
イベント会社の営業において、新規の法人顧客開拓に苦戦していませんか? 下請け案件が多く利益率が上がらない、あるいは人手不足で新規開拓が進まないといった課題は多くの企業が抱えています。この状況を打破するには、単なる売り込みを越え、顧客の課題解決に踏み込む「提案型営業」による直接取引(直請け)の獲得が必要です。
本記事では、イベント案件を獲得するために必要なターゲット選定から、5つの新規開拓手法、営業代行を活用した効率化のコツまでを詳しく解説します。 最後までお読みいただければ、自社に最適な営業手法が見つかり、優良な法人顧客を獲得して売上を最大化する道筋が明確になるはずです。
イベント会社が新規で法人営業に取り組むべき理由

イベント業界において、多くの企業が下請け中心の構造から抜け出せず、利益率の低迷に悩んでいます。しかし、戦略を立てた法人営業を強化することで、持続可能な成長と収益性の改善が可能です。ここでは、なぜ今イベント会社が直接的な法人営業へ注力すべきなのか、その理由について解説します。
下請けからの脱却と利益率の向上
下請け構造は、元請け企業から案件を回してもらう「待ちの姿勢」になりがちです。これでは仲介手数料が発生し、利益が削られるだけでなく、価格競争に巻き込まれるリスクが高まります。自社で法人顧客を開拓する「直請け」を実現すれば、適正な単価で案件を受注でき、利益率を大幅に向上させることが可能です。また、顧客と直接対話することで、自社の専門性や付加価値を正当に評価してもらう環境が整います。
安定した優良顧客の獲得
イベントの需要は景気に左右されやすい側面がありますが、特定の法人顧客と長期的な信頼関係を築くことができれば、安定した案件確保が可能になります。直請けのクライアント(顧客)は、単発の依頼だけでなく、年間を通じた販促イベントや周年記念事業などを一括して任せてくれることも少なくありません。優良な法人顧客を囲い込むことは、営業活動の効率化につながり、競合他社に対する強い差別化を生み出します。
イベント案件を獲得するための事前準備とターゲット選定

法人営業を成功させるためには、闇雲に声掛けを開始するのではなく、入念な事前準備が必要です。どの企業に対して、どのような価値を提供するのかを明確にしなければ、決裁者の心を動かすことはできません。ここでは、実際の営業活動に入る前に必ず行うべき自社の強みの洗い出しと、ターゲットとなる部署の選定方法について解説します。
自社の強みと付加価値の再定義
競合他社との差別化を図るため、自社の強みを明確に言語化します。単なる「イベント運営ができる」というアピールではなく、「オンライン配信の技術に長けている」「若年層向けの集客企画が得意」など、顧客にとっての具体的な付加価値を再定義することが重要です。自社の立ち位置を明確にすることで、提案の説得力が大きく向上します。
売り込むべき企業の部署の選定
イベントの目的によって、接点を取るべき企業の部署は異なります。社内表彰式や研修なら「人事部」、新商品発表会や展示会なら「広報・マーケティング部」、周年行事なら「総務部」が適切なターゲットです。自社が提供できるイベント内容に合わせて営業先を正確に絞り込むことで、決裁権を持つ担当者へ効率的に到達できます。
決裁者の興味を惹く事例・実績の整理
企業の決裁者は、発注による失敗リスクを避けるため、過去の実績を非常に重視します。自社が手がけたイベント事例を、写真や具体的な成果(来場者数、アンケート満足度、メディア露出効果など)とともに整理しておきましょう。特に、ターゲット企業と同業の成功事例を提示できれば、強い安心感を与え、商談を有利に進めることができます。
イベント会社におすすめの新規開拓営業手法5選

イベント会社が法人顧客を新規開拓するための手法には、アナログからデジタルまで様々な種類が存在します。自社の対応出来る工数や商材の特性、ターゲットとなる企業の規模に合わせて、最適な手法を選択あるいは組み合わせることが重要です。ここでは、イベント業界におけるBtoB営業において、効果的とされる5つの新規開拓手法について解説します。
テレアポ(電話営業)での直接提案
企業の担当者と直接会話できるため、短期間でリード(見込み顧客)を獲得しやすい手法です。イベント会社の場合、単なるサービス案内ではなく「御社の課題に対する解決策の提案」という切り口で提案することが重要です。断られる前提でリストを精査し、トークスクリプトを継続的に改善する体制が求められます。
オウンドメディアやSEOを活用したWeb集客
自社サイトで「社内イベント 企画」などのキーワードを狙った記事を発信し、検索エンジン経由で見込み顧客を獲得する手法です。即効性はありませんが、検索意図を満たす質の高いコラムや資料などのコンテンツを蓄積することで、中長期的な資産となります。需要が顕在化した質の高い顧客を安定して獲得できる強力な施策です。
フォーム営業・メール営業による効率的な接点作り
企業の問い合わせフォームや公開アドレスへ案内を送る手法です。一度に大量のアプローチが可能で、工数や手間を抑えられるメリットがあります。ただし、定型文の送信は無視されやすいため、ターゲット業界のトレンドや相手企業の課題に対する文面を個別で作成し、返信率を高める工夫が必要です。
既存顧客からの紹介営業
すでに信頼関係が構築されている既存顧客から、新たな見込み顧客を紹介してもらう手法です。イベントの運営品質や提案力が高く評価されていれば、紹介を通じた受注率は非常に高くなります。紹介を待つだけでなく、定期フォローの際などに自然な形で他部署や関係企業を紹介してもらえる仕組みを作ることが重要です。
決裁者に届く手紙・DM・FAX営業
決裁者(社長や役員など)へ直接サービスを提案したい場合に有効なのが、手紙、DM、FAXなどの営業方法です。オンライン化が進む現代において、物理的な手紙は他の営業手法に比べて目に留まりやすく、開封率が高まる傾向にあります。特別感のある案内状や、自社の実績をまとめた資料を同封することで、商談獲得の確率を引き上げます。
ですがその反面、接点のない企業から郵送物が届いた場合「売り込み」と判断された瞬間開封せずそのまま捨てられる可能性が高いです。それを懸念する場合は、内容が見える状態で社内に直接届くFAXを活用しましょう。記載内容はチラシなどのデザインを辞めて文字だけの説明に徹した方が反応率が上がります。
直請けを実現する「提案型営業」の極意

イベント業界で下請けから脱却し、利益率の高い直請け案件を獲得するには、「提案型営業」への切り替えが大切です。御用聞きのように言われた通りの企画を出すだけでは、価格競争に巻き込まれてしまいます。顧客すら気づいていない潜在的な課題を引き出し、イベントを通じて事業課題を解決する付加価値の高い提案力が求められます。ここでは、直請けを獲得するための極意を紹介します。
初回商談で顧客の潜在的な課題をヒアリングする
初回商談では、イベントの概要(日時・予算など)を聞くだけで終わらせてはいけません。「なぜ実施するのか」「現状どのような課題があるのか」という背景を深掘りすることが重要です。質問を通じて顧客の潜在的な悩みを言語化し、イベント開催の真の目的を共有することで、後続の提案の精度と説得力が飛躍的に高まります。
単なる企画ではなく経営課題の解決を提案する
ヒアリング内容をもとに、単なる催し物の企画ではなく、顧客の「経営課題の解決策」としてイベントを再定義して提案します。離職率低下を狙う社内イベントや、新規リード(見込み顧客)獲得のための展示会など、ビジネスの成果に直結する価値を提供することが直請け獲得の鍵です。専門性を活かした付加価値の高い提案が差別化を生みます。
費用対効果を明確に伝える
法人顧客が決裁を下す際、最も重視するのが費用対効果(ROI)です。イベント開催にかかるコストに対し、どれだけの見返り(売上貢献、認知拡大など)が得られるのかを定量的・定性的に示しましょう。単なる見積書の提出にとどまらず、投資に対する価値を論理的に説明することで、決裁者の納得感を引き出せます。
人手不足を解消!法人営業を加速させる「営業代行」の活用

イベントの企画や現場運営に追われ、新規開拓に人手を割けないという課題は多くの企業に共通しています。この人員不足を解消し、事業拡大を素早く推進する手段として有効なのが「営業代行」の活用です。ここでは、外部委託を利用して効率的に顧客を獲得する活用方法について解説します。
イベント業界における営業代行活用のメリット
人手が不足しているイベント会社にとって、営業代行は即効性のある解決策です。プロの営業ノウハウでターゲット企業へサービスを提案するため、自社で営業組織を育成するよりも高い費用対効果(ROI)が期待できます。企画や運営など本来の主業務に専念しながら、継続的に新規の商談機会を創出し、事業拡大を図れる点が最大のメリットです。
成果を出すために!代行会社の選び方と連携のコツ
代行会社を選ぶ際は、BtoBの無形商材やイベント関連の支援実績があるかを確認することが重要です。単なる商談の数ではなく、自社のターゲット要件に合致した質の高い商談を創出できるかを基準に選定しましょう。また、委託後も任せきりにせず、定期的なミーティングで顧客の反応を分析し、営業手法を改善し合う伴走型の連携体制が成功の鍵となります。
法人営業を進める上での注意点と失敗例

イベント会社が法人営業を進める際、焦って誤った声掛けを行うと、成果が出ないばかりか自社のブランドイメージを損なう恐れがあります。ここでは、新規開拓を失敗させないために避けるべき行動と、受注に繋げる仕組みづくりに関する注意点を解説します。
目的のない無作為なリストへの売り込みは避ける
ターゲットを絞らず手当たり次第に営業をかける手法は非効率です。自社の強みが活かせない企業に提案しても失注率が高く、営業担当者の疲弊を招きます。業種、企業規模、想定される課題などを事前に分析し、自社の提供価値と親和性の高い、精緻なターゲットリストを作成してから営業活動を開始することが重要です。実際にターゲットの絞り込みを変えるだけで1週間で100企業からの問合せを獲得した弊社を利用したお客様の事例は以下になります。
中長期的な支援体制を構築する
BtoBの法人案件は検討期間が長く、即決されにくい特徴があります。初回の提案で案件化しなかったからと放置するのではなく、定期的な情報提供による支援体制が重要です。メルマガ配信や定期連絡を通じて顧客と接点を維持し、顧客側のイベントニーズが顕在化した際に、真っ先に相談される関係性を築きましょう。
まとめ:自社に合った営業手法でイベント案件の受注を最大化しよう
イベント会社の法人営業において、下請けから脱却し、利益率の高い直接取引を獲得することは企業の持続的な成長に重要です。本記事で解説した通り、まずは自社の強みを再定義し、適切なターゲット部署を選定する入念な事前準備を行いましょう。その上で、テレアポやWeb集客など、自社に合わせた新規開拓手法を展開し、「提案型営業」によって顧客の経営課題を解決していく姿勢が重要です。また、自社の人員だけでは営業活動が回らない場合は、BtoBの新規開拓に強い営業代行サービスの活用も有効な選択肢となります。自社に最適な営業方針を構築し、イベント案件の安定的な受注と売上最大化を実現してください。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。