はじめに
「特定の大手顧客への依存から脱却し、自社の技術を新市場で活かしたい」と悩む電子部品メーカーは少なくありません。
自動運転やIoTなど新領域の需要が拡大する今、かつてないビジネスチャンスを掴むためのスピーディな新規開拓が急務となっています。
本記事では、電子部品製造業が新たな法人顧客や提携先を開拓すべき理由と、自社のリソースを削らずに効率よく販路を拡大する手法について解説します。
1電子部品製造業が新規法人顧客・提携企業を探すべき3つの理由
なぜ今、電子部品メーカーにとって新規開拓が急務となっているのでしょうか。その背景には、業界構造の変化と新たな需要の爆発があります。
・特定業界・既存顧客への依存リスクの回避
日本の電子部品業界の需要は、長らく自動車向け(約40%)や通信機器向け(約27%)が大きな割合を占めてきました。しかし、特定分野や少数の大手顧客に依存するビジネスモデルは、完成品メーカーの減産や海外移転、あるいは業界全体の不況が起きた際に、売上減少の直撃を受けるリスクをはらんでいます。取引先を多角化し、リスクを分散させることは、企業存続のための絶対条件と言えます。
・ブラックボックス化された自社技術の「異業種展開」
日本の電子部品メーカーは、高い市場シェアと「すり合わせ技術」による独自の製造ノウハウを持っています。他社には簡単に真似できないブラックボックス化されたその技術力は、既存の業界内だけでなく、これまで接点のなかった異業種からも高く評価される可能性を秘めています。自社の技術を客観的に見つめ直し、新たな用途を提案する動きが求められています。
・次世代市場(CPS/IoT・カーボンニュートラル等)での早期シェア獲得
政府が推進するデジタル田園都市国家構想や、世界的なカーボンニュートラルの潮流により、現実世界のデータを収集・制御するエッジ領域の重要性が増しています。それに伴い、センサやアクチュエータといった電子部品の需要は急増しています。急成長する次世代市場において早期にシェアを獲得するには、今すぐアクションを起こす必要があります。
2【製品別】自社の強みを活かせる新たなターゲット企業の探し方
では、実際にどのような企業へアプローチすべきでしょうか。製造している部品のカテゴリ別に、ターゲットとなる業界と提案の切り口をご紹介します。
・受動部品(コンデンサ・抵抗器・インダクタ等)の提案先
ターゲット: 産業用ロボット、航空宇宙、EV(電気自動車)、再生可能エネルギー関連機器メーカー
提案の切り口: 大電力への対応力や、極限環境下(高温・高湿・高振動など)における高い耐久性、ノイズ対策、長期にわたる安定稼働の実現などをフックに提案します。
・接続部品(コネクタ・スイッチ・リレー等)の提案先
ターゲット: 医療機器、ウェアラブル端末、IoTデバイスメーカー
提案の切り口: 最終製品の小型化・軽量化への直接的な貢献や、次世代通信に向けた高周波対応、人命や重要データを扱う機器における長寿命・高信頼性の担保を強みとして打ち出します。
・変換部品(音響部品・モーター等)およびセンサ類の提案先
ターゲット: スマート家電、自動運転モビリティ、アグリテック(農業IoT)、スマートファクトリー関連企業
提案の切り口: 高精度なデータ収集による機器のインテリジェント化や、緻密な制御による省電力化・効率化への貢献など、次世代の付加価値を生み出すコアパーツとしての役割をアピールします。
3新たな顧客・提携先との出会いがもたらす3つのメリット
異業種へのアプローチを成功させることは、単なる「一時的な売上アップ」以上の大きな利益と成長を企業にもたらします。
・高収益化と価格競争からの脱却
成熟した既存市場では、どうしても価格競争に巻き込まれがちです。しかし、自社の技術が高く評価されるニッチ市場や成長産業へ参入できれば、製品の「価値」で勝負することができ、利益率の大幅な向上が見込めます。
・オープンイノベーションによる新製品の創出
異業種の企業からは、「さらに小型化できないか」「これまでにない耐熱性が欲しい」といった新たな要求スペックが提示されます。その高いハードルに応えるプロセス自体が自社の技術力を底上げし、結果として次世代の主力製品を生み出すきっかけとなります。
・単なる「サプライヤー」から「共同開発パートナー」への昇格
完成した部品を納入するだけの関係性から脱却し、クライアントの開発初期段階から入り込むアライアンス(技術提携)を組むことが理想です。パートナー企業としてのポジションを確立できれば、他社へのリプレイスを防ぎ、継続的かつ強固な取引基盤(安定収益)を構築できます。
4法人顧客・提携先の見つけ方(具体策)
新たな顧客との接点を持つための代表的な手法には、以下のようなものがあります。
・展示会・技術マッチングイベントへの出展
メリット: 実物の部品を見せながら、相手企業の技術担当者や決裁者と直接対話ができるため、熱量の高い商談に繋がりやすい手法です。
デメリット: 出展費用やブース設営費などのコストが高額になりがちです。また、名刺交換後の継続的なフォローアップを行うための営業リソースが不可欠です。
・デジタルマーケティング(SEO・専門ポータルサイト掲載)
メリット: 自社の技術に関心を持つ見込み客からのインバウンド(待ちの営業)が期待でき、営業マンの属人性を排除した集客の仕組み化が可能です。
デメリット: 検索順位を上げ、安定した問い合わせを獲得するまでに時間がかかります。また、専門的なWeb運用の知識が社内に必要となります。
・アウトバウンド営業(ダイレクトアプローチ)
メリット: 自社の部品を必要としていそうな異業種のターゲットをピンポイントで絞り込み、スピーディに直接提案を持ちかけることができます。
デメリット: 顧客リストの作成からテレアポ、商談までに膨大な工数がかかります。自社の営業担当の工数が割かれ、既存顧客への対応やフォローがおろそかになるリスクがあります。
5手段の一つとしての「営業代行」。リソース不足を補い、出会いを創出する
新規開拓の手法は様々ですが、多くの電子部品メーカーが直面するのが「リソースの壁」です。
・新規開拓における最大の課題は「リソース不足」
新しい顧客と出会うことの重要性や、それがもたらす恩恵は理解していても、実行に移せない企業は少なくありません。日本の電子部品メーカーは国内での研究開発比率が約8割を占めると言われており、コア業務である「研究開発」や「生産技術の向上」に全力を注いでいます。不慣れな新規開拓のために、貴重な人材を割くのは現実的ではありません。
・営業代行を活用し、自社の強み(技術)に集中する
そこで、リソース不足を補う有効な選択肢の一つとなるのが、営業のアウトソーシング(営業代行)です。
新規開拓におけるリストアップから初期アプローチ、アポイントの獲得までを営業のプロフェッショナルに任せることで、自社は技術力を落とすことなく、並行して異業種へのアプローチが可能になります。
・異業種・新市場へのテストマーケティングとして活用
営業代行は、単なる労働力の補填ではありません。「自社では気づかなかった製品の新しい使い道」の発見や、Web集客よりもはるかに早いスピードでの「市場の生の声」の収集が可能です。自社の営業組織を柔軟に拡張する感覚で、リスクを抑えながらテストマーケティングを実行できるのが最大の強みです。
6【動画で学ぶ補足情報】
電子部品や電気機械器具の製造業に向けた新規開拓や営業手法の具体例について、以下の動画で詳しく解説しています。自社の強みを活かした販路拡大のヒントが詰まっていますので、ぜひあわせてご視聴ください。
▽電子部品製造業の会社が新規取引先獲得・取引先開拓・販路拡大・集客をしたい場合
▽電気機械器具製造業の会社が新規取引先獲得・取引先開拓・販路拡大・集客をしたい場合
7まとめ
激動の電子部品業界において、特定の取引先への依存から脱却する「新規開拓」は、企業の存続と成長に不可欠です。
新たな顧客との出会いは売上や利益率の向上をもたらしますが、そのために自社の貴重なリソース(技術者や既存営業)を疲弊させては本末転倒です。
自社の強みである「開発・生産体制」をしっかりと守りつつ、最短距離で理想の提携先を開拓する手段として、「営業代行サービス」を活用してみませんか?
自社技術の異業種展開や販路拡大にお悩みの企業様は、ぜひ一度弊社の営業代行サービスへご相談ください。