愛媛県でブランド本マグロを主力に扱う水産卸が、新しい取引先を開拓するためにFAX営業代行を利用した事例です。実際に活用した紙面を紐解きながら成果を解説します。
事例概要
| 項目 | 内容 |
| 顧客業種 | 水産卸(愛媛県) |
| 配信目的 | 主力商品のブランド本マグロの新規取引先開拓 |
| 配信対象 | ホテル・旅館、寿司店、日本料理店 |
| 配信件数 | 3,000件(各業種1,000件・初回) |
| 反応件数・反応率 | サンプル請求25件・0.83%(初回) |
| 主な成果 | 長崎県のホテルと毎週10kgの定期取引(顧客申告) |
紹介企業の特徴と配信目的
この会社は2004年に創業し、愛媛県を拠点に地元の大手スーパーや卸売問屋、寿司店などへ鮮魚を卸してきた水産卸です。様々な商品を扱っていますが、取引の大半は愛媛県宇和島沖で育てられた本マグロを押し出しています。取引先は地元の愛媛を中心としながら、全国を対象とし、最低ロットも取引先の事情に合わせて対応しています。
社内は営業スタッフ1名・業務スタッフ13名の体制で、日々の出荷を回しながら新しい取引先を探す余力は限られていました。まとまった数量を扱う業務用の取引先、問屋などとの取引を増やし、主力である本マグロの販路を広げたいという目標があり、FAX営業代行をご利用頂いたことが背景です。
配信先の選定
当初、本命と考えていた配信先は水産仲卸でした。ただ、仲卸からの注文は大口になる可能性があり、営業担当1名では対応しきれないという懸念がありました。
そこで初回配信は、寿司店・日本料理店・ホテル旅館の3業種に絞り、それぞれ1,000件へ配信。いずれも、生食用のマグロを日常的に使う業態です。取引したい相手の優先順位だけでなく、反応があったときに自社で対応できる取引規模かどうかも踏まえて、最初の配信先を決めました。
実際に使用したFAX紙面

紙面はA4・1ページで、写真や図は使わず、代表者の名義で書かれた手紙形式の文章で構成されています。
冒頭の見出しで、ブランド本マグロを直送している会社であることを伝え、何の案内なのかひと目で見てわかるよう示し、続けてそのマグロをお店で使ってほしいという送付の理由を一文で述べています。
本文では、初めて取引を検討する相手が知りたい情報を、次の順に並べています。
- 取引実績:2004年の創業以来、地元愛媛を中心に大手スーパー・卸売問屋・寿司店・レストラン・給食部門へ卸してきたことを示す
- 味の特徴:きめ細かい脂ののり、本マグロ特有の香り、ねっとりとした食感とコクがあること
- 育成方法:天然の本マグロの幼魚を捕獲し、宇和島沖の生簀で最大6年、生餌で育てていること、薬品類を使っていないこと、毎日潜って状態を確認していることも紙面に記載されている
- 鮮度と品質管理:水揚げ後すぐに冷やし込みを行うこと、熟成させずに使えること、大型の冷凍庫を備えていること、衛生管理・異物混入のチェック体制、配送時の品質維持、年間を通じた供給体制を記載
育成方法や鮮度管理についての記述が多い理由として、刺身や寿司など生で提供する業態にとって、産地や扱い方が仕入れ先を選ぶ際の判断材料になるためです。
紙面の最後で求めているのは、発注ではなく無料のサンプルを送ってよいかの返事です。サンプル代・送料とも無料とし、「すぐにご利用いただかなくても結構」「今後、マグロでお困りのときに」と書き添えてることで、いまの仕入れ先を変える予定がない相手でも、試しに受け取ってみるだけならと返信のハードルを下げた設計です。
配信結果
初回配信では、3業種計3,000件に対して25件のサンプル請求があり、反応率は0.83%でした。業種ごとの内訳は次のとおりです。
| 配信先 | 配信件数 | サンプル請求 | 反応率 |
| ホテル・旅館 | 1,000件 | 10件 | 1.00% |
| 日本料理店 | 1,000件 | 10件 | 1.00% |
| 寿司店 | 1,000件 | 5件 | 0.50% |
また、ホテル・旅館向けのFAX営業をきっかけに、長崎県のホテルから毎週10kgの本マグロ定期受注につながったと、お客様より伺っています。
この事例から分かること
自社で対応できる取引規模から配信先を選ぶ
新規開拓では、最も取引したい相手に最初から送りたくなります。ただ、反応があっても今現在の社内体制で受けきれなければ、せっかくの接点を活かすことができません。この事例では、本命だった水産仲卸を後回しにし、営業担当1名でも対応しやすい業態(寿司店・日本料理店・ホテル旅館)から配信を始めていました。
少人数で新規開拓を始める場合は、「どこに売りたいか」に加えて、「どの規模の注文なら今の体制で応えられるか」をもとに配信先を決めるのも方法の一つです。
生で使う食材は「試してもらうこと」をゴールにする
刺身や寿司に使う食材は、味や身質を実際に確かめないと採用を判断しにくい商材です。紙面の返信ゴールを発注ではなくサンプル送付の許可にすることで、今すぐ仕入れ先を変える予定のない相手にも返信してもらいやすくなります。
一方で、サンプルの原価や送料は送る側の負担になります。配信前に、送付できる件数と予算、サンプルに同封する資料や注文方法、送付後に誰がいつ連絡するかを決めておくことが欠かせません。
サンプル請求の件数より、継続発注につながる1社に目を向ける
業務用の食材は、1社との取引が続くと注文が積み重なっていきます。毎週10kgの定期受注のように、継続して発注してくれる取引先を得られるかどうかは、サンプル請求の件数だけでは測れない成果です。FAX営業の効果を振り返る際は、サンプルを送った相手のその後発注に至ったかまで追うことで営業の費用に見合った結果になっているか判断しやすくなります。
まとめ
営業担当1名の愛媛県の水産卸が、計3,000件のFAXで25件のサンプル請求を得た事例を紹介しました。ホテル・旅館や飲食店へ食材を売り込みたい場合は、次の点を確認すると、FAX営業が自社に合った営業方法か判断しやすくなります。
- 受け取った相手にとって需要を感じる商品か
- サンプルを送れる件数・予算と、送付後の連絡・注文の流れを用意できるか
- 返信や注文が入ったときに、今の体制で対応できる取引規模か
紹介した紙面は、会社名や商品名、産地・育成方法・品質管理などの箇所を自社の情報や商品に差し替えて使えるWord形式でダウンロードすることができます。サンプル付きで新規営業をしたいと考える場合は、文面づくりに活用してください。
人手や工数が足りず営業に取り組めないと悩む場合は、配信先リストの準備から紙面の作成、配信までをまとめて依頼できるFAX営業代行のご利用もご検討ください。