても、どうしても社内で営業担当を採用・育成する時間がない」という場合は、外部のプロ(営業代行サービス)を活用するのも有効な手段の一つです。

物流業界の動向に詳しい営業代行であれば、即戦力として「提案型営業」を任せることができます。自社は現場の品質向上やオペレーション改善に集中しつつ、スピーディに空きスペースを埋めることができるため、費用対効果の高い選択肢となります。

【成功事例】自社の強みを活かし、新規荷主の獲得に成功したプロセス

ここで、自社の強みを活かして新規開拓に成功した具体的な事例をご紹介します。以下の動画では、営業マンが不在の状況でも、ターゲットを絞り込むことで多数の取引先を開拓した2つの成功パターンが紹介されています。

成功事例1:郊外の低価格帯倉庫で「原料保管」に特化

自前ではなく協力会社の倉庫を活用し、「郊外だが保管料が安い」というサービスを構築したA社。ターゲットを「製造業(メーカー)」に絞り、「原料を安く長期間置いておきたい」というピンポイントなニーズに向けてFAX等で1,000件に提案を行いました。結果、すぐに4件の問い合わせを獲得し、1件の新規契約へと結びつけるなど、価格とターゲットの見事な合致で成功を収めました。

成功事例2:都心近郊で「フルフィルメント(一括請負)」に特化

一方B社は、都心近郊に拠点を構え、保管だけでなく「発送手配」や「流通加工」までをオールインワンで引き受けるサービスを展開しました。単価はやや割高になるものの、こういった一括請負のニーズが強い「EC事業者」や「アパレル企業」に業種を絞ってアプローチした結果、営業開始後すぐに10件もの見積もり依頼を獲得しました。

2つの事例から学べるのは、「自社の強みが最も活きる業種へピンポイントに提案すること」、そして「社内に営業リソースがなくても、外部の仕組み(FAXや代行)を使って広くアプローチすること」が新規開拓の成功の鍵になるということ。

関連動画『成功事例から学ぶ倉庫業の荷主獲得方法』

まとめ

荷主が倉庫に求めているのは、単なる「荷物を置く場所」ではなく、「自社のビジネスを成長させるための物流パートナー」です。

荷主のニーズを的確に捉え、自社の強みと結びつけた「解決策」を提案できる倉庫が、最終的に顧客から選ばれ続けます。まずは、自社にどのような強みがあるのか、棚卸しをすることから始めてみましょう。

「自社の強みは分かったが、実行する人員がいない」「現場が忙しく、効率よく新規荷主にアプローチできない」といった課題をお持ちの場合は、弊社の営業代行サービスがお力になれるかもしれません。

物流・BtoB業界に強いプロが、貴社の魅力を荷主へ的確にお伝えします。ご興味があれば、情報収集の一環としてぜひお気軽にご相談ください。

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