社員旅行・団体旅行をオーダーメイドで企画する茨城県の旅行会社が、一括見積もりサイトに頼らずに新しい法人顧客を開拓するために、FAX営業代行を利用した事例です。実際に活用した紙面を紐解きながら解説します。
事例概要
| 項目 | 内容 |
| 顧客業種 | 旅行会社(社員旅行・団体旅行のオーダーメイド企画/茨城県) |
| 配信目的 | 新規の法人顧客の開拓 |
| 配信対象 | 茨城・栃木・千葉など近隣エリアの建設業などの企業(その後、業種を拡大) |
| 配信件数 | 10,000件(全7回) |
| 反応件数・反応率 | 8件・0.08% |
紹介企業の特徴と配信目的
この会社は、企業や団体の社員旅行・団体旅行を、決まったパッケージではなく依頼ごとの要望に合わせて企画している旅行会社です。
既存の取引先50〜60件には、DMや電話で定期的に連絡を取ることで関係を保ってきましたが、新しい法人顧客を増やす手段が見当たらず課題を抱えていました。一括見積もりサービスなどから届く依頼は、顧客から見ると質が高いとはいえず、価格の比較となるため常にコスト削減を求められていました。そこで、価格競争に巻き込まれずに、自社から法人に働きかける営業手段として検討頂いた背景があります。
配信先の選定
配信エリアは、茨城・栃木・千葉など、お客様の会社所在地から近い地域を対象に設定。
業種は、建設業をはじめ、設備関係、石材業、電気工事業、病院など、社員旅行に予算をかけやすいと顧客が考えた業種を選びました。
実際に使用したFAX紙面

紙面はA4・1ページで、写真や図を使わず、「私たち」を主語にした手紙形式の文章で構成しています。
冒頭の見出しでは、社員に社員旅行を「もう行きたくない」と言わせない、というキャッチコピーを掲げました。読み手が一目で、社員旅行を扱う会社からの案内だと分かる書き出しです。
本文で語りかけている相手は、旅行に参加する社員ではなく、旅行を手配する幹事や社長です。相見積もりで安さを優先して決めた結果、食事や内容に不満が出て社員の士気が下がり、準備した幹事も落胆したという相談を多く受けてきたと説明し、発注する側が抱えやすい悩みをベースに話を始めています。
そのうえで、値段だけで社員旅行を決めるのではなく、社員が楽しめて交流が深まり、会社に入ってよかったと思える旅行にしたいと説明し、価格の安さではなく旅行の質や効果で選んでほしいと説明する構成で、一括見積もり経由の価格競争から離れたいという、この会社の配信目的をメリットとして相手に捉えさせる内容です。
信頼材料として、紙面には参加者の感想(旅行の内容・食事・宿泊先・添乗員について)や、リピーター・長年の取引先がいることが記載されています。さらに、社員旅行を会社の将来への投資と位置づけ、惰性で続ける旅行は時間・費用・労力の無駄になる、と問題を提起しています。
詳細に説明していますが、紙面の最後で求めているのは、申し込みや見積もり依頼ではなく、他社の事例を載せた資料を会社へ送付しても良いか?の返事です。すぐに利用しなくても構わないと伝える配慮や、わかりやすい記入欄を設けるなど、読み手の行動を考慮した設計になっています。
配信結果
全7回・計10,000件の配信で、資料請求・見積もり依頼の問い合わせが8件あり、反応率は0.08%でした。
初回の1,000件では、工務店からの引き合いがあり、建設業を中心に考えていましたが、その後の配信では、業種を問わず問い合わせが入っています。また、業種だけでなく、法人設立から10周年・25周年といった節目を迎える企業を抽出して配信も行い、実際に成約に至った案件もありました。
この事例から分かること
発注の機会が少ない商材は、配信を分けて届ける時期をずらす
社員旅行は、企業ごとに実施する時期も、行き先や手配を検討し始める時期も異なります。ある日にFAXが届いても、その時点で社員旅行を検討していない企業の目には留まりにくい商材です。
この事例では、初回の反応を受けて追加配信を重ね、結果として10,000件を7回に分けて届ける形になりました。年に一度程度しか発注の機会がない商材では、一度にまとめて配信するのではなく、時期をずらして配信を分けることは検討中の企業に情報や存在を知らせる機会を増やすことに繋がります。
発注の「きっかけ」がある企業を配信先に選ぶ
この会社は、業種や地域に加えて、法人設立から10周年・25周年といった節目を迎える企業を抽出して配信しました。周年は、記念旅行や記念行事を検討する理由がはっきりしているタイミングです。
社員旅行に限らず、周年、決算期、新年度、事務所の移転など、相手企業に発注のきっかけが生まれる時期や条件は、商材ごとにあります。自社の商材が「どんなときに発注されるか」を洗い出し、その条件に当てはまる企業を配信先に設定する事で、業種や地域だけで選ぶ場合とは違うリストの切り口が見えてきます。
返信のハードルを下げ、資料送付の許可から始める
紙面は、旅行の良し悪しは実際に体験するまで伝わりにくいと述べたうえで、見積もりではなく他社事例を載せた資料の送付許可を求め、すぐに利用しなくてよいと添えていました。
旅行のように金額が大きく、社内での検討に時間がかかる商材では、FAXを受け取った時点で見積もりを依頼できる企業は限られます。最初の返信ハードルを下げる事で、今すぐ発注予定がない方でも連絡を取りやすくなります。問い合わせで獲得した接触機会を生かす為にも、資料を送った後どうやって連絡を取り、どうやって関係性を築いていくか、配信前に決めておくとよいでしょう。
地域密着型の会社の場合全国よりも近隣にアピールする
紙面は、近くの会社だからすぐに駆け付けられることを送付の理由にし、実際の配信先も茨城・栃木・千葉など近隣エリアに絞っていました。
地域密着で営業している事業者にとって、配信先を全国に広げることが有利とは限りません。対応できる範囲の企業に絞り、近さを相手にとってのメリットとして伝えると、見知らぬ会社からの案内であっても、なぜ自社に届いたのかが読み手に伝わります。
まとめ
茨城県で社員旅行・団体旅行を企画する旅行会社が、近隣の建設業などの企業や、周年を迎える企業へFAXを送り成約につなげた事例を紹介しました。
旅行会社やバス会社、宴会場、イベント会社など、イベントに関する依頼や利用がほしい・営業したいと考える場合は、次の点を確認しておくと、FAX営業が自社に合うか判断しやすくなります。
- 自社の商材は、取引先1社あたり年に何回くらい発注される商材か
- 周年や決算期など、発注のきっかけになる時期や条件で配信先を絞れるか
- 最初の返信を、見積もり・資料送付・相談のどれにするか
- 対応できるエリアはどこまでか、その範囲に配信先となる企業がどれくらいあるか
今回ご紹介した紙面は、会社名や業種・サービス名、お客様の声、実績の箇所を自社の情報に差し替えて使えるWord形式でダウンロードできます。発注者の悩みから入り、資料送付の許可を返信のゴールにする構成は、旅行に限らず、法人向けに検討期間の長い商材を案内する文章の参考になりますので、是非活用ください。
工数や手間に課題を感じ営業に取り組めないと悩む場合は、弊社のFAX営業代行のご利用も是非ご検討ください。