
冷凍食品の新規開拓において、価格競争に巻き込まれたり、従来の営業方法で手詰まりを感じたりしていませんか?競合がひしめく市場環境では、単なる商品案内だけで新たな販路を拡大することは困難です。一方で消費者需要の変化に伴い、高付加価値な「プレミアム市場」や、人手不足に悩む外食産業など、明確な課題を持つ新たなターゲット層が浮上しています。
本記事では、ターゲット別の戦略設計から、利益率を高める提案型営業のコツ、具体的なマーケティング施策などを合わせて解説します。お読みいただくことで、属人的な営業から脱却し、確実に販路を拡大するための売れる仕組みを構築できるはずです。
冷凍食品市場における新規開拓の現状と課題

競争激化と価格競争からの脱却が急務
冷凍食品市場は多くの企業が参入しており、競争が非常に激しい環境です。新規開拓において単なる商品紹介や値引きに頼った営業手法を続けると、価格競争に巻き込まれ利益率が著しく低下します。BtoBの営業現場においては、競合他社にはない独自の付加価値を明確に提示し、価格以外の要素で顧客に選ばれる仕組み作りが急務となっています。
消費者需要の変化と「プレミアム市場」への転換
共働き世帯の増加や時短レシピの普及により需要が拡大する中、単なる簡便性だけでなく「専門店の味」や「健康志向」を求める声が高まっています。この結果、高単価でも支持されるプレミアム市場が急成長しています。新規開拓を成功させるには、こうした消費者の変化を捉え、顧客企業に対して高付加価値商品が売れる根拠を示す提案が求められます。
販路拡大を成功させるターゲット別の戦略設計

飲食店・外食産業向け:人手不足解消と業務効率化
飲食店への新規開拓では、深刻な人手不足に寄り添う提案が効果的です。単なる食材としての提案ではなく、調理工程や仕込み時間の短縮といった業務効率化として訴求します。解凍するだけで提供できる高品質な商品は、職人不足を補い、味のブレを防ぎます。人件費や廃棄ロスの削減効果を具体的に示すことで導入の必然性が高まります。
小売店・スーパー向け:高付加価値による店舗の差別化提案
小売業の新規開拓では、他店舗との明確な差別化が求められます。価格競争に陥る特売品ではなく、利益率を確保できるプレミアム冷凍食品の提案が重要です。有名店監修やこだわりの素材など、消費者の来店動機となる高付加価値となる商品を提示します。さらに、専用POPの提供や陳列方法など、売り場作りを含めた提案型営業を行うことでバイヤーの信頼を獲得できます。
新規開拓を加速させるマーケティング施策とは

市場調査・イメージ調査を活用した立ち位置の再構築
新規開拓では、顧客が抱く冷凍食品へのイメージを正確に把握することが重要です。市場調査を実施し、競合と自社の強みを比較することで立ち位置を再構築できます。価格ではなく「プレミアム感」や「時短以上の価値」をデータで裏付けることで説得力のある提案資料が完成し、商談での成約率向上に直結します。
オウンドメディアやオンライン商談を活用したWeb集客
飛び込み営業が敬遠される昨今、オウンドメディアを通じたWeb戦略が有効です。検索意図を満たす専門的なコンテンツを発信して見込み顧客を誘導し、資料請求後はオンライン商談へ繋げます。移動コストを削減しつつ、的確なキーワード設計とコラムや資料等のコンテンツを軸に問い合わせ獲得を狙いましょう。
営業代行による初回連絡の加速と工数の最適化
人手が限られる中で新規開拓を加速させるには、BtoBに特化した営業代行の活用が効果的です。専門知見を持つプロにリスト作成や初回連絡を委託することで、自社の担当者は提案活動やクロージングなど専門的な知識や契約に関わる重要な過程に専念できます。外部のノウハウを活用して営業過程を仕組み化し、持続可能な事業開発を実現させましょう。
コロナ禍に受注ゼロ件になった冷凍カツメーカーが新規開拓に成功した弊社事例↓
利益率アップを実現する「提案型営業」のコツ

単なる商品案内から「顧客の課題解決」へ切り替える
自社商品のスペックや価格を一方的に伝える営業では、顧客の心を動かすことはできません。提案型営業の第一歩は、顧客の潜在的な課題をヒアリングし、解決策として冷凍食品を位置づけることです。「この商品は美味しい」ではなく、「この商品なら仕込み時間を半減し、回転率を上げられる」といった顧客にとって具体的な課題解決のメリットを提示し、取引先としての信頼を構築します。
試食の質を高める体験設計と、具体的な導入シミュレーション
試食は単なる味見ではなく、重要なプレゼンテーションの場です。顧客の実際の提供環境を想定し、最適な解凍方法や盛り付けまでを含めた体験を設計しましょう。同時に、原価率の改善や業務工数の削減効果を示すシミュレーション資料を提示することで、顧客は導入後の費用対効果をリアルに実感でき、店長や決裁権を持つ担当者へのスムーズな決裁へと繋がります。
価格交渉に巻き込まれない付加価値の提示
厳しい価格競争から抜け出すには、VA(価値分析)/VE(価値工学)の視点を取り入れた提案が重要です。単なる値下げではなく、商品の活用によるトータルコストの削減や、顧客の売上増加に貢献する価値を提示します。食品ロスの削減や、特別メニュー化による客単価の向上など、価格以上の付加価値を数字を用いて論理的に示すことで、高単価であっても納得して導入いただけます。
新規開拓の成功率を高める実践的な提案手順

ターゲットリストの精査と営業の優先順位付け
新規開拓の第一歩は、自社の強みが最も活きるターゲットを明確にし、リストを精査することです。地域、業態、店舗規模などの条件から営業する優先順位を設定します。無差別に営業をかけるのではなく、プレミアム商品を求める高級スーパーや、人手不足が深刻なチェーン店など、確度が高い見込み顧客へ集中的に工数を投下することで、営業効率と成約率を飛躍的に高めることができます。
導入ハードルを下げるテストマーケティングの実施
新規商材の導入には心理的ハードルが伴います。これを下げるため、一部店舗でのテスト販売や期間限定メニューとしての小規模なテストマーケティングを提案しましょう。初期費用やリスクを抑えたスモールスタートを促すことで、決裁のハードルが下がります。テスト期間中に販売データや現場のオペレーション改善効果を収集・検証し、全店展開に向けた具体的な成果を構築することが重要です。
顧客からの意見収集と継続的な商品・提案の改善
導入後やテスト実施後は、顧客からの率直な意見や感想を迅速に収集することが大変重要です。味や品質の評価はもちろん、解凍時の使い勝手や保管スペースの課題など、現場のリアルな声を集めます。得られたデータをもとに商品のパッケージ改善や、提案資料の更新を継続的に行います。市場の反応を営業とマーケティングの仕組みへ還元し続けることで、長期的な競争力強化に繋がります。
まとめ:マーケティングと提案力の両輪で冷凍食品の販路を拡大する
冷凍食品市場における新規開拓は、激しい価格競争から抜け出し、ターゲットの課題解決に寄り添う「提案型営業」への転換が成功の鍵を握ります。飲食店の人手不足解消や、小売店のプレミアム化の需要など、顧客ごとの明確なメリット(VA/VE)を提示することが重要です。また、属人的な営業手法に頼るのではなく、市場調査に基づいた立ち位置の見直しや、営業代行を活用した営業活動の加速など、マーケティングと連動した仕組み作りが欠かせません。自社の強みを的確に言語化し、持続可能で利益率の高い販路拡大を実現させましょう。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。