
プラスチック製造業が抱える「下請け脱却」「新規市場開拓」「技術のアピール方法」といった課題解決には、顧客が思っている課題や需要を的確に捉えた戦略が必要です。
本記事では、プラスチック製造業と取引になる可能性が高い業界が「本当に求めていること」と、より効率的に自社の強みを伝える営業方法について解説します。
プラスチック製造業における「高確率で取引になる」
有望なターゲット業界と用途

プラスチックが選ばれる最大の理由は「安価に作れる」「品質がブレない」「大量に作れる」「複雑な形にも対応出来る」点にあります。このメリットとなる部分を求めている有望なターゲット業界と、買い手の目的を見ていきましょう。
自動車・輸送機器メーカー:軽量化・EV化
現代の自動車産業では、燃費向上や電気自動車(EV)の航続距離を伸ばすため、鉄からプラスチックへの置き換え(樹脂化)が進んでいます。
ターゲット例:完成車メーカー、部品メーカー
買い手の目的:車体を軽くする「軽量化」、複雑な形状のダッシュボードやバンパーなどを形作る「一体成形」、衝撃吸収や電気系統の絶縁材としての「安全性」。
飲料・食品・医薬品メーカー:パッケージング・衛生
私たちの生活に最も身近なところで大量消費されている、様々な包装や資材(パッケージング)としての需要が最も巨大な分野です。
ターゲット例:飲料メーカー、食品容器メーカー、製薬会社、医療機器メーカー
買い手の目的:酸素や湿気を遮断して品質を保つ「バリア性」、使い捨て(ディスポーザブル)による「衛生管理・感染防止」、軽くて割れにくく輸送コストを下げる「利便性」。
家電・電子機器メーカー:絶縁性・精密成形
スマートフォン、PC、冷蔵庫など、内部の精密部品から外装筐体などにも、プラスチックは欠かせない素材です。
ターゲット例:総合家電メーカー、スマホ・PCメーカー
買い手の目的:電気を流さない特性を活かした基板の土台やコネクタなどの「絶縁性と耐熱性」、極めて精密な金型技術を用いてミリ単位のギアを作る「小型化・薄型化」。
住宅設備・建設業界:インフラ・耐久性
水道管や断熱材など、見えないところで社会インフラを支える需要も安定しています。
ターゲット例:住宅設備メーカー、ゼネコン、建材メーカー
買い手の目的:金属と違って土中でも錆びない「耐食性」、発泡プラスチックを壁に入れて家のエネルギー効率を高める「断熱性」。
法人顧客がプラスチック製造業に求める「本音」

ではターゲット業界の目的を踏まえた上で、彼らが数ある製造業の中から「発注先」を選ぶ際の決定要因となる部分はどこにあるのか。3つに分けて解説します。
安価に同じ品質のものを大量に作れるかどうか
顧客は「複雑な形を安く大量に作れる」というプラスチック最大のメリットを最大限享受したいと考えています。そのため、試作品だけでなく、いかに安定した品質管理のもとで量産体制を提供できるかが問われます。
用途に合わせた最適な「素材×加工法」の提案力(VA/VE提案)
買い手はプラスチックの専門家ではないため、技術や加工法について詳細に把握している人は少ないです。そのため「射出成形」「押出成形」「ブロー成形」など、自社が持つ設備と技術を使って、顧客の「コストダウン」や「軽量化」にどう貢献できるかというVA/VE(価値分析/価値工学)提案を求めています。
納期遵守とトラブル時の対応力
プラスチック部品は顧客のサプライチェーン(供給網)の一部に組み込まれます。そのため、確実な納期管理と、万が一の不良や金型トラブルが発生した際にスピード感のある対応力が、長期的な取引における絶対条件となります。
自社の技術を選んでもらう「営業方法」

買い手の課題を把握したら、次は実際に選んで取引してもらうためにも自社の見せ方を工夫する必要があります。具体的な方法は以下の3つです。
自社の「強み」を絞り込む
「プラスチック加工なら何でもできます」という謳い文句は、かえって顧客の印象に残りません。「スーパーエンプラの精密成形なら負けない」「医療用のクリーンルーム環境を完備している」など、特定業界に深く刺さるニッチな強みを言語化しましょう。
ターゲットの「課題解決」を軸にした提案書づくり
設備のスペックや会社概要だけを見せても商談は進みません。「既存の金属部品を当社の技術で樹脂化し、コストを20%削減した実績があります」といったように、Before/After資料や画像を用いて顧客が得られるメリットや利益を伝える提案書を作成しましょう。
Webサイトの充実とアウトバウンド営業の組み合わせ
プラスチック加工の発注先を探している買い手は、Googleなどの検索エンジンを使って、自分で候補企業を調べる傾向が強まっています。自社サイトに加工実績や得意分野、対応可能な素材・成形方法などの情報を充実させておくことは、こうした事前の情報収集や切り替え先を探す際の検索経由で「自社を見つけてもらう」機会を増やすことにつながります。
同時に、検索されるのを待つだけでなく、ターゲット企業の購買部門や設計部門へ直接売り込む攻めの営業(テレアポやFAXなど)を組み合わせることで、競合他社に先んじて商談の機会を作ることができます。
製造業の新規開拓における壁と「工数活用」の重要性

頭では分かっていても、いざ新規開拓を始めようとすると様々な壁にぶつかります。
- 「社長や工場長が営業を兼任しており、現場から離れられず時間がない」
- 「確かな技術力はあるが、どの企業のどの部署にアプローチすれば話を聞いてもらえるか分からない」
こうした「時間がない」「提案すべき企業が分からない」という壁は、プラスチック製造業に限らず製造業に広く共通する課題でもあります。業種を問わない集客の非効率さの解消については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
製造業が同業他社より「いち早く」選ばれるには?集客の非効率をなくす最速の営業戦略
効率化を図るなら「営業代行」の活用も視野に

社内の人手だけでの新規開拓には限界があります。今以上のスピード感を持って新規開拓を進めたい場合は、営業の外注を選択肢に加えることで、一気に効率化を図ることができます。
自社営業と営業代行の掛け合わせ戦略
リスト作成、面談予定の獲得、初期連絡といった「最も手間と根気がいる部分」を外部に任せましょう。そうすることで、自社の社長や技術者は「クロージング(契約締結)」や「具体的な技術打ち合わせ」など専門的な知識が必要になる対応のみに集中でき、極めて効率的な新規開拓が可能になります。
営業代行を活用するメリット
製造業やBtoBビジネスに精通したプロの営業マンがターゲット選定から行うため、自社に営業ノウハウがなくても即座にスタートできます。現場のスタッフは「製造」に集中しながら、見込みのある顧客との接点を定期的に生み出せるのが最大の強みです。
営業代行会社にどこまでの業務を任せられるのか、どのような基準で選べばよいのか気になる方は、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
まとめ
- ターゲット業界: 自動車、食品・医療、家電、建設など多岐にわたる
- 買い手のニーズ: 安定品質・量産体制、最適なVA/VE提案、確実な納期と対応力
- 提案方法: 顧客の課題に寄り添い、自社の強みをニッチに絞り込むこと
新規開拓は、社内でできる地道な取り組みから始めることが基本です。そのうえで「営業する人手が足りない」「もっと効率的に商談機会を増やしたい」と感じた際は、営業代行などの外部業者の活用も検討し、自社の技術力や製品を多くの企業に知ってもらいましょう。
今現在新規開拓に困っている、あるいは上記で紹介したターゲット企業との取引が少ないから増やしたいと考えている場合は、FAX営業代行を活用して1年間に12000社へ自社の魅力を伝えてみませんか?
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。