水産加工の新規開拓に悩む方へ。販路開拓を加速させる営業戦略のすべて

水産加工の新規開拓に悩む方へ。販路開拓を加速させる営業戦略のすべて

「既存の取引先だけでは売上が伸び悩んでいる」「自社商品をどう売り込めば良いか分からない」そんな悩みを抱える水産加工業の方は少なくありません。長年の取引関係に依存した経営は、消費者ニーズの多様化やコスト高騰が進む今、価格交渉力の低下や急な取引終了といったリスクと隣り合わせです。

本記事では、小売店や飲食店への具体的な提案方法から、営業を後押しするDX(デジタル技術を活用した業務改革)ツール、コストを抑える補助金の活用法まで解説します。読み終える頃には、自社の強みを活かした営業戦略とその方向性が見えてくるはずです。

目次

水産加工業において新規開拓・販路開拓が急務な理由

水産加工業において新規開拓・販路開拓が急務な理由

水産加工業を取り巻く環境は急速に変化しており、従来の経営スタイルでは利益の維持が難しくなっています。持続的な事業運営には、新規開拓と販路拡大への積極的な取り組みが欠かせません。

既存取引先への依存リスクと価格競争の限界

特定の大口取引先に売り上げを依存していると、突然の取引終了や価格交渉の不利益によって業績が大きく悪化するリスクを抱えます。同一ルートでの販売は相場変動の影響を受けやすく、無用な価格競争に巻き込まれがちです。自社の利益率を高め経営基盤を強固にするには、複数の販売ルートを確保し、取引先を分散させることが大切です。

消費者の食へのニーズ多様化と中食・外食市場の変化

少子高齢化や共働き世帯の増加に伴い、家庭内で魚を調理する機会は減少傾向にあります。一方で、手軽に食べられる「中食(惣菜・ミールキット)」や、独自の価値を提供する「外食・観光需要」の市場は拡大を続けています。従来の卸売市場だけでなく、こうした新しい市場にも柔軟に提案していく姿勢が求められます。

以下の動画でも解説しています。

水産加工品における新たな販路の選択肢と特徴

水産加工品における新たな販路の選択肢と特徴

新規開拓を成功させるには、各販路の特徴を理解し、自社商品に最も適した市場を見極めることが重要です。ここでは代表的な4つの販路とその特徴を紹介します。

小売店・スーパー(量販店)への提案と採用基準

スーパーなどの量販店は安定した販売量が見込める一方、採用基準は厳格です。品質や価格に加え、HACCP(食品の安全を管理する国際的な衛生管理の手法)に沿った衛生管理体制や、安定供給できる生産能力が問われます。陳列しやすいパッケージ形状や、消費者向けの簡便な調理方法を提案するなど、売り場担当者の視点に立った工夫が採用につながります。

飲食店・外食産業が求めるカスタマイズ提案

飲食店や外食産業では、深刻な人手不足を背景に「調理の手間を省く商品」の需要が急増しています。骨抜き処理、ポーションカット、味付け済みといった加工品の提案が効果的です。相手のメニューや業態に合わせ、グラム数や規格を柔軟にカスタマイズできる対応力が、成約率を大きく左右します。

BtoB向けECサイト・産直プラットフォームの活用

全国の飲食店や小売店と直接取引できる、BtoB(企業間取引)向けのECサイト(インターネット上の販売サイト)や産直プラットフォームの活用も有効な手段です。初期費用が比較的低く、営業人員が不足していても新規顧客との接点を持てます。自社商品のこだわりや生産背景を魅力的に発信することで、価格競争を回避しやすくなります。

成長市場としての海外展開(輸出)の可能性

国内市場が縮小傾向にある中、世界的な日本食ブームを背景とした海外展開(輸出)には大きな可能性があります。相手国の輸入規制のクリアや商社との連携など乗り越えるべきハードルは多々ありますが、まずはJETRO(日本貿易振興機構)や自治体の支援制度、海外見本市を活用し、テストマーケティングから始めるのがおすすめです。

新規開拓を成功に導く具体的な営業方法

新規開拓を成功に導く具体的な営業方法

手当たり次第に営業活動を始めるのではなく、事前の準備から商談までの進め方を計画しておくことが、成約率を高める鍵になります。ここでは4つの手順に分けて営業方法を解説します。

1:自社商品の強みとターゲットの明確化

まずは自社商品が持つ独自の強みを整理します。「鮮度」「独自の加工技術」「地域特産」など、当たり前と感じる些細な事も含めて、他社にはない魅力を言語化してみましょう。強みが明確になれば、「どのような課題を持つ顧客に刺さるか」というターゲット像(こだわりの強い高級飲食店、健康志向のスーパーなど)が自然と定まり、営業の軸が固まります。

2:効率的な見込み顧客リストの作成方法

ターゲットが定まったら、営業先となるリストを作成します。闇雲に探すのではなく、ターゲット層が登録されているグルメサイトや企業データベース、商談会の参加企業情報などを活用して効率的に収集しましょう。また、過去に名刺交換をしたものの取引に至っていない休眠顧客をリストへ追加することも有効です。リスト作成に割く手間や時間がない・方法がわからないという場合はリストの購入やリストレンタルを提供している企業もございますので、ご利用を検討しましょう。

3:魅力的な提案書づくりとサンプル(試食品)の活用術

提案書には商品説明だけでなく、「導入することで顧客にどんなメリット(調理時間の削減、客単価の向上など)があるか」を具体的に記載します。水産加工品において、サンプルの提供は強力な武器です。単に試食品を送るだけでなく、最適な調理法や原価計算の目安を同封することで、顧客に導入後のイメージを持ってもらいやすくなります。

4:商談でのヒアリングと信頼構築のポイント

商談では一方的なアピールよりも、顧客が抱える仕込みの手間や、食品ロスの多さなどの課題をヒアリングすることに力を入れましょう。相手の課題を正確に把握できれば、解決策としての最適な提案が可能になります。水産品は衛生面や品質の安定性が懸念されやすいため、自社の品質管理体制を丁寧に説明し、信頼関係を築くことも重要です。

以下は弊社をご利用された水産加工会社の事例を紹介した動画です。実際にこちらの企業が利用したFAX紙面のサンプルや、自社のターゲットとなる企業が現状何件いるのかを把握したい場合はリストも提供していますので、是非ご活用ください。

水産加工の販路開拓を加速させる「DX」と「ブランド化」

水産加工の販路開拓を加速させる「DX」と「ブランド化」

人手不足や激しい価格競争といった業界特有の課題を乗り越え、新規開拓を加速させるには、最新技術を活用する「DX(デジタル技術を活用した業務改革)」と、自社独自の価値を高める「ブランド化」の両輪が重要です。

営業人材不足を補うデジタルツール(SFA/CRM)の導入

水産業界でも営業担当者の確保が難しくなっています。この課題を解決するのが、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)などの営業ツールの導入です。過去の商談履歴や顧客の嗜好をデータ化して社内で共有すれば、特定の担当者に頼らない営業体制を作れます。少ない人員でも的確な提案が可能になり、新規開拓の効率が高まります。

BtoB営業の課題を解決させるツールとは?

価格競争から脱却するための高付加価値化・ブランド構築

価格競争から抜け出すには、商品に付加価値を持たせるブランド構築が欠かせません。「独自の伝統製法」「環境に配慮した漁法」「無添加へのこだわり」など、商品に込められたストーリーを明確に打ち出しましょう。消費者の共感を呼ぶ価値を的確に伝えることで、価格に依存せず選ばれる商品となり、利益率の高い安定した取引につながります。

人手不足を補う営業代行の活用と適切な役割分担

デジタルへの移行も大切ですが、不慣れと感じる場合は覚える工程そのものが負担と感じる場合も多いと思います。その場合はツールを導入する前に「営業代行」を活用することをおすすめします。外注費はかかりますが、新たな人手を雇う費用や給料に比べて経費の削減と即戦力となる営業マンを利用でき、即座に営業活動に取り組めます。利用の際は自社で対応する場合に手間がかかるリスト作成や初回連絡を委託する事で、商談などの見込み度合いの高い顧客にだけ工数を割くことが可能になります。

販路開拓に活用できる補助金・支援事業

販路開拓に活用できる補助金・支援事業

新規の販路開拓には、サンプル制作や展示会出展などのコストが伴います。こうした経済的負担を軽減し、新たな挑戦を後押しする国や自治体の支援制度を積極的に活用しましょう。

国や自治体が提供する販路開拓向けの主要な補助金制度

販路開拓には「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」などが有効です。展示会への出展費用や販促ツールの作成費、ECサイト構築費の一部が補助対象となり、資金面のリスクを軽減できます。水産加工業に特化した自治体独自の支援策が公募される場合も多いため、定期的に最新の補助金情報を確認しましょう。

商工会議所など公的機関による専門家支援とマッチング

資金面だけでなく、商工会議所やよろず支援拠点といった公的機関では、専門家による経営相談や販路開拓サポートを無料で受けられます。自社商品の磨き上げから、バイヤーとの個別マッチング商談会の案内まで、多角的な支援を提供しています。行政や支援機関の関係性を活用し、効率よく新規顧客との接点を作りましょう。

水産加工の新規開拓でよくある失敗と対策

水産加工の新規開拓でよくある失敗と対策

新規開拓を進める中では、想定外のトラブルに直面することも少なくありません。ここでは水産加工業の販路開拓でよくある失敗例と、その対策を解説します。

生産体制とのミスマッチによる納品トラブルを防ぐには

新規受注を獲得しても、生産能力が追いつかず欠品や納品遅れを起こしてしまう失敗はよくあります。商談の段階で、自社の供給可能量やリードタイム(発注から納品までにかかる期間)を必ず明確に伝えましょう。急な発注にも対応できるよう、生産工程の見直しや協力工場の確保など、無理のない供給体制を事前に整えておくことも重要です。

フォロー不足による「単発取引」を回避する仕組みづくり

苦労して新規顧客を獲得しても、納品後の連絡を怠ると取引が一度きりで終わってしまいます。初回納品後は、商品の状態や顧客の反応を必ずヒアリングしましょう。定期的な連絡や季節ごとの提案を仕組み化することで、単発取引を防ぎ、継続的なリピート発注につながる関係性を築けます。

まとめ:戦略的な新規開拓で水産加工業の売上を最大化しよう

水産加工業において、既存の取引先に依存した経営はリスクが高く、持続的な成長には新規開拓・販路拡大への取り組みが欠かせません。小売店や飲食店、EC、海外市場など、自社の強みを活かせる市場を見極め、ターゲットに刺さる具体的な提案を行うことが成功の鍵です。営業の人手や工数不足はSFAなどの営業ツールや営業代行で補い、コスト面の負担は補助金や公的機関の支援制度を積極的に活用しましょう。納品トラブルや単発取引を防ぐ体制をあらかじめ整え、着実に新規開拓を進めていきましょう。

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