
証券会社の法人営業で、新規開拓の担当者が受付の壁になかなか話を聞いてもらえず苦戦する。既存顧客のフォローに追われ、新規営業に十分な時間を割けないとお悩みではないでしょうか。
証券会社の法人営業は、株式や社債の販売だけでなく資金調達やM&Aの提案まで扱う専門性の高い仕事です。扱う商品の幅広さと専門知識の要求水準の高さが、新規開拓の難易度を押し上げているという背景があります。
本記事では、証券会社の法人営業で新規開拓が進みにくい背景を整理したうえで、テレアポやDMなどの主な手法と、外部の営業代行を活用する選択肢について解説します。
証券会社の法人営業で新規開拓が進まない3つの背景

証券会社の法人営業でなかなか新規開拓が進まない背景には、受付突破の難しさ・商材の専門性・人手不足という3つの要因があります。これらは個別に生じるのではなく、互いに絡み合って新規開拓のハードルを高めていることが少なくありません。ここでは、それぞれの背景について詳しく見ていきます。
受付突破のハードルが高い
証券会社が企業に電話や訪問で提案する際、まず担当者ではなく受付の対応を受けることになります。多くの企業では新規の営業を一律で断るスクリーニング(絞り込み)のルールがあるため、担当者にたどり着く前に話を終えられてしまうケースが少なくありません。金融商品というリスクを伴う提案であることも、受付の警戒心を強める一因です。信頼関係のない相手からの提案には、慎重な対応を取る企業が多いといえます。
受付での対応が繰り返されると、営業担当者のモチベーション維持も課題になりやすくなります。話を聞いてもらえない経験が積み重なることで、新規開拓そのものへの負担感が増していくケースも見られます。受付での印象を左右する要素として、要件を簡潔に伝えられるかどうかも重要です。長々とした説明では、要点が伝わる前に対応を終えられてしまうこともあります。
商品説明が専門的で時間がかかる
法人向けに扱う商品は、株式や社債の販売にとどまらず、資金調達や資産運用、M&Aに関する提案まで多岐にわたります。個人向けの商品説明よりも一件あたりの提案内容が複雑になりやすく、短時間で興味を持ってもらうことが難しい傾向があります。
提案の専門性が高い分、担当者自身にも継続的な知識のアップデートが求められます。準備に時間がかかることも、新規開拓に割ける時間を圧迫する一因といえるでしょう。短い時間で要点を伝える工夫がなければ、相手企業の担当者にとっても内容を理解しづらく、次の商談につながりにくくなってしまいます。
提案資料をあらかじめ整理し、相手企業の業種や規模に応じた説明のパターンを複数用意しておくことも、短時間での訴求力を高める工夫の一つです。退職金の運用や事業承継に伴う資産運用など、法人担当者からの相談内容は多様化する傾向にあります。求められる知識の幅が広がっている点も、専門性の高さに拍車をかける要因といえるでしょう。
既存顧客対応と兼務で新規開拓に手が回らない
証券会社の営業担当者は、既存顧客のフォローや相場変動時の対応にも一定の時間を割く必要があります。新規開拓に充てられる時間が限られる中で、成果を求められるという構造的な課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
特に相場が大きく動く局面では、既存顧客への説明や問い合わせ対応が優先され、新規開拓の活動が後回しになりやすい傾向があります。一人の担当者が既存対応と新規開拓の両方を担う体制では、どうしても目先の対応に追われ、中長期的な新規開拓の計画が後回しになりがちです。
新規開拓専任の担当者を置くか、既存顧客対応と兼務させるかという体制上の判断も、新規開拓の進み方を左右する要素になります。
証券会社が使う主な新規開拓手法とその特徴

証券会社の法人営業で使われる新規開拓の手法には、それぞれ異なる特徴があります。どれか一つに絞り込むのではなく、自社の商材や体制、狙う顧客層に合わせて複数の手法を組み合わせて使い分けることが重要です。
テレアポ・飛び込み営業の特徴
テレアポは一日に多くの企業へ提案できる効率の良さが利点ですが、対面ではない分、受付の時点で断られやすいという課題があります。一方の飛び込み営業は、対面で話を聞いてもらいやすい反面、訪問件数に限りがあり時間効率は下がりやすいという特徴があります。どちらの手法も、担当者の経験や工夫によって成果に差が出やすい点は共通しています。優先度の高い企業には飛び込み、それ以外はテレアポといった使い分けをする例も見られます。
いずれの手法も、まとまった架電数や訪問件数をこなす体制が前提となるため、担当者一人あたりの負担が大きくなりやすい点には注意が必要です。近年は、オンライン商談ツールを組み合わせ、初回の接点はテレアポ、詳しい説明はオンライン面談で行うといった使い分けをする企業も増えています。
手紙・DMによる営業の特徴
手紙やDMは、電話や訪問と異なり相手の都合の良いタイミングで目を通してもらえる点が特徴です。担当者の手元に資料が残るため、興味を持ったタイミングで再度検討してもらいやすいという利点もあります。
一方で、開封されなければ内容が伝わらないという弱点もあります。件名や送付状の書き方など、手に取ってもらうための工夫が求められます。郵送のDMのほか、FAXを使って案内を届ける方法もありますので、後ほど詳しく解説致します。
| 手法 | 特徴 | 向いている場面 | コスト感 |
| テレアポ | 短時間で多くの企業にアプローチできる | 幅広い企業への一次接点づくり | 比較的低い |
| 飛び込み営業 | 対面で話を聞いてもらいやすい | 優先度の高い企業への重点的なアプローチ | 移動時間分のコストがかかる |
| 手紙・DM | 相手の都合に合わせて読んでもらえる | 担当者名が分からない企業への一次アプローチ | 送付物数に応じて変動 |
| FAX DM | 印刷・郵送より低コストで法人に一斉送付できる | 幅広い企業への効率的な一次アプローチ | 1社あたり数十円程度からと比較的抑えやすい |
新規開拓を外部に委託するという選択肢

自社の営業担当者だけで新規開拓を進めることが難しい場合、外部の営業代行に委託するという選択肢があります。
営業代行に委託するメリット
営業代行は、企業に代わって新規開拓の一部または全部を担う専門サービスです。自社に営業のノウハウや人手が不足している場合でも、プロの手法を取り入れながら新規開拓を進められる点がメリットといえます。
営業活動の一部を切り出せるため、既存の担当者は既存顧客への対応や商談に集中しやすくなります。リスト作成や初回連絡といった工程を任せることで、社内の工数を本来注力すべき業務に振り向けられます。
委託先によって得意とする業界や営業手法が異なるため、自社の商材や想定する顧客層に近い実績を持つ営業代行会社を選ぶことも重要なポイントです。
関連記事:営業代行とは?派遣との違いや依頼すべき企業の条件をプロが解説
自社対応と外部委託の使い分け方
自社の営業担当者に十分な時間的余裕がある場合は、既存の関係性を活かした自社対応が向いています。一方、新規開拓に充てられる人手が限られている場合は、外部委託によって社内の負担を抑えながら接点づくりを進められます。
初めから全面的に委託するのではなく、リスト作成や一次アプローチなど一部の工程から試してみるのも一つの方法です。反応を見ながら、依頼する範囲を段階的に広げていく進め方もございます。長期的に利用を検討している場合は、契約期間や解約条件も事前に確認しておきましょう。もし想定していた成果が出なかった場合に、柔軟に見直せる契約形態かどうかも選定時の判断材料になります。
関連記事:営業代行の外注費用はいくら?相場から見る料金体系別の活用法
| 項目 | 自社対応 | 外部委託(営業代行) |
| 人手 | 既存の営業担当者が兼務 | 委託先の人員が対応 |
| ノウハウ | 社内の経験に依存 | 委託先の実績・手法を活用できる |
| 立ち上げの速さ | 採用・育成に時間がかかる | 契約後すぐに稼働できる場合が多い |
| コスト | 人件費として発生 | 委託費用として発生(成果報酬型もある) |
FAX DMによる法人向け新規開拓の進め方

先ほども軽くご紹介しましたが、新規開拓の手法の一つとして、FAX DMを活用する方法もあります。
FAX DMが法人向け営業に向いている理由
FAX DMは、電話のように相手の時間を直接拘束せず、担当者の手元に資料として残る点が特徴です。郵送のDMに比べて印刷・封入・発送のコストを抑えやすく、比較的少ない予算で幅広い企業に案内を届けられます。また、多くの企業がオフィスにFAXを設置しているため、担当者のメールアドレスが分からない場合でも代表番号宛てに提案できる点も特徴の一つです。
一度に幅広い企業へ案内を届けられるため、テレアポや飛び込みだけでは接点を持てなかった企業層にも声掛けしやすくなりますし、現物が残ることで再検討のきっかけになりやすいという特徴もあります。
FAX DM単体で商談化を狙うのではなく、反響のあった企業に対してテレアポや訪問でフォローするなど、他の手法と組み合わせて活用することで、新規開拓全体の接点数を増やしやすくなります。
送付状・商品案内の作成ポイント
FAX DMを送る際は、通常のFAX送信と同様に送付状のマナーを守ることが基本です。誰から誰宛てに何を送っているかが一目でわかるよう、必要な項目を漏れなく記載しましょう。
商品案内についても、専門用語を並べるのではなく、相手企業にとってのメリットが一目で伝わる構成を意識することが大切です。証券会社であれば、法人向けにどのような支援ができるのかを簡潔に示すことがポイントになります。
問い合わせ先の電話番号やFAX番号を大きく分かりやすく記載しておくことも、反響率を左右する基本的なポイントです。
FAX DMを活用する際の注意点

FAX DMを新規開拓に活用する際は、法令面や社内体制について押さえておきたい点がいくつかあります。
送信先リストの精度と法令上の留意点
FAX DMは、株式会社や合同会社など法人宛ての営業目的であれば、原則として違法にはあたりません。ただし、個人事業主や個人宛てへの送信は消費者向けの通信販売とみなされ、特定商取引法の規制対象になる可能性があるため注意が必要です。
2017年12月に施行された平成28年特定商取引法の改正についてにより、通信販売のFAX広告は受信者からの請求や承諾を得ずに送信することが原則禁止されています。法人間の営業目的の送信はこの規制の直接の対象ではありませんが、送信停止の依頼を受けた際は速やかに対応し、自社の情報を明記するなど、誠実な運用を心がけることが望ましいといえます。
送信先リストの選定についても、出所が明確な法人リストを使うことが前提です。リストの管理についても、社内で取り扱いのルールを定め、不要になったデータは適切に廃棄するなど、情報管理の徹底が求められます。
関連記事:FAXDMは違法?営業担当者が基本から学ぶ法的リスクと安全な配信対策
反響を商談につなげる社内体制
FAX DMを送った後は、問い合わせへの返信体制を整えておくことも重要です。反響があってもすぐに対応できる窓口がなければ、せっかくの接点を商談につなげられません。担当者や対応フローをあらかじめ決めておきましょう。問い合わせの内容によっては、担当者の専門知識が必要になる場合もあります。一次対応の窓口と、専門的な商談を担う担当者の役割分担を事前に決めておくと、反響を取りこぼしにくくなります。
支店や部署をまたいで反響が入ることも想定し、誰が一次対応するかをあらかじめ社内で共有しておくと、対応の重複や漏れを防ぎやすくなります。更に、問い合わせから商談までのスピードも重要です。連絡をもらった相手が他社にも同時に問い合わせている場合もあるため、できるだけ早く一次対応を行う体制を整えておきましょう。
まとめ:証券会社の新規開拓はFAXDMから挑戦!
証券会社の法人営業で新規開拓が進みにくい背景には、受付突破の難しさや商品説明の専門性、既存顧客対応との兼務といった要因があります。テレアポや飛び込み営業、手紙・DMなど複数の手法を使い分けながら、自社の体制に合わせて取り組むことが基本です。
社内の人手だけで新規開拓を進めることが難しい場合は、営業代行への外部委託も現実的な選択肢です。中でもFAX DMは、比較的少ない予算で幅広い法人に提案できる手法として活用されています。すべてを一度に切り替える必要はなく、一部の業務から段階的に委託を試してみることも検討に値します。法令面の留意点を押さえたうえで、まずは自社の課題や予算に合わせてどこまでを外部に任せるかを整理してみてください。
urikata.netでは、FAXを使ったBtoB向けの営業代行を1社約20円から承っており、紙面作成から企業リストの準備、FAX配信までを丸投げでご依頼いただけます。営業担当者が不足している、あるいは新規開拓の専任者を置けていないという企業様にもご利用いただいています。証券会社の法人営業における新規開拓でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。