
既存顧客からの売上拡大に限界を感じていませんか?リース業界において、激しい価格競争を避けつつ、新規開拓や販路拡大を成功させることは決して容易ではありません。従来のテレアポや飛び込みといった属人的な営業手法だけでは、決裁者への提案や成約率の向上がますます難しくなっています。
本記事では、リース事業に特化したターゲット選定から、代理店網の構築、デジタルマーケティングの活用など、様々な営業戦略について徹底解説していきます。最後までお読みいただくことで、効率的に優良顧客を獲得し、自社の持続的な売上アップを実現するための強固な仕組みづくりについてわかります。
リース業界における新規開拓・販路開拓の重要性と現状

日本のリース業界は、企業の設備投資意欲に直結するため、景気動向の影響を受けやすい特性があります。近年は市場が成熟し、大手リース会社が中心となっており、市場が集中しているのが現状です。そのため、既存顧客の維持やルート営業だけでは長期的な売上拡大を見込むことが難しくなっています。持続的な事業成長を実現するためには、従来の営業手法を見直し、新たな顧客層への提案や独自の販路を開拓する取り組みが必要です。
既存顧客への依存が生むリスクと新規開拓が急務な理由
既存顧客との取引は安定収益を生む反面、顧客の業績悪化や事業撤退が自社の売上減少に直結するリスクを孕んでいます。また、契約満了時のリプレイス(入れ替え)需要に頼るだけでは事業規模の拡大は望めません。特定の取引先や業界に依存する体制から脱却し、新たな収益の柱となる新規顧客を継続的に開拓する仕組みづくりが急務となっています。
価格競争から脱却し、競合他社との差別化を図る背景
リース商品は金融的な性質が強く、金利やリース料率による不毛な価格競争に陥りがちです。単なるモノの貸し出しのみでは、大手の資本力に対抗することは困難です。そのため、顧客の経営課題を深くヒアリングし、質の高い解決策の提案を行い、価格競争を回避する必要があります。独自の販路開拓による営業活動が、差別化に繋がります。
リース営業における新規開拓の営業手法

リース事業で新規開拓を成功させるためには、闇雲に営業をかけるのではなく、自社の強みとターゲット層に合わせた最適な営業手法を選択することが重要です。従来の足で稼ぐ営業から、デジタルを活用した効率的な手法まで、現代のBtoB営業には多様な選択肢が存在します。ここでは、リース営業において実効性の高い4つの具体的な手法を取り上げ、それぞれの実施手順や成功のポイントについて詳しく解説します。自社の営業工数や目的に応じて最適な手法を組み合わせることで、新規顧客の獲得効率は飛躍的に向上します。
成約率を高める質の高いターゲットリストの作成方法
新規開拓の成功はリストの質に大きく依存します。企業データベースや信用調査機関の情報を活用し、業績が好調で設備投資の意欲が高い企業を抽出します。また、特定の業界(IT機器、医療など)に対象を絞ることで、顧客が抱える課題の仮説が立てやすくなり、その後の提案する精度と成約率が大幅に高まります。以下はターゲット選定に注力せず、480万円の損失を出した経験のある企業が、ターゲットの絞り込みを徹底して100企業から問い合わせを獲得した事例を解説しています。
受付突破から決裁者の商談を獲得するテレアポのコツ
テレアポでは「リース契約の案内」ではなく、「業務効率化やコスト削減に関する情報提供」という切り口で伝えると、営業ならお断りですと言われがちな受付担当者を突破する確率が上がります。決裁者(社長や財務担当者)に繋がった際は、事前に仮説を立てた相手の経営課題に触れ、面談でしか得られない具体的な解決策を簡潔に提示することで商談を獲得しやすくなります。
現代のリース営業における飛び込み営業の有効性と事前準備
飛び込み営業は非効率とされがちですが、地域密着型のビジネスや工業団地などでは、対面による迅速な信頼構築が未だ有効です。成功の鍵は徹底した事前準備にあります。訪問先企業の事業内容や近隣の導入事例を把握した上で、手短に有益な情報を提供できる独自の事例集などを持参し、次回の商談に繋げる工夫が必要です。
Webマーケティングを活用した待つ集客での顧客獲得
営業担当者の負担を減らすには、Web経由で問い合わせを獲得するインバウンド施策が有効です。自社サイトでの具体的な導入事例の紹介や、検索上位表示を狙う対策(SEO対策)を施した課題解決型のコラムなどを発信します。さらに、お役立ち資料のダウンロードやウェビナー(オンラインセミナー)開催を通じて、見込みの高い顧客(リード)の情報を効率的に収集します。
リース事業の販路を劇的に広げる提携・代理店戦略

自社の人員のみで新規開拓を続けるには、時間や営業工数の面でいずれ限界が訪れます。そこで飛躍的な売上拡大の鍵となるのが、他社との提携(アライアンス)や代理店網の構築を通じた販路拡大戦略です。自社のリースサービスと親和性の高い企業と強固な提携を結ぶことで、これまで接点を作れなかった新たな顧客層へ効率的に近づくことが可能になります。ここでは、リース事業を加速させる提携戦略の手法とその構築手順について詳しく解説します。
販売代理店を開拓するメリットと手順
代理店を活用する最大のメリットは、自社にない営業ルートを即座に活用できる点です。手順としては、まず販売手数料などのインセンティブ設計を明確にします。次に、ターゲット層が重複するが競合しない企業(OA機器販売会社など)をリストアップし、自社のリースを商材に組み込むことで相手の売上向上にも繋がる「Win-Winの提案」を行うことが開拓成功の鍵となります。
金融機関(地銀・信金)との連携の進め方
地方銀行や信用金庫との協業は、優良顧客を獲得する強力な販路となります。金融機関は取引先企業の設備投資ニーズを早期に把握しているためです。連携を進めるには、まず金融機関の担当者に対し、自社リースの強みや顧客を紹介するメリットを丁寧に説明し、定期的な情報交換の場を設けるなど、強固な信頼関係を地道に構築することが不可欠です。
特定業界(医療・IT・建設など)に特化した協業の構築
特定の業界に強みを持つメーカーやベンダーと協業し、機器販売とリースをセットで提案する仕組みを構築します。例えば医療機器やITシステムなど、高額で導入ハードルが高い商材において、初期費用を抑えられるリース提案は顧客の決裁を後押しします。業界特有の商習慣を共有し、パッケージ化された施策として共同展開することで高い成約率が見込めます。
商談で確実に案件化へ導く提案・ヒアリングのノウハウ

商談予定や見込み顧客を獲得した後は、実際の商談で確実に案件化へと繋げる高い営業スキルが求められます。単にリース商品の仕組みや金利を説明するだけの営業では、価格競争に巻き込まれるか、競合他社に案件を奪われてしまいます。ここでは、商談におけるヒアリングの重要性と、決裁者の心を動かす具体的な課題解決のノウハウについて解説します。
初回訪問時のヒアリングで必ず押さえるべき確認項目
初回訪問では、顧客の事業内容や現状の設備環境、将来的な事業計画を正確に把握することが重要です。特に既存設備の導入時期、リースか買い取りかの決済基準、次回のリプレイス予定時期は必ず確認します。これらの基本情報を押さえることで、最適な提案タイミングと適切なプランの設計が可能になります。
顧客の「潜在的な設備投資課題」を引き出す効果的な質問術
顧客自身も気づいていない課題を引き出すには質問の工夫が有効です。「現在の設備で不便な点はありますか」ではなく、「事業拡大に向けてボトルネックとなっている業務は何ですか」と尋ねます。経営視点からの問いかけにより、単なる機器更新ではなく、根本的な業務改善に繋がる設備投資に対する要望を掘り起こせます。
経営層や財務担当者に刺さる付加価値型の課題解決
決裁者への提案では、月額費用の安さだけでなく、資金練りの改善や予算平準化など、財務面でのメリットを示すことが重要です。さらに、保守サービスや周辺機器を組み合わせたワンストップ型の提案を行うことで、単なる金融サービスを超えた経営課題を解決する付加価値を提供でき、成約率が高まります。
営業組織の効率化と継続的に案件を生み出す仕組みづくり

新規開拓を個人の力量やモチベーションに依存していては、組織としての継続的な売上成長は見込めません。属人化を排除し、営業部門全体で効率的に案件を創出・管理する仕組みを構築することが、中長期的な安定収益に直結します。ここでは、営業支援ツールの活用や、資産としての顧客データを活かして、商談を生み出す組織的な仕組みづくりについて解説します。
SFA/CRMを活用した情報共有と新規開拓の効率化
顧客情報や営業履歴をSFAやCRMなどの営業ツールで一元管理することで、組織全体の営業効率が向上します。過去の提案内容や接触履歴を可視化すれば、担当者変更時の引き継ぎもスムーズになり、無駄な重複提案を防げます。蓄積されたデータを分析し、成約率の高いトークや手法をチーム内で標準化する仕組みづくりに役立ちます。
失注リストから案件を掘り起こす適切なタイミングと手法
過去に失注した顧客も、状況の変化により再び見込み顧客となる可能性があります。決算期の前や、競合他社で結んだリース契約が満了する半年から1年前など、設備投資の検討が再開されやすいタイミングを見計らうことが重要です。ツールのアラート機能を活用し、適切な時期に定期的なフォローを行う体制を整えましょう。
既存顧客からの紹介(リファラル)を自然に増やすための施策
満足度の高い既存顧客からの紹介は、成約率が極めて高い優良な新規顧客となります。紹介を自然に増やすには、納品後の定期的なフォロー面談を実施し、自社のサポート体制に対する信頼を高めることが必須です。その上で、「同様の課題を抱えるお取引先をご存知ないですか?」と、適切なタイミングで直接打診することが効果的です。
人手不足に悩んでいるなら「営業代行」を利用する
ツールを使いこなしたい、紹介を促したいと考えていても、対応する人手そのものがいなくては販路開拓は上手く行きません。そうお悩みの方は、外部のプロである「営業代行」に任せる事が有効です。新たに人を雇うとなった場合に、教育にかかる時間や費用がかかりますし、早期離職のリスクもあります。その点、営業代行は即戦力となる営業マンをすぐに活用出来るので、販路開拓にすぐ取り組める点がメリットです。各代行会社には得意な手法や業種、対応出来る営業工程の範囲など様々ですので、事例やサービス内容を確認して、自社に適しているか判断しましょう。
まとめ:リース事業の売上を最大化する新規開拓の手順
リース事業において、既存顧客の維持や不毛な価格競争のみに依存するビジネスモデルは限界を迎えています。本記事で解説したように、精度の高いターゲットリスト作成やWebマーケティングを活用した待ちの集客といった「営業の手法」、代理店や金融機関との連携による「販路拡大についての戦略」、そして決裁者に刺さる「課題解決型の提案力」を組み合わせることが、新規開拓を成功させる鍵となります。
さらに、属人的な営業から脱却し、SFAやCRMなどの営業ツールを活用した情報共有など、組織全体で継続的に優良な案件を生み出す仕組みを構築することで、一過性ではない持続的な売上の最大化が実現可能です。自社の強みを再確認し、ターゲットに合わせた最適な戦略的開拓方法を実践して、リース事業を拡大していきましょう。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。