
長年培った技術と高品質な網や資材には自信があるのに、「新規開拓がなかなか進まない」そんな悩みを抱える沖合漁業関連企業は少なくありません。既存顧客のメンテナンス対応に時間や工数を取られ、営業活動まで手が回らない企業も多いでしょう。水産業界には独特の商習慣があり、専門的な商材の魅力を他社に的確に伝えるには、それなりのノウハウと労力が必要になります。
本記事では、こうした課題を解決する「営業代行」の活用法と、失敗しない代行会社の選び方を紹介します。専門家の力を借りて販路を広げ、売上アップにつなげる具体的な手順を解説していきます。
沖合漁業関連企業が抱える営業の課題とは?

沖合漁業を支える網や資材メーカーは、確かな品質と高い技術力を誇ります。その一方で、営業面では特有の課題を抱えている企業が目立ちます。どのような問題が販路拡大を阻んでいるのか、順に見ていきましょう。
優れた網・資材があっても新規開拓が難しい理由
伝統技術と最新設備で作られた高品質な漁網や資材があっても、その強みを伝えられる人材がいなければ、新規開拓にはつながりません。製品の良さを伝えるだけでなく、「漁獲量が上がる」「安全性が高まる」といった顧客側のメリットに置き換えて提案する営業力が必要になります。
既存顧客へのメンテナンス対応に伴う人手不足
定置網などの漁具は、納品後も定期的な点検や補修、防汚加工といったメンテナンスが欠かせません。多くの企業では、こうした既存顧客へのアフターフォローに人員の大部分を割いており、新規開拓に回せる営業の工数がほとんど残らないことが実情です。結果として、新たな売上の柱を育てにくくなります。
水産業界特有の商習慣と新規開拓の壁
水産業界では、漁協や特定の水産会社との長年の信頼関係が重視されます。そのぶん、新規の取引先を開拓するハードルは非常に高いのが特徴です。漁具に関する専門知識はもちろん、業界特有の商習慣や声をかけるタイミングを理解していなければ、商談の機会を得ること自体が難しいでしょう。
沖合漁業に「営業代行」を活用する3つのメリット

こうした営業マン不足や業界特有の壁を乗り越える手段のひとつが、「営業代行」の活用です。ここでは、沖合漁業関連企業が営業代行を導入することで得られる具体的なメリットを3つ紹介します。
採用・教育コストの削減とプロの即戦力確保
自社で水産業界の知識を持った営業人材をゼロから採用・育成するには、多大な時間と費用がかかります。企業間取引の営業に強い代行会社を活用すれば、こうした固定コストを抑えながら、初日からプロの即戦力を確保できます。営業の人手不足を解消し、早い段階で新規開拓の成果につなげやすくなります。
第三者視点で自社製品の強みをアピール
自社製品の良さは、作り手であるほど当たり前に感じてしまい、うまく言葉にできないことがあります。営業のプロが第三者の視点を持つことで、伝統技術や最新設備による「網の耐久性」といった強みや今まで当たり前と感じていた要素を、顧客にとってのメリットとして分かりやすく言語化できます。提案資料にも落とし込みやすくなり、説得力のある提案につながります。
地方漁港や遠方の水産加工会社への効率的な営業展開
ターゲットとなる漁協や水産会社は全国の沿岸部に点在しており、自社スタッフだけですべてのエリアを対応するのは現実的ではありません。営業代行を利用すれば、リストの作成から電話やオンラインでの商談予定の獲得までを組織的に進められます。遠方への営業も仕組み化でき、販路を一気に広げやすくなります。
営業代行を導入するとどのような流れで新規開拓が進むのかについて、動画でもご覧いただけます。事例も3件程紹介しておりますので、参考に活用ください。
専門性の高い商材(漁具・資材)をどう売るか?代行会社の提案手法

漁網や資材といった専門性の高い商材は、一般的な営業手法では価値が伝わりにくいものです。企業間取引に特化した営業代行会社は、独自のノウハウで専門商材の魅力を言語化します。ここでは、代行会社が実践する具体的な提案手法を紹介します。
伝統技術と最新設備による「網」の品質を論理的に訴求
営業のプロは、職人が培った「伝統技術」と「最新設備の導入」という製造背景を、顧客にとってのメリットに置き換えます。単に「丈夫な網」と伝えるのではなく、「海が荒れても壊れにくく、漁獲量の安定につながる」という背景として伝えるのがポイントです。品質の高さが、納得感のある価値として顧客に届きます。
「側張り」など定置網資材の安全性を切り口にした提案
定置網を固定する「側張り」などの資材は、安全性や使いやすさが重要視されます。代行会社は、過酷な海洋環境でも確実に敷設できる設計の工夫や、現場での作業効率が上がる点を切り口に商談を進めます。製品のスペックだけでなく、現場の安全確保や人件費削減といった経営課題の解決に結びつけて提案するのが特徴です。
点検・補修・防汚加工など保守サービスの定期契約獲得
網の販売だけでなく、納品後の点検・補修や、汚れを防ぐ防汚加工といったメンテナンスの提案も代行会社の得意分野です。漁の繁忙期を逃さないスピーディーな対応力をアピールし、単発の取引ではなく長期的な定期契約の獲得を目指します。保守の重要性を丁寧に伝えることで、安定した収益基盤づくりを後押しします。
失敗しない!沖合漁業に強い営業代行会社の選び方

営業代行の成果は、協業となる代行会社選びに大きく左右されます。水産業界ならではの専門性や商習慣を理解し、自社の強みを正しく伝えられる会社を選ぶために押さえておきたい3つの基準を紹介します。
水産・製造業界の企業間取引における営業実績があるか確認する
営業代行会社を選ぶ際、最も重要なのが水産や製造業界での企業間取引の実績です。漁具や資材などの専門商材は、一般的な商材とは提案の進め方が大きく異なります。業界特有の商習慣や専門用語を深く理解し、漁協や水産会社を相手にした新規開拓のノウハウを持つ会社を選ぶことで、活動開始後のミスマッチを防げます。
以下の動画では弊社をご利用された水産加工メーカーの実績を解説しています。
自社に合う料金体系(成果報酬型・固定報酬型)を選ぶ
費用対効果を高めるには、自社の目的に合った料金体系を選ぶことが欠かせません。初期費用を抑えて商談予定の獲得など成果ごとに費用が発生する「成果報酬型」と、リスト作成から商談まで中長期的な活動を定額で依頼する「固定報酬型」があります。網などの高単価な商材を拡販するなら、腰を据えた活動がしやすい固定報酬型が向いている場合が多いでしょう。
顧客の反応や市場の声を自社へ還元する仕組みの有無
営業活動を外注するからこそ、活動内容が見えなくなってしまう事態を防ぐ仕組みが欠かせません。商談時の顧客の反応、断られた理由、競合製品に関する市場の声などを、定期的に自社へ共有してくれる代行会社を選びましょう。得られた情報は、新製品開発や既存製品の改良、メンテナンスサービスの品質向上に直結する貴重な財産になります。
営業代行導入から運用開始・新規獲得までの流れ

営業代行を成功させるには、導入前の準備と代行会社との綿密な連携が欠かせません。ここでは、実際に営業代行を依頼してから運用を開始し、新規顧客を獲得する具体的な流れを紹介します。
自社の営業課題の洗い出しと目標の明確化
まずは自社が抱える営業課題(新規開拓の停滞や人手不足など)を洗い出します。その上で、「月に何件の商談を獲得したいか」「どのエリアの漁協を開拓するか」といった具体的な目標(KPI)を代行会社と共有しましょう。目標を明確にすることで活動の方向性が定まり、効果的な営業戦略を立てやすくなります。
製品情報・強みの共有と営業資料の準備
次に、漁網の品質や資材の安全性など、自社製品の強みを代行会社へ詳細に共有します。専門的な商材だからこそ、製造背景や過去の実績を正確に伝えることが重要です。この情報をもとに、代行会社が顧客の課題解決に直結するわかりやすい営業資料を作成し、効果的な営業の準備を整えます。
進捗報告の頻度やトラブル防止策のすり合わせ
運用開始前には、週に何回報告を受けるかといった進捗確認のルールを決めておきます。また、既存取引先への二重営業を防ぐための営業先リストの精査や、クレーム発生時の対応フローなど、トラブル防止策も事前にすり合わせておきましょう。定期的な情報共有によって改善サイクルを回せることが、新規獲得の精度を高める鍵になります。
まとめ:営業代行を活用して沖合漁業の売上を最大化しよう
沖合漁業において、高品質な網や資材、確かな技術力は最大の武器です。しかし、それを顧客へ届ける営業力が伴わなければ、なかなか売上には結びつきません。既存顧客への対応に追われ、新規開拓の工数が不足している企業にとって、営業代行の活用はひとつの有効な解決策です。水産業界の商習慣や専門商材に強い代行会社を選び、自社の強みを客観的にアピールしてもらうことで、効率的な販路拡大につながります。今回紹介した選び方や導入の流れを参考に、営業の課題を一つずつ克服していきましょう。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。