
天候や季節に集客が左右され、収益が安定しないとお悩みのレジャー施設運営者の方は多いのではないでしょうか。これまでのような個人客や旅行代理店からの送客に依存したビジネスモデルでは、安定した売上の基盤を維持することが難しくなっています。
本記事では、企業研修や福利厚生をターゲットとした法人向け(BtoB)の提案型営業から、人手不足を解消する営業代行の効果的な活用法まで、様々な視点で販路開拓の戦略を詳しく解説します。成功事例に基づく集客手法を学ぶことで、直販ルートを確立し、高収益で持続可能な事業への転換を実現するヒントが得られます。
レジャー事業における販路開拓の重要性とは

レジャー事業において持続的な成長を遂げるためには、新しい販路の開拓が必要不可欠です。従来のビジネスモデルでは集客のコントロールが難しく、売上が外的要因に大きく左右されてしまいます。ここでは、なぜ今レジャー業界において積極的な販路開拓が求められているのか、その背景と経営上の重要性について解説します。
季節や天候に依存する集客リスクの克服
レジャーやアウトドア施設における最大の課題は、季節ごとの需要変動や悪天候による突然のキャンセルです。閑散期や雨天時の集客落ち込みは、資金繰りやスタッフの雇用維持に悪影響を及ぼします。こうしたリスクを分散させるためには、天候に左右されにくい屋内プログラムの拡充や、時期を問わず定期的な利用が見込める新たな顧客層を開拓する戦略が必要となります。
個人客から法人客へのターゲット拡大
休日の家族連れや友人同士といった個人客(BtoC)だけでなく、法人客(BtoB)へとターゲットを広げることが収益安定化に繋がります。法人は予算規模が大きく、平日の利用や数十人規模の団体利用が見込めるため、施設の稼働率を平準化できます。企業研修や慰安旅行など、BtoB市場ならではの需要を正確に捉えることで、閑散期の売上を大きく底上げすることが可能になります。
旅行代理店依存からの脱却と利益率の向上
集客を旅行代理店に大きく依存していると、高額な送客手数料が発生し、利益率が圧迫されてしまいます。また、価格競争に巻き込まれやすく、施設独自の魅力が直接伝わりにくいというデメリットもあります。自社で直接法人と契約を結ぶ直販ルートを開拓できれば、仲介手数料を削減でき、利益率が大幅に向上します。さらに、顧客の声を直接聞くことができるため、サービスの質を高めることも可能です。
新たなターゲットとなる法人・団体の種類

BtoB(法人向け)の販路開拓を進める際、ターゲットとなる組織は多岐にわたります。自社のレジャー施設の強みや立地特性を活かし、どのような法人や団体に対して価値を提供できるかを見極めることが重要です。ここでは、ターゲットとなる法人や団体の種類と、それぞれへ提案する際の切り口について解説します。
企業の福利厚生としての利用提携
従業員の満足度向上や離職防止を目的として、福利厚生の充実に力を入れる企業が増加しています。レジャー施設としては、企業と直接法人契約を結び、従業員やその家族が割引価格で利用できる優待プランを提供することが有効です。平日の有給休暇取得時や休日の家族サービスとしての利用が促進され、長期的に安定した集客基盤の構築につながります。
企業研修や組織づくりでの活用
組織内のコミュニケーション活性化や団結力向上を目的とした企業研修の場として、レジャー施設を活用する需要が高まっています。会議室を離れた非日常的な環境での関係構築は、企業にとって大きな付加価値となります。施設側は単なる場所の提供にとどまらず、研修の目的に合わせた専用の体験プログラムを企画・提案することが成功の鍵です。
学校法人の修学旅行・遠足誘致
小中高校などの学校法人を対象とした修学旅行や遠足、自然体験教室の誘致は、数十人から数百人規模の団体客を平日に獲得できる強力な販路です。教育機関が求める安全性や学習効果を満たすため、施設内でのSDGs学習プログラムや、地域の自然・文化を学べる体験型レクリエーションを開発することが重要です。学校側の年間行事スケジュールに合わせた早期の営業活動が求められます。
異業種(医療・介護施設など)との連携
医療機関や介護施設などの異業種との連携も、新たな販路開拓の有効な手段です。例えば、高齢者の健康増進を目的とした自然散策ツアーや、デイサービスの外出レクリエーションとして施設を活用してもらうプランなどが考えられます。専門機関の需要に合わせた安全なプログラムを共同開発することで、社会貢献を果たしつつ、平日の日中という閑散時間帯の稼働率を高めることが可能です。
法人向け(BtoB)販路開拓を成功させる提案型営業

代理店依存から脱却し、利益率の高い直販ルートを開拓するためには、待ちの姿勢ではなく積極的な「提案型営業」が求められます。単にパンフレットを送付するだけの営業では、担当者の心を動かすことはできません。企業が抱える潜在的な課題を汲み取り、自社のレジャー施設を活用することでどのようなメリットが得られるのかをわかりやすく提示する方法について解説します。
単なる施設紹介から「課題解決」へのシフト
法人営業において最も重要なのは、施設の設備や料金を提案する「機能的価値」の提供から、企業の「課題解決」へと営業の軸を移行することが重要です。「バーベキュー場があります」と伝えるのではなく、「部署間のコミュニケーション不足を解消するための組織の関係構築や結束力を生み出す場を提供します」と提案することで、初めて検討の土俵に上がることができます。相手の経営課題に寄り添う姿勢が、直取引の第一歩となります。
企業が求める付加価値の創出と費用対効果の提示
提案型営業では、提供するプログラムが企業にどのような利益(付加価値)をもたらすかを明確にしなければなりません。例えば、研修プログラムを導入した場合の社員のモチベーション向上といった定性的な効果に加え、それを実現するための費用対効果(ROI)をデータや数値を活用して論理的に説明することが求められます。企業の投資に見合う確かな価値を定義し、単価競争に巻き込まれないプランを構築しましょう。
決裁者を納得させる企画書・提案書のポイント
法人取引では、窓口の担当者だけでなく、その上司や役員といった決裁者の社内承認を得る必要があります。そのため、提案書には「なぜ他の施設ではなく自社なのか」という明確な差別化要因と、実施までのスケジュール、正確な見積もりをまとめることが必須です。さらに、導入に関する懸念点やリスクとその回避策まであらかじめ提示することで、決裁者の不安を払拭し、スムーズな契約締結へと繋げることができます。
販路開拓を加速させる営業代行の活用

法人向けの提案型営業が重要である一方、多くのレジャー施設では専任の営業担当者を配置する余裕がないのが実情です。そこで有効なのが、BtoB営業のプロである「営業代行」の活用です。ここでは、自社の人手や知識不足を補い、素早く新規販路を開拓するための代行会社の活用法について解説します。
レジャー業界における営業に関する人・知識・時間不足の課題
レジャー施設では現場運営や接客に人員が割かれ、法人向けの新規開拓に工数を割けない企業が多く存在します。社内にBtoBの営業ノウハウがないため、提案活動が後回しになりがちです。専任スタッフの採用や育成には多大な時間とコストがかかるため、迅速な販路拡大を図る上での大きな障壁となっています。
営業代行を導入するメリットと投資収益率
営業代行を活用する最大のメリットは、即座にプロの営業力を事業開発に投入し、組織規模を問わず販路を拡張できる点です。初期費用は発生するものの、自社でゼロから営業人材を採用・育成するコストと比較すると成約までのスピードが速く、結果的に高い投資収益率(ROI)が期待できます。
自社に最適な営業代行会社の選び方
委託先を選ぶ際は、無形商材やBtoB領域における提案型営業の実績があるかを必ず確認してください。単なる商談獲得の代行ではなく、ターゲット選定やトークスクリプトの作成、企画提案、契約後のフォローなど戦略的に伴走してくれる代行会社を見極めることが、事業を拡大させる重要な選定基準となります。また、代行会社は対応できる範囲や得意としている手法(テレアポ・FAX・郵送DM)も企業ごとに異なる為、すべての代行会社が一括で営業工程を代行できる訳ではありません。自社の目的や提案したい企業に適しているか確認しましょう。
レジャー事業の販路開拓を後押しする施策

新たなターゲット層への声掛けや、法人向け(BtoB)の提案型営業を本格化させる際には、自社の力だけで実行するのではなく、外部の支援や環境変化を上手く活用することが成功の近道となります。ここでは、急増するインバウンド需要の取り込みと、新しい施策の実行にかかるコスト負担を軽減する公的な支援制度について解説します。
インバウンド(訪日外国人)向けプロモーションの展開
国内の法人需要に加え、インバウンド層も有望な新規ターゲットです。訪日外国人は日本ならではの体験価値を求めており、自然や文化を活かしたアウトドア・レジャー施設は高く評価されます。多言語対応のWebサイト構築や海外の旅行代理店への提携を並行して行うことで、平日の稼働率向上と客単価の大幅な引き上げが見込めます。
販路開拓に活用できる補助金・助成金制度
法人向けの販路開拓やインバウンド対応にはやはりコストがかかります。これらの初期投資を軽減するため、「小規模事業者持続化補助金」や「事業再構築補助金」などの公的制度を積極的に活用しましょう。営業代行の導入費用や多言語対応サイトの制作費など、販路拡大に直結する施策への投資に適用できる支援が多く存在します。
成功事例に学ぶ!レジャー施設の集客力強化

BtoB(法人向け)の販路開拓を理論として理解するだけでなく、実際の施設がどのように課題を乗り越え、成果を上げたかを知ることは非常に有益です。ここでは、レジャー施設やアウトドア拠点が代理店依存の体制から脱却し、企業との直接契約を通じて集客力と収益性を飛躍的に高めた事例を紹介します。
オフシーズンの稼働率を大幅に改善した法人契約の事例
ある屋外レジャー施設では、冬季の稼働率低下が長年の課題でした。そこで、近隣のIT企業などに対し、部署単位で利用できる「冬季限定のチームビルディング研修」を直接提案しました。結果として、閑散期の平日に数十名規模の団体利用を複数獲得し、季節要因に左右されない安定した売上基盤の構築に成功しています。
直販ルートの開拓で高収益化を実現したアウトドア施設の事例
あるアウトドア施設は旅行代理店の送客に依存し、利益率が低迷していました。そこで自ら法人営業を展開し、大手企業の福利厚生として直接契約を結ぶ直販ルートを開拓。企業の需要を汲み取った高付加価値な体験プランを提案することで、仲介手数料を削減しながら高収益化を実現し、事業の好循環を生み出しています。
弊社事例:レジャー施設の課題を逆手に取って成功した宿泊施設予約サイトの事例
宿泊施設予約サイトを展開している会社は、加盟店の集客に悩んでいました。レジャー施設特有の閑散期や天候による集客のブレに悩んでいる事を逆手に取り、FAXを活用して「宿泊日前日の空室を買い取る」という提案を紙面に記載し2万軒に配信した結果、1400軒からの問い合わせを獲得しています。開封された状態で届き中身を読ませるFAXに、あなたの悩みを解決しますと記載した事が成果に繋がりました。実際に使用した紙面は以下になります。
まとめ:持続可能なレジャー事業への転換
レジャー事業において、天候や季節要因に左右されない持続可能な経営を実現するためには、個人客(BtoC)への依存から脱却し、法人・団体客(BtoB)という新たな販路を開拓することが重要です。本記事で解説したように、企業の福利厚生や研修ニーズを的確に捉え、単なる施設提供ではなく「課題解決」を軸とした提案型営業を展開することが、高収益な直販ルート構築の鍵となります。
もし社内の営業に割く時間や人手、ノウハウが不足している場合は、BtoBに特化したプロの営業代行を戦略的に活用することも有効な手段です。自社施設の既存の強みを最大限に活かしながら、収益性の高い新たなターゲット市場へ積極的に提案し、集客力の強化と事業の安定化を図っていきましょう。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。