食品OEM会社の新規開拓方法5選|発注元に選ばれるためのポイントも解説

食品OEM会社の新規開拓方法5選|発注元に選ばれるためのポイントも解説

食品OEM(受託製造)を手がけている会社の中には、新しい発注元を増やしたいが、何から手をつければよいか分からないという悩みを抱えているところが少なくありません。展示会には出展しているものの反応が思うように伸びない、既存の取引先だけでは工場の稼働に波があるといった課題を感じている方もいるでしょう。

食品OEM会社が新規の取引先を開拓する方法は、展示会だけではありません。紹介、マッチングサイト、自社サイトでの情報発信、FAX・DM等の直接営業など複数の選択肢があり、自社の稼働状況や対応できる業種の広さによって、向いている方法は変わります。

この記事では、食品OEM会社が新規開拓に苦戦しやすい理由を整理したうえで、具体的な開拓方法を5つの手法別に解説します。あわせて、どの方法を使う場合にも共通して重要になる、発注元に選ばれるための情報の伝え方や、自社に合った進め方の考え方も紹介します。

食品OEM会社が新規開拓に苦戦しやすい理由

食品OEM会社が新規開拓に苦戦しやすい理由

食品OEM会社の新規開拓が難しくなりやすい背景には、いくつかの共通した事情があります。まず挙げられるのが、展示会への出展が新規開拓の中心になりやすいという点です。展示会は多くの発注元候補と一度に接点を持てる一方で、開催時期や会場が限られているため、年間を通じて安定的に新規の商談機会をつくる手段としては続けにくい面があります。

次に、価格と知名度での競争が起きやすいことも要因のひとつです。OEMは同じような対応が可能なメーカーが複数存在する領域のため、発注元側は複数社を比較したうえで発注先を決める傾向があります。知名度で劣る会社ほど、価格以外の判断材料を示せないと選ばれにくくなります。

また、既存取引先への依存も新規開拓が後回しになりやすい理由です。既存の発注元からの受注で工場の稼働がある程度まかなえていると、新規開拓に時間や人員を割く優先順位が下がります。その結果、既存取引先の発注量が減った際に、代わりとなる発注元候補との接点がないという状態に陥りやすくなります。

さらに、対応力が発注元候補に伝わりにくいという課題もあります。対応可能なロットや素材、加工技術、衛生管理の体制などは、実際に取引が始まってみないと分からないことが多く、初めて接点を持つ発注元候補にとっては、依頼して問題ないメーカーかどうかを事前に判断しづらいのが実情です。

食品OEM会社が新規の取引先を開拓する方法

食品OEM会社が新規の取引先を開拓する方法

食品OEM会社が新規の発注元を開拓する方法は、大きく分けて5つあります。それぞれ特徴と向いている企業の傾向が異なるため、まずは全体像を比較したうえで、自社に合いそうな方法から詳しく見ていくとよいでしょう。

手法特徴向いている企業費用・工数の目安
展示会・商談会バイヤーと直接会って商談できる。その場で反応や質問を受けられる試食や現物確認が有効な商品を扱う企業出展料・ブース装飾・人員拘束などまとまった費用と工数がかかる
紹介・既存取引先からの派生既存の信頼関係を土台にできるため、初回接触のハードルが低い既存取引先との関係が良好で、周辺企業とのつながりがある企業直接的な費用はほぼ発生しないが、紹介の発生数はコントロールしにくい
OEMマッチングサイトへの掲載発注元側が能動的にメーカーを探して比較する場に掲載される対応領域や強みが明確で、他社と比較されても選ばれる自信がある企業掲載自体は無料〜低コストのサービスが多いが、価格比較の対象になりやすい
自社サイト・SEOでの情報発信検索やAI検索経由で、条件に合う発注元から問い合わせを受けられる対応力や実績を言語化でき、中長期で情報発信を続けられる企業制作・更新の工数がかかり、成果が出るまで一定の期間を要する
FAX・DM等のプッシュ型営業自社から対象企業へ直接商材を提案でき、稼働状況に応じて動かせる稼働率に空きがあり、早期に新規の発注元候補を増やしたい企業配信先リストと案内文の準備が必要。展示会ほどの費用はかからない

展示会・商談会

食品業界向けの展示会には、東京ビッグサイトで開催されるFOODEX JAPANや、食品OEM・PB商品開発をテーマにした専門展など、食品OEM会社が出展対象となるものが複数あります。来場者はすでに発注や仕入れの目的を持って会場に足を運んでいるため、その場で試食や現物確認をしながら商談につなげやすいのが強みです。

一方で、出展料やブース装飾費、当日の人員拘束など、まとまった費用と工数がかかります。年に数回の開催に依存する形になるため、展示会だけを新規開拓の軸にすると、機会が限られてしまう点には注意が必要です。展示会の活用方法や、展示会以外の販路拡大の考え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。

成果に繋がる食品の販路拡大!法人営業のアプローチ法と差別化の極意

紹介・既存取引先からの派生

既存の発注元やその取引先から、別の発注元候補を紹介してもらう方法です。すでに実績や信頼関係があるうえでの紹介となるため、初めて接触する他の企業に比べて商談がスムーズに進みやすい傾向があります。既存取引先のグループ会社や、同じ業界内の近しい企業への展開も、この延長線上にある新規開拓の一つです。

ただし、紹介がいつ発生するかは自社でコントロールしづらく、紹介だけに頼っていると新規開拓のペースは安定しません。既存取引先との関係を維持しながら、他の方法と組み合わせて進めることが前提になります。

OEMマッチングサイトへの掲載

食品OEMに特化したマッチングサイトに自社の対応領域を掲載し、発注元候補から問い合わせを受ける方法です。「食品OEMの窓口」「食品開発OEM.jp」「食品OEMマッチング.com」のように、対応可能なカテゴリや条件で複数のメーカーを比較検索できるサービスが増えています。

食品OEMマッチング.comのようなサービスは、発注元側の基本的な利用は無料であることが多く、メーカー側の掲載費や成約時の手数料で運営されているのが一般的です。展示会のような出展費用がかからず、条件で絞り込んで比較してもらえる点はメリットですが、他のメーカーと同じ土俵で比較される場でもあるため、対応領域や強みを具体的に示せないと選ばれにくくなります。

自社サイト・SEOでの情報発信(Web集客)

自社サイトで対応可能なロットや素材、加工技術、衛生管理体制などの情報を充実させ、Google検索やAI検索から見つけてもらう方法です。すでに条件を絞って探している発注元候補が自社サイトにたどり着けば、問い合わせや商談につながりやすくなります。展示会やマッチングサイトのように開催時期や掲載先に左右されず、公開した情報は継続的に検索・AI検索からの接点をつくる資産になります。

一方で、情報を整えて公開してから実際に検索・AI検索経由の反応が出るまでには一定の期間やそれなりのページ数が必要になります。自社サイトの情報を充実させ、検索・AI検索から見つけてもらえる状態をつくりたい場合は、以下のサービスも是非ご活用ください。

FAX・DM等によるプッシュ型の直接営業

発注元候補となりそうな企業を業種・地域等で洗い出し、FAXやDMで自社の対応内容を直接届ける方法です。展示会やマッチングサイトのように相手からの反応を待つのではなく、自社の稼働状況に合わせて働きかける件数や対象を調節しやすいのが特徴です。

この方法を実施するには、営業対象となる企業を業種や地域などでリスト化する作業が必要になります。対象企業の抽出から案内文の準備までを自社で行うのが難しい場合は、以下の対象企業サンプルリストをご活用し、企業件数の把握とリスト作成に役立ててください。

発注元に選ばれるために伝えるべき情報・信頼構築のポイント

発注元に選ばれるために伝えるべき情報・信頼構築のポイント

どの方法で新規開拓を進める場合でも、発注元候補に対応力が正しく伝わらなければ、比較の土俵にすら乗れません。ここでは、初めて接点を持つ発注元候補に対して、特に確認・提示が求められやすい情報を整理します。

  • 対応可能なロット・素材・加工技術:最小ロットや対応可能な素材、得意な加工技術(冷凍、レトルト、包装形態など)を具体的に示すことで、発注元候補は自社の依頼内容に対応できるかを事前に判断しやすくなります。
  • 衛生管理・認証の明示:2021年6月から、原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されています。事業規模により「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」と「HACCPに基づく衛生管理」に分かれますが、いずれにしても衛生管理体制を整えていることは前提条件です。取引先の業種によっては、ISO22000やFSSC22000、JFS規格といった上位の認証取得状況を確認されることもあります。
  • 価格帯の目安:具体的な単価を公開しづらい場合でも、ロットや仕様によって価格帯がどう変わるのか、大まかな考え方を示しておくと、発注元候補が問い合わせるかどうかを判断しやすくなります。
  • 実績(写真・事例)の見せ方:これまで手がけた商品の写真や、対応可能な業種・カテゴリの実績を示すことで、初めての発注元候補でも具体的な仕上がりをイメージしやすくなります。守秘義務がある案件は、業種や商品カテゴリの範囲にとどめて紹介する方法もあります。
  • 初動対応スピードの重要性:問い合わせや相談を受けてから、見積もりやサンプル対応までのスピードは、発注元候補が他社と比較する際の判断材料になります。対応が遅れるほど、先に返信のあった他社に検討が進んでしまう可能性があります。

こうした情報は、展示会やマッチングサイトでの説明資料としてはもちろん、自社サイトに掲載しておくことで、Webサイトで情報収集している担当者にとって適切な判断材料になります。

自社に合った新規開拓の進め方
(プッシュとプルの使い分け)

自社に合った新規開拓の進め方
(プッシュとプルの使い分け)

ここまで紹介した方法は、大きく分けると、自社から働きかける「プッシュ型」(FAX・DM等の直接営業、展示会での声掛けなど)と、発注元候補に見つけてもらう「プル型」(自社サイトでの情報発信、マッチングサイトへの掲載など)の2種類に分けられます。どちらか一方だけに絞る必要はなく、自社の状況に応じて役割を分担させることが現実的です。

稼働率に空きがあり、できるだけ早く新規の発注元候補との接点を増やしたい場合は、自社から対象企業を選んで働きかけられるプッシュ型が向いています。特にFAX・DM等の直接営業は、業種や地域を絞って直接提案できるため、対応可能な業種を広げたい場合や、特定の業界への新規開拓を強化したい場合にも活用しやすい方法です。直接提案することで得られた効果についてお話している動画もありますので、是非参考にご活用ください。

一方、対応可能な業種の幅が広く、中長期的に多様な発注元候補との接点を増やしていきたい場合は、自社サイトでの情報発信を軸にしたプル型が向いています。前述の通り、検索・AI検索から見つけてもらえる状態をつくっておくことで、条件に合う発注元候補からの問い合わせを継続的に受けられるようになります。

いずれの場合も、プッシュ型で接点を増やしながら、プル型で自社サイトの情報を充実させていくというように、両方を並行して進めることで、新規開拓の間口を広げやすくなります。

まとめ

食品OEM会社の新規開拓は、展示会だけに頼るのではなく、紹介、マッチングサイト、自社サイトでの情報発信、FAX・DM等の直接営業を、自社の稼働状況や対応可能な業種の広さに応じて使い分けることが重要です。あわせて、対応可能なロットや衛生管理体制、実績などの情報を発注元候補に伝わる形で整理しておくことが、どの方法を選ぶ場合にも成果につながる土台になります。

稼働状況に応じて早めに新規の発注元候補を増やしたい場合は、対象企業を絞ってアプローチできるFAX営業代行の活用やサイト改善サービスの活用を視野に入れる事で、導入費用以上の問い合わせや売上獲得を見込めます。まずは、自社の状況に合う進め方を確認してみてください。

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