「FAXDMで新しい取引先を増やしたいが、費用はできるだけ抑えたい」。そう考えて料金を調べると、「1枚○円〜」という表示がサービスごとにばらばらで、どこが本当に安いのか判断しにくいのではないでしょうか。
FAXDMは、印刷・封入・郵送が不要で、郵送DMより1通あたりの費用を抑えやすい手法です。ただし、送信単価の安いサービスを選んでも、原稿づくりや送り先リストの準備に手間や外注費がかかれば、総額では割高になることがあります。
この記事では、FAXDMの送信単価の目安と単価以外にかかる費用、セルフ送信型と代行型の違い、料金を比べるときに確認したい条件について解説します。1枚あたりの安さではなく、新しい取引先を探すためにかかる総額で、自社にサービスが合っているかを選ぶ判断材料としてお使いください。
FAXDMの料金の目安|1枚あたりいくらで送れる?
送信単価の目安
FAXDMの料金の中心になるのは、1枚ごとにかかる送信料です。FAXDM向けサービスの公開料金を見ると、1枚あたりおおむね2.5円(税抜)から11円(税込)程度の範囲にあります。※2026年10月時点
単価に幅があるのは、同じサービスでも次の条件で料金が変わるためです。
- 送信件数:件数が増えるほど単価が下がる料金体系がある
- 送信モード:文字中心の文書モードと、写真向けのモードで単価が異なる
- リストの有無:自社で用意したリストを使うか、サービスのリストを借りるか
例えば、送信件数に応じて1枚5円から2.3円(いずれも税抜)まで単価が下がる料金体系もあれば、文書モード5.5円、写真向けモード8.8円(いずれも税込)とモード別に単価を設けているサービスもあります。「1枚○円〜」の最安値は、大量送信など特定の条件で適用される場合があるため、自社が送る件数と原稿で1枚いくらになるかを確認することが大切です。
送信単価以外にかかる費用
送信料のほかに、サービスによって次のような費用がかかります。
- 初期費用・基本料金:送信事業者が示す目安では、初期費用は無料〜5,000円程度、基本料金は無料〜4,000円程度とされています。月1,980円(税込)のシステム利用料がかかるサービスもあります。
- 最低利用料:送信した月の利用額が少なくても、一定額を請求する仕組みです。利用額が1,999円以下でも2,000円を請求する例があります。
- リスト利用料:無料で使えるサービスもあれば、送信料に1枚あたり0.2円を加算するなど、別料金のサービスもあります。
- 原稿作成費:自社で原稿を作れない場合は、文章やデザインを外注する費用がかかります。
少ない件数で試す場合は、基本料金や最低利用料の比重が大きくなります。表示されている送信単価より、1枚あたりの実際の費用がかなり高くなることがあるため、送る予定の件数で総額を計算してみてください。
「1枚あたりが安い」と「総額が安い」は別物
FAXDMの費用を比べるときは、送信料だけでなく、送信までに必要な作業を誰が行うかまで含めて考える必要があります。
セルフ送信型と代行型で、料金に含まれるものが違う
FAXDMのサービスは、大きくセルフ送信型と代行型に分かれます。
| 型 | 料金に含まれるもの | 自社で行う作業 | 向いている会社 |
| セルフ送信型 | 送信料(サービスによってはリスト利用料) | 原稿作成、送り先の選定、送信操作、送信停止依頼の管理 | 原稿と送り先リストを自社で用意でき、送信作業に人手を割ける会社 |
| 代行型 | 送信料に加え、原稿作成・送り先リストの準備・配信作業など(範囲はサービスにより異なる) | 商品・サービス内容の共有、原稿の確認、届いた反応への対応 | 営業専任者が少なく、準備や送信の作業を任せたい会社 |
セルフ送信型は1枚あたりの単価が低い一方で、原稿作成や送り先の選定、送信操作などを自社で行います。原稿を外注すればその費用が加わり、社内で作る場合も担当者の時間がかかります。
代行型は1件あたりの単価が上がりますが、こうした準備の作業を業者に任せられます。比べるときは、セルフ送信型の送信料に、原稿の外注費や社内の作業時間を足したうえで、代行型の料金と並べると、自社にとってどちらが安いかを判断しやすくなります。
代行型の一例として、弊社が提供するFAX営業代行は、1年契約になりますが、この料金に、商品案内(FAXの原稿)と送り先となる企業リストの作成費用が含まれています。1社あたりに換算すると約20.9円で、セルフ送信型の送信単価よりは高くなりますが、原稿もリストも自社で用意する必要はありません。詳細は以下でご確認ください。
料金を比べるときに確認したい条件
料金ページや見積もりを見るときは、次の条件を確認すると、表示単価だけでは分からない差が見えてきます。
- 課金の対象:送信した件数すべてに課金するのか、送信が完了した分だけに課金するのか。送信完了分のみ課金する方式でも、持ち込んだリストの到達率が一定を下回ると一定割合分を請求するなど、条件が付いている場合があります。
- 送信枚数の数え方:料金は送信枚数で計算されるため、1,000件に3ページの原稿を送ると3,000枚分の送信料がかかります。
- 最低利用料・ポイントの購入単位:ポイント制では、1ポイント1円(税抜)で15,000ポイント単位(税込16,500円)から購入する、といった最低購入単位がある場合もあります。少量で試す際は、消化できずにポイントが残らないか確認します。
- 税込か税抜か:サービスや比較記事によって表示が異なります。どちらかにそろえて比べてください。
- 送信モード:写真や画像を多く使う原稿では、単価の高いモードが必要になることがあります。
- 送信件数による単価の変動:自社が送る予定の件数で、どの単価が適用されるかを確認します。
FAXDMの費用を無駄にしない送り方
料金の安いサービスを選ぶことと同じくらい、払った費用を無駄にしない送り方も大切です。
送る相手を絞り込む
FAXDMの費用は送信枚数に比例するため、送る件数を増やすほど費用も増えます。何件送るかよりも、提案する商品・サービスを必要としている企業に送れているかを確認することが大切です。商材の需要がある業種・地域・規模に送り先を絞れば、関心を持つ見込みの低い企業への送信を減らせます。
送り先を絞ると、紙面に書く内容も具体的にできます。同じ商品でも、業種や用途が変われば相手が知りたい情報は変わるため、「誰に送るか」を決めてから、その相手に合わせて「何を書くか」まで考えてくれる業者を選びましょう。
FAXDMリスト作成ガイド|低コストで質の高い送り先を確保する具体策
届かない番号・送信停止先を除いてから送る
移転や廃業でFAX番号が使われなくなった企業や、同じ企業の重複は、送る前にリストから除いておきます。課金の条件によっては、届かなかった分にも費用がかかるためです。
過去に送信停止の希望があった企業も、次回以降の送り先から外します。これは費用の無駄を減らすだけでなく、相手との関係を損なわないための基本的な実務です。
原稿は送信負荷を抑えて作る
FAXDMの送信料は、原稿のページ数と送信モードによって変わります。ページ数が増えればそのぶん送信枚数が増えます。また、写真や細かい画像をきれいに見せるために写真向けのモードを選ぶと、文書モードより単価が高くなることもあります。
文字を基準とした紙面で伝えたい内容が1枚に収まらない場合は、2枚組にする選択肢もあります。費用だけで決めず、相手に必要な情報がきちんと伝わるかとあわせて判断してください。無料のテンプレートを使う場合も、そのまま送るのではなく、送る相手の業種や課題に合わせて書き換えることを前提にします。弊社では実際に成果を出した事例を紙面サンプル付きで解説しています。自社に似た事例を参考にしながら書き換えてみてください。
安さだけで選ばないために確認したいこと
料金の安さに加えて、次の点も確認しておくと、送った後のトラブルや無駄を減らせます。
リストの更新状況:サービスのリストを使う場合は、どのくらいの頻度で情報を更新しているかを確認します。移転や廃業が反映されていないリストでは、届かない送信が増えます。
送信停止依頼や問い合わせへの対応範囲:受信した企業から送信停止の依頼や問い合わせが来たとき、サービス側がどこまで対応し、停止依頼を次回以降の送信にどう反映するかを確認します。
送信者情報の記載:紙面に送信者の会社名や連絡先、送信停止の連絡方法を明記できるかどうかも確認しましょう。誰から届いたかが分かることは、受け取った相手との関係を保つうえでも欠かせません。
まとめ
FAXDMを安く実施するために押さえたいのは、次の2点です。
1つ目は、1枚あたりの単価ではなく、原稿づくりやリストの準備まで含めた総額で比べることです。原稿もリストも自社で用意できるならセルフ送信型、準備に人手を割けない状況であれば代行型のほうが、総額で安くなる場合もあります。
2つ目は、送る件数を増やす前に、送る相手を絞ることです。商材の需要がある企業に絞り、相手に合わせた内容で送ることが、費用の無駄を減らすことにつながります。
原稿もリストも自社で用意する余裕がない場合は、どこまで任せられて総額がいくらになるかを、資料で確認してみてください。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。