
システム受託開発において、「新規開拓がうまくいかない」「下請け案件ばかりで利益率が上がらない」とお悩みではありませんか? 競合が激化する現在、従来のテレアポや紹介営業だけでは、安定した直請け案件の獲得はますます難しくなっています。
本記事では、案件が途切れないシステム開発会社が実際に取り入れている「自社の強みを活かす差別化」から、最新の「効果的な営業手法」までを詳しく解説します。 この記事を読むことで、価格競争を抜け出し、優良顧客を安定して獲得するノウハウが手に入ります。持続的な事業成長に向けた次の一歩を、ぜひここから踏み出してください。
システム受託開発における新規開拓の現状と課題

システム受託開発市場は現在、IT需要が拡大している一方で、新規開拓のハードルは年々高まっています。従来のテレアポや既存のつながりからの紹介に頼る営業スタイルだけでは、安定して新しい案件を獲得することが難しくなっているのが実情です。ここでは、多くのシステム開発会社が新規開拓において直面している3つの課題について解説します。
競合過多と差別化の難しさ
現在のシステム開発業界は企業数が多く、深刻な競合過多に陥っています。特にWebシステムやアプリ開発の分野では、技術力の差を顧客へ伝えるのが難しく「自社の強み」が正しく伝わっていません。結果として他社との違いを明確に打ち出せず、価格競争に巻き込まれたり、実績豊富な大手企業に案件を奪われたりする事態が後を絶ちません。
多重下請け構造による利益率の低下
業界特有の多重下請け構造も新規開拓を妨げる課題です。二次請け以降の案件は受注しやすい反面、中間マージン(仲介手数料)が抜かれるため利益率が著しく低下します。この状態が続くとエンジニアの負担が増すだけでなく、自社実績として公開できない制約も多くなり、直請け(プライム案件)を獲得するための営業活動がさらに困難になってしまいます。
営業専任者の不在と工数不足
中小規模の開発会社では、代表やエンジニアが営業を兼務するケースが少なくありません。開発業務に追われる中で新規開拓に割ける時間は限られ、営業数自体が不足します。営業専任者がいないことで、見込み顧客への定期的なフォローや、顧客の課題に寄り添った提案書の作り込みが甘くなり、結果として失注に繋がっているのが現状です。
脱下請け・直請けを獲得するための「差別化」

下請け案件から脱却し、利益率の高い直請け(プライム)案件を獲得するには、他社にはない自社独自の「強み」を明確に打ち出す差別化が必要です。価格競争から抜け出し、優良顧客から選ばれる開発会社になるための方法について解説します。
自社の「強み」を棚卸し・言語化する
競合他社との差別化を図る第一歩は、自社の強みを客観的に把握することです。「3C分析」などのフレームワークを活用し、技術力や特定業界の業務知識などを棚卸ししましょう。社内では当たり前と思っている要素が顧客にとって大きな魅力となることも多いため、言語化して営業資料に落とし込むことが重要です。
ターゲット顧客(業界・規模)を明確に絞り込む
自社の強みを言語化できたら、それを最も必要としているターゲット顧客を絞り込みます。「すべて対応可能」という姿勢は、かえって自社の特徴を曖昧にします。「医療業界のシステム化に強い」「従業員50名規模の中小企業向けDX支援」など、特定の業界や企業規模に視点を当てることで、刺さる営業活動が可能になります。
顧客の課題解決を軸にした提案型営業への転換
直請け案件を獲得するには、「言われた通りに作る」御用聞き営業からの脱却が必要です。顧客が抱える業務効率化などの根本的な課題をヒアリングし、システムを通じてどう解決するかを示す「提案型営業」へ切り替えましょう。導入後のビジネスインパクト(効果)を具体的に提示することで、顧客からの信頼と受注確度が劇的に向上します。
システム受託開発に有効な新規開拓・営業手法

差別化で自社の強みとターゲット顧客を明確にした後は、適切な手法を選択して営業活動を開始します。システム開発の新規案件を安定的に獲得するためには、従来の手法に加え、Webを活用した新しい手法を組み合わせることが重要です。ここでは、営業手法とその特徴を6つに分けて解説します。
1. ビジネスマッチングサービスの活用
発注先を探している企業と開発会社を繋ぐマッチングサービスは、非常に効率的な手法です。すでにシステム化の利用や導入が顕在化している企業と直接商談できるため、受注までの検討期間が短いのが特徴です。自社の強みに合致する案件を選別できるため、営業に人手や工数が不足している企業に最適です。以下ではビジネスマッチングサービスについて詳細にまとめておりますので、合わせてお読みください。
2. コンテンツマーケティング(オウンドメディア・ホワイトペーパー)
自社ブログやホワイトペーパー(お役立ち資料)を通じて、ターゲットの課題解決に役立つ専門情報を発信します。技術力や実績をアピールできるため、見込み顧客からの信頼を獲得した状態で問い合わせに繋げることが可能です。成果が出るまでに半年~1年程時間はかかりますが、中長期的に質の高い見込み顧客を自動で獲得する資産となります。
3. SNS(X/Facebook等)を用いたソーシャルセリング
X(旧Twitter)やFacebookなどを活用し、自社の技術情報や開発事例を発信して見込み顧客と関係を構築する手法です。経営者層や企業のDX担当者と直接繋がる機会を作れます。単なる宣伝ではなく、相手の投稿への反応や有益な情報提供を通じて、信頼関係を築きながら商談機会を創出します。
4. ターゲットを絞ったフォーム営業・DM・FAX
ターゲット企業の決裁者宛てに直接連絡を送る手法です。闇雲に一斉送信するのではなく、相手企業の課題を仮説立てし、「自社ならどう解決できるか」を個別化した文面で送ることが重要です。開封率や返信率を高めるため、簡潔で魅力的な提案内容を心がけましょう。
5. 既存販路を活用した紹介営業
過去の取引先や提携企業からの紹介は、最初から一定の信頼関係があるため受注率が非常に高い手法です。紹介を自然に増やすためには、目の前の案件で高品質なシステムを納品し、顧客満足度を最大化することが大前提となります。定期的な状況確認や情報交換を行い、関係性を維持しましょう。
6. 営業代行・フリーランスの活用
社内に営業専任者がいない場合、IT業界に特化した営業代行会社やフリーランスの営業マンを活用するのも有効な手段です。ターゲットリストの作成から商談獲得までを外部に委託することで、自社の人員や工数を開発業務に集中させることができます。自社の強みを事前にしっかり共有することが成功の鍵です。
お困りの場合は是非FAX営業代行をご活用ください
私たちはFAXを活用した営業代行を行っております。ご利用頂いたお客様はトップ営業で営業マンのいない製造業の方や、開業を控えた警備業の方など様々な法人顧客様のお手伝いをさせていただいております。実際に成果を出した事例をまとめた動画や、紙面のサンプルなどもございますので、是非ご検討ください。
案件受注率を高める商談・顧客育成のコツ

問い合わせや商談を獲得できても、最終的な受注に結びつかなければ売上には貢献しません。システム開発の営業においては、商談時のヒアリング力と、検討期間が長期化しやすい見込み顧客(リード)との関係を維持するナーチャリング(顧客育成)の仕組みが重要です。ここでは、受注確度を飛躍的に高めるコツを解説します。
初回商談で押さえるべき必須ヒアリング項目
初回商談では、システムの機能要件を聞き出す前に「なぜシステム化が必要か」という背景の深掘りが重要です。現状の業務課題、予算感、決裁フロー、そして導入希望時期を必ずヒアリングしましょう。これらの情報を正確に引き出すことで、顧客の真の課題に合致した精度の高い提案が可能になります。
相見積もりで価格競争を避ける「価値提案」の方法
相見積もりになった際、単なる安値提示は利益率の低下を招きます。価格競争を避けるには、自社の強みを活かした「付加価値」の提示が必要です。例えば、保守運用の手厚さ、特定業界での成功事例、開発体制の柔軟さなど、価格以外の判断基準を顧客に提供し、単なるコストではなく投資対効果の高さで勝負しましょう。
失注・検討中顧客に対する中長期的な情報提供
システム開発は高額かつ検討期間が長いため、即決されない場合も多々あります。保留や失注になった顧客でも、将来的な発注の可能性は十分に残っています。定期的なメルマガ配信や最新の導入事例の共有など、有益な情報提供を通じて継続的な接点を持ち、顧客の再検討タイミングで真っ先に想起される状態を作りましょう。
システム開発の新規開拓に関するよくある質問
システム受託開発の新規案件開拓に関して、多くの企業担当者や経営者から寄せられる疑問とその回答をまとめました。自社の営業戦略を立てる際の参考にしてください。
Q. 営業専任者がいない場合、何から始めるべきですか?
まずは自社の「強み」と「ターゲット」を明確に言語化することから始めましょう。その後、営業工数が最小限で済むビジネスマッチングサービスへの登録や、IT業界に強い営業代行の活用を検討してください。開発業務と並行して進められる仕組み作りが最優先です。
Q. 新規開拓にかける適切な予算や期間の目安は?
手法によって異なりますが、コンテンツマーケティング等の施策は成果が出るまで半年〜1年程度の期間を見込む必要があります。一方、マッチングサービスや営業代行などの短期施策は、月額数万〜数十万円の予算で比較的早い段階での見込み顧客(リード)獲得が期待できます。
Q. 地方のシステム開発会社でも首都圏の高単価案件は獲得できますか?
十分に可能です。近年はオンライン商談が普及したため、物理的な距離は大きな障壁になりません。特定の技術スタックや業界特化の開発ノウハウなど、距離を補って余りある明確な強みをWeb上で発信し、首都圏の企業へ直接提案することが成功の鍵です。
まとめ:自社に最適な営業戦略で案件の安定受注を目指す
システム受託開発における新規開拓を成功させるためには、競合過多や下請け構造といった課題を正しく認識し、自社の強みを活かした差別化戦略を立てることが第一歩です。ターゲットを明確にした上で、ビジネスマッチングやコンテンツマーケティング、SNSといった多様な営業手法の中から、自社に不足している工数に最適な営業手法を選択しましょう。
また、新規の見込み顧客を獲得して終わりではなく、商談での価値提案や中長期的なサポート体制を構築することで、受注率は確実に向上します。今回ご紹介したノウハウを実践し、多重下請けから脱却した利益率の高い直請け案件の安定受注へと繋げてください。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。