
海外への販路拡大を検討する中で、「現地の言語や商習慣に対応できる人材がいない」「コストやリスクが気になり踏み出せない」とお悩みではありませんか。グローバル化が進む現在、初期投資を抑えつつ迅速に海外展開を進める手段として「海外営業代行」の活用が注目を集めています。
本記事では、海外営業代行の基礎知識やメリット・デメリットに加え、失敗しない選定基準とおすすめの会社7社を徹底比較します。最後までお読みいただくことで、自社に合った代行会社やサービス内容を見極める事が可能になり、コストを削減しながら効率的に海外の新規顧客を開拓する最初の一歩を踏み出せるようになります。
海外営業代行とは?活用が注目される背景と基本知識
グローバル化の加速に伴い、多くの企業が海外市場に活路を見出しています。しかし、社内に語学力や現地の商習慣に精通した人材が不足しているという状況は少なくありません。そこで注目されているのが、初期投資を抑えつつ専門的な営業マンを確保できる「海外営業代行」です。ここではその基本知識について解説します。
海外営業代行と進出コンサルティングの違い
海外営業代行は、見込み顧客のリスト作成からリストにある企業への連絡、商談設定といった「実務的な営業活動」を代行します。対して進出コンサルティングは、市場調査や法務手続き、事業計画の策定など「戦略の立案と基盤構築」を支援するサービスです。自社の課題が「実行力不足」にある場合は、営業代行の活用が適しています。
主な業務内容と営業工程(リスト作成からアポ獲得まで)
基本的な業務は、現地の市場に合わせたターゲット選定と見込み顧客リストの作成から始まります。次に、現地の言語や商習慣に合わせた台本を用意し、電話やメール、ビジネスSNS等を通じて接点づくりを行います。見込み顧客との関係を構築し、確度の高い商談を獲得して自社に引き継ぐのが一般的な業務です。
海外向けの営業代行会社を活用する4つのメリットについて

海外市場への参入にあたり、営業代行会社を利用することで得られるメリットは多岐にわたります。ここでは特に影響の大きい4つの利点について具体的に解説していきます。
外国語対応・異文化コミュニケーションの壁を払拭できる
海外営業で最初の壁となるのが、言語と商習慣の違いです。代行会社には、現地の言語に堪能なだけでなく、文化的な背景やビジネスマナーを熟知したプロが在籍しています。自社で通訳や翻訳の手間をかけることなく、現地の決裁者と円滑で適切なコミュニケーションを図り、誤解による失注を防ぐことができます。
現地採用より大幅なコスト削減が実現する
海外拠点の設立や現地での営業人材採用には、莫大な採用費と固定の人件費、社会保険料など多くの経費がかかります。営業代行を活用すれば、これらの初期費用や固定費を抑え、変動費にすることができます。数ヶ月の事業単位で依頼できることも多く、万が一撤退する場合の金銭的なリスクも最小限に抑えられる点が大きな魅力です。
自社の人員を利益に繋がる業務に集中させられる
見込み顧客のリストアップやテレアポ、言語の壁を越えた情報収集など、海外営業には膨大な時間と人手が必要です。これらの泥臭い実務を代行会社に任せることで、自社の貴重な人材は「製品・サービスの品質向上」や「グローバル戦略の策定」といった本来の業務に専念できます。結果として事業全体の生産性が向上します。
スピード感を持ったテストマーケティングが可能になる
自社でゼロから人材を採用して現地に送り込む場合、営業開始までに半年以上の時間を要することも珍しくありません。一方、すでに現地の情報網と営業の基盤を持つ代行会社に依頼すれば、最短数週間で営業活動を開始できます。素早く市場の反応を探るテストマーケティングを実施し、迅速な経営判断が可能です。
依頼前に知っておくべき3つのデメリット・注意点

海外営業代行は効率的な販路拡大の手法ですが、代行会社に依存する性質上、いくつかのデメリットやリスクも存在します。導入後に後悔しないためにも、あらかじめ以下の3つの注意点を把握し、対策を講じておくことが重要です。
社内に海外営業に関する知識やノウハウが蓄積されにくい
業務を外注すると、現地の決裁者に刺さる提案手法や商談での切り返しといった貴重な知見が自社に残りません。将来的に自社主導での海外展開(現地法人の設立や直接取引など)を目指す場合は、定期的なミーティングを通じて成功・失敗も含めて情報や知見を共有してもらう体制を必ず構築しましょう。
営業活動の不透明化による営業活動の見えにくさ
代行会社が「誰に・どのような手法で提案しているか」が見えづらくなる点も懸念材料です。業務内容やそれで得た反応が不透明なままでは、商談の質低下や、自社商材の強みが誤認されるリスクに気付けません。SFA(営業支援システム)の共有や、詳細な活動レポートの提出を契約内容に組み込む必要があります。
コミュニケーション不足による企業イメージ毀損のリスク
現地の文化に対する配慮が欠けた強引な営業は、自社のイメージを損なう恐れがあります。特にBtoBの専門的な商材を扱う場合、誤った仕様説明は致命的なトラブルに直結します。稼働前に営業台本(トークスクリプト)をすり合わせ、代行会社と密なコミュニケーションを取ることが重要です。
【徹底比較】海外営業代行おすすめ会社7選
ここからは、海外進出を検討する企業におすすめの営業代行会社を7社厳選してご紹介します。各社の強みや得意とする支援領域が異なるため、自社の課題やターゲット国に合わせて比較検討してください。
1. 株式会社Emooove:決裁者アポと新規開拓に強い新時代の代行

株式会社Emoooveは、決裁者への直接営業を得意とする営業代行会社です。現地のビジネスネットワークと最新の営業手法を駆使し、決裁者(キーマン)との商談を効率的に創出します。とくに新規開拓において、商談の質と確度にこだわる企業に適しています。
2. 株式会社アクロプラス:IT領域に特化した伴走型支援

株式会社アクロプラスは、IT・テクノロジー領域の海外進出支援に強みを持つ企業です。SaaSやシステム開発など、専門知識が求められる商材の営業代行を得意としています。現地のIT市場動向を踏まえた伴走型のサポートにより、スムーズな販路拡大を実現します。
3. フェネトル・パートナーズ株式会社:50ヶ国以上・450件超の圧倒的実績

フェネトル・パートナーズ株式会社は、50ヶ国以上で450件を超える圧倒的な支援実績を誇る専門家集団です。北米、欧州、アジアなど幅広い地域をカバーし、現地の商習慣に即した営業活動を展開します。グローバル展開を本格化させたい企業に最適です。
4. Glocal Solutions Japan株式会社:戦略立案から貿易実務まで一気通貫

Glocal Solutions Japan株式会社は、海外進出の戦略立案から実際の営業活動、さらには複雑な貿易実務までを一気通貫でサポートします。社内に知識が全くない状態からでも、伴走型の支援により着実な海外展開を進められる点が大きな魅力です。
5. トレーディネート株式会社:商社機能とEC支援による販路開拓

トレーディネート株式会社は、単なる営業代行にとどまらず、商社としての機能と越境EC支援を組み合わせたサービスを提供しています。現地の流通ネットワークを活用した販路開拓が得意であり、特に製造業などの有形商材を海外市場へ展開したい企業に強く推奨されます。
6. AXIA Marketing株式会社:BtoBマーケティングによる新規顧客開拓

AXIA Marketing株式会社は、BtoB領域のマーケティング戦略に基づいた新規顧客開拓を得意としています。市場調査から見込み顧客(リード)獲得、商談の設定までを体系的に行い、論理的かつデータに基づいた商材の提案で海外における自社の認知向上と売上拡大に貢献します。
7. ASE GROUP:東南アジア(タイ拠点)市場に特化した強力サポート

ASE GROUPは、タイに拠点を構え、東南アジア市場での販路開拓に特化した営業代行会社です。現地のリアルな市場動向や言語、商習慣を深く理解したスタッフが在籍しており、成長著しいASEAN地域への迅速かつ確実な進出を強力にサポートします。
失敗しない!自社に最適な海外営業代行の選定基準5選

海外展開の成否は、自社の課題にマッチした代行会社選びにかかっています。数ある代行会社の中から、自社にとって最適な企業を見極めるための5つの重要な選定基準について解説致します。
依頼したい業務範囲と目標(KPI)を明確にする
まずは「商談獲得のみ」か「クロージングまで」か、依頼範囲を定めます。高付加価値な直接取引を獲得するには、単なる見込み顧客の数だけでなく「決裁者との商談獲得率」や「CPA(顧客獲得単価)」などの具体的な目標(KPI)を設定し、それに対応できる代行会社を選ぶことが大切です。
ターゲットとなる国・地域での実績とネットワークを確認する
進出先の国や地域における具体的な支援実績を確認してください。特に専門的な製造業やITサービスの場合、単なる営業力だけでなく、現地の業界ネットワークや既存の接点やパイプラインを持っているかが問われます。自社と同業界・同規模での成功事例があるか直接確認しましょう。
費用相場と料金体系(固定報酬型・成果報酬型)のバランスを見る
料金体系は主に「固定報酬型」と「成果報酬型」に分かれます。初期のテストマーケティングなら成果報酬型が低リスクですが、長期的な市場調査も含めるなら固定報酬型が適しています。目先の安さではなく、自社が求める成果(ROI)に見合う投資対効果を比較検討してください。
担当者の言語スキルだけでなく現地の商習慣理解を見極める
語学力が堪能なだけでは現地の経営層との商談は成立しません。現地の決済までの検討期間や流れ、ビジネス慣習を深く理解しているかがポイントです。提案型営業による価値訴求(VA/VEなど)を現地企業に対して的確に行えるか、事前の面談で担当者の専門知識と力量を確認しましょう。
営業成果の定期的な報告体制・透明性を確認する
外注による営業活動の不透明化を防ぐため、報告体制の透明性は必須条件です。単なる商談獲得数だけでなく、「どのような台本で」「なぜ断られたのか」といった定性的な情報を週次や月次で共有できる企業を選びましょう。これにより営業戦略の軌道修正が可能になります。
トラブルを防ぐ!契約時・運用時の重要ポイント
海外営業代行を成功させるためには、契約内容の細かな確認と、運用開始後の協力体制が欠かせません。思わぬトラブルや期待外れの結果を防ぐための重要ポイントをここでは解説していきます。
契約期間と途中解約の条件、違約金を事前にすり合わせる
海外営業は成果が出るまでに時間がかかる場合も多く、最低契約期間が6ヶ月〜1年程度に設定されていることが一般的です。途中解約が可能か、その際の違約金は発生するかなど、契約書の不文律をなくし、撤退する可能性を含めたリスク管理を事前に行うことが重要です。
完全な丸投げはNG!自社と代行会社で密な連携体制を構築する
代行会社へ完全に業務を丸投げしてしまうと、自社の製品価値や細かい仕様の変更が現場の営業に反映されず、クレームや失注の原因となります。週に一度の定例ミーティングやチャットツールでの情報共有体制を築き、二人三脚で営業活動を改善し続ける姿勢が必須です。
海外に限らず営業代行の利用時に大切なことは「需要」と「強み」を理解しているか?
上記で紹介した内容は海外向けに商材を売りたいと考えている方だけでなく、自社の商材やサービスを使用してほしいと考えているすべての企業に当てはまる内容です。私はFAXを使った営業代行を経営しておりますが、自社商材の強みを「知っているつもりでいる方」が多いと感じます。
理由としては既存の取引先の特徴に囚われて、需要はあるのに営業したことが無い業種が山程あることに気がついていない。あるいは手当たり次第で営業しておけばなんとかなると「数撃ちゃ当たる営業」だけして需要が全く無い企業に自社を提案するなどが上げられます。国内外に限らず、自社の強みや商材の需要をきちんと理解し、誰にどんな需要があるか?をしっかり理解するだけでも、自社営業で多くの成果を出せると私は思います。ご利用企業様との対談でもその話題に触れましたので、ご興味がございましたら是非ご覧ください。
海外営業代行に関するよくある質問(FAQ)
海外営業代行の利用を検討している企業担当者様から寄せられる、代表的な疑問とその回答をまとめました。
予算の限られた中小企業やニッチな製造業でも依頼できますか?
依頼可能です。中小企業向けにスモールスタートが可能なプランを提供する会社や、ニッチな製造業の専門用語・業界構造に精通した代行会社も存在します。まずはテストマーケティングとして、ターゲットを絞り込んだ短期間の事業から始めることをおすすめします。
成果(商談獲得・成約)が出るまでにどのくらいの期間がかかりますか?
商材やターゲット層によりますが、商談の獲得であれば活動開始から1〜2ヶ月程度で結果が出始めるのが一般的です。ただし、海外BtoB取引の場合、そこから商談を重ねて最終的な成約(売上)に至るまでには、半年から1年以上の検討期間を見込む必要があります。
英語以外の言語(中国語など)や翻訳業務にも対応してもらえますか?
対応している会社は多くあります。中国語、スペイン語、東南アジアの現地語など、進出したい国に合わせた現地スタッフやバイリンガル人材を抱える代行会社を選ぶことが可能です。営業活動に必要なパンフレットや提案資料の翻訳も追加で依頼できることが一般的です。
まとめ:海外営業代行を賢く活用し、低リスクで販路拡大を目指そう
海外市場への進出は大きなビジネスチャンスである一方、言語の壁や初期費用の負担といったリスクが伴います。海外営業代行は、これらの課題を解消し、低コストかつ迅速に現地での販路開拓を実現する有効な選択肢です。
自社に最適な代行会社を選ぶためには、依頼したい業務範囲や目標を明確にし、進出先での実績や担当者の力量を面談でしっかりと見極めることが重要です。
また、完全に丸投げするのではなく、定例ミーティングなどを通じて密な情報共有体制を築くことが、長期的な成功の鍵を握ります。
まずは小規模なテストマーケティングから初めて、自社の商材に合った優秀な代行会社と共に、グローバル展開への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。