電気通信工事業とは?電気工事業との違い・業務内容・資格要件を解説

電気工事と電気通信工事、自社の業務がどちらに該当するのか迷っていませんか?LAN配線や防犯カメラの設置など、境界線が曖昧な工事は多く、どの建設業許可や資格を取得すべきか判断に悩む方は少なくありません。特に法人向けのBtoB案件では、コンプライアンス遵守や元請けからの信頼獲得のために、正確な業種区分と許可要件の把握が不可欠です。
本記事では、電気通信工事業の定義や電気工事業との決定的な違い、必要な資格や建設業許可の要件についてまとめて解説します。最後までお読みいただくことで、自社が取得すべき許可が明確になり、事業拡大へと繋げることができます。

電気通信工事業とは?基本的な定義と概要

電気通信工事の定義と役割

電気通信工事業とは、有線通信や無線通信、放送、データ通信などのための電気通信設備を設置する工事を指します。情報通信ネットワークの基盤を構築し、生活やビジネスにおける円滑なコミュニケーションを支える重要な役割を担っています。電気工事業が電力を供給するのに対し、電気通信工事業は情報を伝達するための設備を扱う点が大きな特徴です。

電気通信工事業に該当する具体的な工事例

具体的な工事としては、LANケーブルの配線工事、電話交換機(PBX)の設置、光ファイバーの敷設、テレビアンテナの設置、携帯電話の基地局建設などが挙げられます。また、インターネット環境の構築に重要なネットワーク機器の設置や配線作業も含まれます。これらは主に「弱電」と呼ばれる、通信用途の微弱な電力を扱う設備が対象となります。

電気工事と電気通信工事の決定的な違い

目的と電圧による基本的な区別

2つの工事の最も大きな違いは、目的と扱う電圧にあります。電気工事は照明やコンセントなどへ電力を供給することが目的であり、主に「強電」と呼ばれる高い電圧(100Vや200V以上)を扱います。それに対して、電気通信工事は情報の伝達を目的としており、主に「弱電」と呼ばれる48V以下の微弱な電圧を扱います。エネルギーを送るのか、データを送るのかという点が基本的な判断基準となります。

境界が曖昧な工事の分類|防犯カメラ・LAN配線等

実務上、防犯カメラやLAN配線の設置など、どちらの工事か迷う場合も多々あります。判断の目安として、機器の電源をコンセント等の電源系統から直接取る、配線工事を伴う場合は電気工事となり、電気工事士の資格が必要です。一方、LANケーブルからの給電を利用する場合や、単なる通信ケーブルの敷設のみであれば、主に電気通信工事の領域として扱われます。

建設業許可上の区分における両者の違い

建設業許可においても、両者は「電気工事業」と「電気通信工事業」として明確に区分されています。例えば、建築物の配線や大型設備の電源確保は電気工事業の管轄ですが、そこに付随するネットワーク構築は電気通信工事業の扱いとなります。500万円以上の工事を請け負う場合、それぞれ独立した許可が必要になるため、自社の実際の施工内容に合わせた許可取得が求められます。

電気通信工事業と機械器具設置・消防施設など他業種との境界

機械器具設置工事業との違いと判断基準

機械器具設置工事業は、機械器具の組立てや工作物への取り付けを行う工事です。電気通信工事業との違いは「主たる目的」にあります。設備単体の設置が主体であれば機械器具設置、ネットワーク構築や通信インフラの整備が目的であれば電気通信工事と判断されます。複合的な設備工事の場合は、契約内容や工事全体の性質から総合的にどちらの業種に該当するかを判定する必要があります。

消防施設工事業との違い(火災報知器の扱いなど)

火災報知器等の設置工事も判断が分かれやすい領域です。消防法に基づく火災報知設備や避難設備の設置工事は「消防施設工事業」に該当します。ただし、これらの設備をネットワークに接続し、遠隔監視システムなどを構築する通信ネットワーク部分の工事に関しては「電気通信工事業」の範囲として扱われる場合があります。単なる機器設置か、システムとしての通信網構築を含むかによって必要な許可が異なります。

電気通信工事業の建設業許可を取得する要件

経営業務の管理責任者・共通許可要件について

建設業許可の取得には、経営業務の管理責任者の配置が必要です。電気通信工事業において5年以上、あるいは他業種で6年以上の経営経験を持つ役員等が該当します。また共通の許可要件として、500万円以上の自己資本や資金調達能力を示す「財産的基礎」、そして過去の法律違反等がない「誠実性」を満たす必要があります。これらは法人としての基盤と信頼性を担保する重要な基本条件です。

専任技術者になるための資格要件

営業所ごとに配置が義務付けられる「専任技術者」には、技術力を証明する要件が求められます。電気通信工事業における代表的な国家資格として、「電気通信主任技術者」や「1級・2級電気通信工事施工管理技士」などが該当します。これらの有資格者が社内に在籍していることで、技術要件を楽々通過できます。取得している資格の種類によっては、一般建設業だけでなく特定建設業許可の要件も満たすことが可能です。

実務経験のみで専任技術者になる場合の注意点

該当する国家資格を持たない場合でも、電気通信工事に関する10年以上の実務経験があれば専任技術者の要件を満たせます。関連する指定学科を卒業していれば、この期間は3年または5年に短縮可能です。ただし、実務経験のみで許可を申請する場合、過去の契約書や請求書など、工事実績を客観的に証明する膨大な書類の提出が求められます。書類審査が非常に厳格となるため、事前の綿密な準備が欠かせません。

電気工事・電気通信工事の実務に必要な資格

電気工事に必須となる「電気工事士」資格

電気工事を行う上で欠かせないのが「電気工事士」の国家資格です。感電や火災などの重大な事故を防ぐため、法令により無資格での作業は厳しく禁じられています。資格には第一種と第二種があり、扱える電圧や施設の規模が異なります。一般住宅や小規模店舗の配線であれば第二種、工場や大型商業施設などの高圧受電設備を含む工事には第一種が必要です。自社の施工範囲に合わせて適切な資格取得を進めましょう。

電気通信工事における代表的な国家資格

電気通信工事は無資格で行える軽微な作業もありますが、技術力を証明する重要な国家資格が存在します。代表的なものとして、ネットワーク全体の監督を行う「電気通信主任技術者」や、端末設備の接続を行う「工事担任者」が挙げられます。また、現場の安全・品質管理を担う「電気通信工事施工管理技士」は、施工管理のプロとして元請けからの信頼を獲得し、専任技術者の要件を満たす上でも非常に有用な資格です。

BtoB工事案件の受注拡大に向けた戦略と資格取得のメリット

両分野の許可・資格を取得し対応範囲を広げる強み

電気と通信、両方の建設業許可や資格を取得することは、BtoB案件において強力な武器となります。例えば、オフィス移転や工場新設の際、電源工事とネットワーク構築を一括で発注したいという法人顧客の需要は高まっています。両分野に対応できれば、他社との差別化が図れるだけでなく、単価の高い複合的な大型案件を受注できる確率が飛躍的に高まります。

元請けや法人顧客からの信頼を獲得する重要性

BtoB領域では、技術力だけでなく企業としての信頼性が受注を左右します。建設業許可の取得や国家資格者の在籍は、自社の施工体制とコンプライアンス遵守の姿勢を示す客観的な証明です。特に大手ゼネコンなどの元請け企業は、法令遵守を徹底している協力業者を優先して選定します。適法な許可と資格を揃えることで、優良な取引先としての地位を確立しやすくなります。

BtoB領域における継続的な新規顧客獲得のポイント

新規開拓を加速させるには、施工実績の発信と同時に営業体制の構築が鍵です。現場作業に追われ新規開拓に手が回らない場合、BtoBに特化した営業代行サービスを活用することも有効な手段となります。専門的なノウハウを持つ業者へ見込みのある顧客(リード)獲得を委託することで、自社の技術者は施工や提案に専念しつつ、効率的かつ継続的に優良な法人顧客との商談機会を創出することが可能になります。
ちなみに私たちの営業代行サービスはFAXを活用した営業方法です。古臭いと言われがちなツールですが、Web広告が飽和している今だからこそ、手にとって呼んで頂く事で存在感を発揮します。ご利用頂いたお客様のインタビューなどもございますので、興味のある方は是非ご覧ください。

まとめ:自社の業務範囲を把握し適切な資格・許可取得を

本記事では、電気通信工事業の定義や電気工事業との違い、必要な国家資格や建設業許可の要件について解説しました。電気工事が「エネルギーの供給」を目的とするのに対し、電気通信工事は「データの伝達」を目的とする点が最大の判断基準です。また、法人向けのBtoB案件においては、適法な施工体制と有資格者の存在が、元請け企業や顧客からの信頼獲得に直結します。今後の事業拡大や大型案件の継続的な受注を見据え、自社の業務範囲に必要な建設業許可や国家資格を計画的に取得し、競争力と万全のコンプライアンス体制を構築していきましょう。

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