野菜栽培の新規開拓・販路開拓を成功させる方法

野菜栽培の新規開拓・販路開拓を成功させる方法

営業に手が回らない。JA(農協)への出荷が中心で、価格の伸び悩みや取引先の偏りに不安を感じている野菜栽培農家の方も多いのではないでしょうか。天候や収穫量に左右され、収入が安定しないことに悩むケースも少なくありません。

野菜栽培の新規開拓・販路開拓は、JA以外の売り先を組み合わせることで収入の安定につながります。ただし、日々の栽培作業に追われる中で営業の経験が少ない生産者にとっては、何をどう進めればよいか分かりにくいテーマでもあります。

本記事では、野菜栽培における新規開拓・販路開拓の具体的な方法と、私自身の農家経験に基づくFAX営業のコツも合わせて解説します。

野菜栽培農家が新規開拓・販路開拓で
つまずきやすい理由

野菜栽培農家が新規開拓・販路開拓で
つまずきやすい理由

野菜栽培農家が新規開拓・販路開拓でつまずく背景には、出荷先の偏り・営業時間の不足・収穫量の変動という3つの要因があります。ここでは、それぞれの内容を解説します。

JA出荷だけでは新しい取引先が増えない

JA(農協)への出荷は、収穫した野菜を全量買い取ってもらいやすく、安定した出荷先として多くの生産者が利用しています。一方で、価格の決定権は農協側にあり、利益率を自分で高めることは難しいという一面もあります。新しい取引先を開拓するには、JA以外にスーパーや飲食店、食品卸といった直接の売り先を持つことが有効です。

かと言って、JA出荷を完全にやめる必要はなく、全量買い取りという安定要素を残しながら、収益性の高い直販ルートを少しずつ増やしていく進め方が現実的です。まずは出荷量の一部から新しい売り先への提案を始め、手応えを見ながら少しずつ比率を調整していくと、リスクを抑えながら取り組みやすくなります。

関連記事:農協(JA)に野菜を売る方法|出荷の流れとスーパー・飲食店など農協以外の販路の広げ方

営業する時間・ノウハウが不足

野菜栽培は、種まきから収穫まで日々の管理作業に多くの時間がかかります。そのため、新しい取引先を探す営業活動にまで手が回らないという生産者は少なくありません。

加えて、これまで営業を経験してこなかった生産者にとっては、どの業種にどう声をかければよいかなど、提案の仕方や営業のコツも分かりにくいという悩みを抱えている方も多いと感じます。

工数を割くという点では、繁忙期と閑散期で作業量に差がある場合、比較的余裕のある時期に営業活動をまとめて行ったり、提案に関する方法がわからないという場合には営業を外注を検討するとよいでしょう。

天候や収穫量で取引先との関係が不安定になりやすい

野菜栽培は天候や気候の影響を受けやすく、収穫量が年によって変動します。出荷量が安定しないことで、取引先との関係を維持しづらくなる場合もあります。

こうした変動リスクを分散させるには、特定の取引先に依存せず、豊作時に余剰分を引き取ってくれる取引先と、不作時でも一定量を優先的に卸せる取引先の両方を持っておくと、収穫量の波を吸収しやすくなります。

野菜栽培の新規開拓・販路開拓で選べる主な売り先

野菜栽培の新規開拓・販路開拓で選べる主な売り先

野菜栽培の新規開拓・販路開拓では、スーパー・青果店、レストラン・飲食店、食品卸・一次加工業者(仕入れた野菜をカットや下処理して販売する事業者)など、複数の売り先が候補になります。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

スーパー・青果店への直接提案

スーパーや青果店への直接提案は、地域の消費者に近い場所で野菜を販売できる方法で、規格外の野菜や少量ロットでも扱ってもらいやすい点が特徴です。

一方で、価格競争になりやすく、継続的な取引には品質の安定供給が求められます。

近隣に道の駅や地元産品を扱う直売コーナーがある場合は、そこから取引実績をつくり、実績をもとに大きなスーパーへ提案を広げていく方法もあります。

提案する際は、担当のバイヤーや仕入れ担当者に、出荷可能な時期や量、他の生産者との違いを具体的に伝えると、検討してもらいやすくなります。

レストラン・飲食店への直接営業

レストランや飲食店は、味や鮮度にこだわる分、品質を評価してもらえれば高い単価での取引につながりやすい売り先です。実際に、加工野菜卸を営む神奈川県横浜市の企業からは、新規取引先の開拓後に「月50万円分のキャベツ卸売」を開始できたという声が寄せられています。

また、飲食店の場合、特定の食材にこだわる業態を絞って提案すると、反応を得やすい傾向があります。シェフや料理長の求めている、珍しい品種や栽培方法にこだわった野菜を利用したいという気持ちに答えるよう、自社の栽培方法や品種の特徴を具体的に伝える提案が効果的です。

食品卸・一次加工業者との取引

食品卸や一次加工業者は、外食産業や中食(惣菜・弁当など、持ち帰って食べる食品)業者に野菜を届ける仲介役です。まとまった量を安定して仕入れたいというニーズがあるため、規格外品も含めた提案がしやすくなります。

サイズや形が不揃いな野菜でも、カットや加工を前提とする取引先であれば受け入れてもらいやすく、廃棄ロスを減らしながら新しい収入源につなげられます。

価格を安定させたい取引先にとっては、天候による多少の出荷量の変動があっても、事前に相談できる関係を築いておくことが信頼につながります。

売り先メリットデメリット向いている生産者
JA(農協)全量買い取りで出荷の手間が少ない価格の決定権を持ちにくい営業に時間を割けない生産者
スーパー・青果店地域の消費者に直接届けられる価格競争になりやすい規格外品や少量ロットがある生産者
レストラン・飲食店品質評価による高単価が期待できる取引先ごとの個別対応が増える味や鮮度に強みがある生産者
食品卸・一次加工業者まとまった量を安定して取引しやすい価格交渉がシビアになりやすい出荷量に波がある生産者

野菜栽培の新規開拓を成功させる営業手法

野菜栽培の新規開拓を成功させる営業手法

野菜栽培の新規開拓を成功させるには、売り込み先の絞り込み、FAX DMの活用、提案資料の作り方という3つのポイントを押さえることが重要です。ここでは、それぞれを解説します。

売り込み先の絞り込み方(エリア・業種)

やみくもに営業先を増やすより、自社の野菜の特徴に合ったエリア・業種に絞って提案するほうが、反応を得やすくなります。例えば近隣エリアの飲食店であれば、鮮度の高さを訴求しやすくなります。

遠方への出荷を検討する場合は、輸送コストや鮮度保持の方法もあわせて確認し、無理のない範囲でエリアを広げていくことが大切です。展示会や物産展など、生産者と仕入れ担当者が直接顔を合わせられる場に参加することも、営業先の候補を見つけるきっかけになります。

営業時には売り先となる業種・地域を絞り込んだ企業リストを準備しておくと、案内先の選定がスムーズになります。

FAX DMを使った営業方法について

FAX DMは、電話や訪問に比べて短時間で多くの候補先にアピールできる方法です。相手の都合のよいタイミングで内容を確認してもらえる点も特徴です。

栽培作業の合間に少人数でも進めやすく、電話や訪問営業に比べて一件あたりにかかる時間を抑えやすい点も、野菜栽培農家にとって取り入れやすい理由のひとつです。実際に紙面を作る際は、元々あるテンプレート等を活用していくと、構成のイメージがつかみやすくなります。

提案資料の作り方

提案資料には、取扱品目・出荷可能な量・価格帯・連絡先を簡潔にまとめることが基本です。資料には自園で撮れた写真を添えると、野菜の状態がより伝わりやすくなりますが、FAX紙面はモノクロで印刷されるため、写真を添付するのではなく「サンプルを送ります」を強調して記載する方が、反応率が上がります。

また、自社のホームページやSNSで栽培の様子や取扱品目を発信しておくと、資料やFAXを見た相手が事前に情報を確認でき、商談がスムーズに進みやすくなります。一度FAXを送って終わりにせず、反応がなかった相手にも時期や紙面内容を変えて改めて配信するなど、継続的に声掛けをする姿勢が新規開拓の成果につながります。

自社サイトが無いけどネットから問合せがほしい・運用方法があまりわからないと言う場合はこちらもご覧ください。

手法特徴向いているケース注意点
FAX DM短時間で多くの候補先に案内できる営業に割ける時間が少ない生産者送信停止の依頼には速やかに対応する
飛び込み営業直接顔を合わせて信頼を築きやすい近隣エリアで取引先を増やしたい生産者移動時間がかかり件数を絞りにくい
ホームページ・SNS発信興味を持った相手から問い合わせを得やすい栽培のこだわりを伝えたい生産者情報を継続して発信する手間がかかる

農業経験に学ぶ、野菜栽培の新規開拓成功例

農業経験に学ぶ、野菜栽培の新規開拓成功例

実は私、米澤は過去に福井県でベビーリーフ農家として野菜栽培に携わり、自ら新規開拓に取り組んだ経験があります。ここでは、その時に行った具体的な営業手法を紹介します。

ベビーリーフ農家として実践した新規開拓の手法

元々はスーパーとの取引がメインでしたが、支払いサイクルや個包装にかかる手間に対して割が合わないと感じていました。そこで、全国のイタリアンとフレンチのレストランに向けてFAXを活用して営業した結果、わずか2ヶ月でレストラン400店舗、スーパー150店舗との新規取引を開拓致しました。

短期間で取引先を増やせた理由

短期間で成果につながった背景には、栽培する野菜の特徴を理解したうえで、それを正当に評価してくれる業態に絞って提案したことが1番の理由だと感じています。ものを見ればわかるというシェフや料理長に向けてサンプルを提供しますと記載したFAXだからこそ、自分の足で1件ずつ回らなくても手に取ってもらえる機会を作れました。

この経験から読み取れるのは、ターゲットを絞り込むこと・スピード感を持って行動すること・栽培作業との両立を考えることという視点です。規模の大小を問わず、野菜栽培農家が新規開拓に取り組む際のヒントになります。

野菜栽培の新規開拓・販路開拓を成功させるポイント

野菜栽培の新規開拓・販路開拓を成功させるポイント

野菜栽培の新規開拓・販路開拓を進める際は、相手目線の提案、送り先への配慮、外部の力の活用が、成果につながりやすくなります。

相手が悩みに合わせた提案

取引先候補が抱える課題(仕入れ価格の変動、品質のばらつきなど)を把握したうえで、自社の野菜がその課題をどう解決できるかを伝えることが重要です。単に「野菜を売りたい」という案内より、相手の関心を引きやすくなります。

提案先の業態によって検討するポイントは異なるため、同じ案内文をそのまま使い回すのではなく、「価格の安定」を重視する取引先には出荷計画の見通しを、「品質」を重視する取引先には栽培方法のこだわりを伝えるなど、相手に合わせて内容を調整することも成果につながります。

送信停止依頼など、送り先への配慮を欠かさない

FAX DMで案内を送る際は、送信停止の依頼があった場合に速やかに対応するなど、相手への配慮を欠かさないことが信頼関係の維持につながります。

なお、法人間のFAX DMは、通信販売事業者が一般消費者に送るFAX広告を規制する特定商取引法の直接の対象ではありませんが、送信者情報を明記したり配信停止依頼のチェックボックスを設けるなど、誠実な対応を心がけましょう。

マナーに関する注意点は、以下のオンラインセミナーでも解説しています。次回の参加やアーカイブをご希望される場合はご連絡ください

自社での営業が難しい場合は外部の力を借りる

日々の栽培作業と並行して営業活動を続けるのが難しい場合は、外部の営業代行サービスや公的な支援策を活用するのも一つの方法です。商品案内の作成から企業リストの準備、配信までを任せられるFAX営業代行サービスを利用すれば、栽培作業に時間を割きながら新規開拓を進めることもできます

また、国の支援策としては国産農林水産物等販路新規開拓緊急対策事業について(農林水産省)や、中小企業庁のミラサポplusで、販路開拓に関する情報を確認できます。あわせて活用を検討する事で、選択肢を広げやすくなります。

まとめ:自園の野菜を多くの企業に知らせる事が重要

野菜栽培の新規開拓・販路開拓は、JAへの出荷に加えて、スーパーや飲食店、食品卸といった複数の売り先を組み合わせることで、収入の安定につながります。まずは自社の野菜の特徴を整理し、それを評価してくれる業態を絞って提案することから始めてみてはいかがでしょうか。

私の経験もお話させていただきましたが、限られた時間の中でも、狙いを定めた営業活動は成果に結びつきやすいものです。とはいえ、栽培作業と並行して新規開拓を進めるのは容易ではありません。自社での営業に負担を感じる場合は、営業代行や国の支援策などを活用して、販路開拓の第一歩を踏み出してみましょう。

urikata.netが提供するFAX営業代行は
紙面作成・企業リスト作成・配信作業を丸投げできます。

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