
ドローン事業を立ち上げたものの、どのように新規顧客を開拓すればよいか悩んでいませんか?優れた技術や機材があっても、狙うべき業界や営業手法を間違えれば案件獲得にはつながりません。法改正やレベル4飛行解禁により市場は拡大する一方、競合も増加していることから、データに基づいた戦略的な営業活動が必要になります。
本記事では、ドローン活用の需要が高い主要業界と提案の切り口から、少人数でも成果を出せる営業方法を詳細に解説します。お読みいただくことで、営業経験がなくても迷わずに提案を開始し、安定した見込み顧客獲得の仕組みを構築できるようになります。
ドローン事業を取り巻く市場動向と新規開拓の重要性

ドローン事業を軌道に乗せるためには、まず市場全体の動向と、なぜ今「積極的な新規開拓」が必要なのかを正確に把握することが重要です。
拡大を続けるドローン市場の現状と将来予測
国内のドローンビジネス市場は、2020年代から急激な成長を続けています。インフラ点検や物流、農業など多様な産業での実用化が進み、市場規模は数千億円に達する見込みです。需要が拡大する一方で新規参入企業も増加しており、技術力に頼るだけでは案件獲得が困難になっています。自社の強みを活かせる市場を見極め、適切なターゲットに向けて積極的に新規開拓を行う営業力が、事業存続の鍵を握っています。
航空法改正・レベル4飛行解禁がもたらすビジネスチャンス
2022年の航空法改正に伴う「レベル4(有人地帯での目視外飛行)」解禁は、ドローン事業に大きなビジネスチャンスをもたらしました。都市部でのインフラ点検や物流配送など、これまで規制で踏み込めなかった領域でのサービス展開が可能になっています。法規制の緩和は新たな顧客需要を直接生み出します。最新の法令基準を満たす安全運航体制を強みとし、いち早く新規顧客へ取り組むことが重要です。
ドローン事業の新規開拓で狙うべき主要な業界と需要

ドローンの活用用途は多岐にわたりますが、新規開拓を成功させるには需要が顕在化している業界へ優先的に声を掛けることが鉄則です。ここでは、各業界が抱える課題と提案の切り口について解説します。
建設・土木業界:測量と現場進捗管理の効率化
建設・土木業界は、慢性的な人手不足が深刻な課題です。ドローンによる写真測量や3次元点群データの取得は、従来の手作業に比べて工期とコストを大幅に削減できます。広大な現場の進捗管理や安全確認を空撮で行う需要も高まっており、「ICT施工への対応」や「労働時間削減」を軸に提案を行うのが効果的です。
インフラ・設備点検:高所作業のリスク軽減とコスト削減
橋梁や外壁などのインフラ・設備点検も導入効果が高い分野です。足場の組み立てが不要になるため、コスト削減と工期短縮を同時に実現できます。さらに作業員の高所墜落リスクをなくし、安全性を劇的に向上させることが可能です。赤外線カメラを活用した外壁診断など、具体的なコストメリットと安全性を訴求しましょう。
農業分野:農薬散布や生育状況の精密なモニタリング
農業分野では、農薬や肥料の散布作業の自動化にドローンが広く活用されています。重労働の負担軽減だけでなく、専用カメラを用いて農作物の生育状況を可視化するスマート農業の需要も拡大しています。高齢化が進む地域や大規模農場をターゲットに、作業の省力化と収量増加を両立する詳細なデータを示すことが重要です。
その他注目すべき領域:AI連携・自律飛行など
上記以外にも、AIによる画像解析と連携した防犯セキュリティや、山間部への物流配送など、新しい領域での導入需要が増加しています。あらかじめ設定したルートを飛ぶ「自律飛行」技術と組み合わせることで、定期的な巡回業務の無人化が可能です。自社の得意な技術領域と最新トレンドを掛け合わせ、市場を開拓することも有効な戦略です。
営業経験ゼロでも失敗しない!新規開拓に向けた事前準備

新規開拓を本格的に開始する前に、顧客に響く提案の準備と適切な営業先の選定が重要です。営業経験がなくても成果を出せる事前準備の手順についてここでは解説していきます。
自社の強みと顧客課題を紐づける価値提案の設計
顧客はドローンそのものではなく「自社の課題をどう解決できるか」に関心があります。まずは「工期短縮」「コスト削減」「安全性向上」など、顧客の悩みを特定しましょう。その上で、自社の機材スペックや操縦技術がその課題をどう解決できるのかを明確にし、具体的な価値提案として言語化することが重要です。
最新の法規制や補助金・助成金情報をきっかけにした提案
商材の提案において、法規制の知識や補助金情報は強力な武器になります。「航空法改正に準拠した安全な運用体制」をアピールすれば顧客からの信頼感が高まります。また、ドローン導入に活用できる補助金や助成金の情報を併せて提案することで、顧客が懸念する初期費用のハードルを下げ、商談化の確率を大幅に引き上げることが可能です。
営業の基盤となる「ターゲット企業リスト」の集め方
質の高いターゲットリストは営業活動の要ですし、この精度が成約に直結します。業界特化型のポータルサイト、建設業許可の公開情報、展示会の出展企業一覧などから、導入需要が見込める企業を抽出しましょう。手作業での収集が難しい場合は、条件を指定するだけで企業情報を自動抽出できる営業リスト作成ツールやレンタルリストなどを活用することで、準備にかかる時間を大幅に短縮できます。
少ない人員で成果を出すドローン事業の営業手法とは?

限られた営業人員と時間の中で新規開拓を進めるには、効率的かつ戦略的な営業手法の選択が重要です。以下では主な営業手法と実践のコツを紹介します。
テレアポとメール・FAX・フォーム営業の比較と使い分け
テレアポは直接対話でき熱量を伝えやすい反面、担当者不在が多く心理的負担も大きい手法です。一方、メールやFAX、問い合わせフォームを活用した営業は一度に大量配信でき、決裁者の目に留まりやすいメリットがあります。ですが、その反面メールやフォーム営業の場合、迷惑メールフォルダに埋もれやすい事や、顧客の集客フォームに自社の提案を送る事で場合によってはクレームに発生することもあります。少人数チームであれば、まずはFAX営業で広範囲に提案し、反応があった有望な見込みの高い顧客に対して電話で深掘りする「使い分け」が最も効率的です。FAXの場合はFAX原稿に追記して送り返す事や、電話を掛けて連絡をさせることになるので、顧客が自ら行動して資料請求する意味や特典(オファー)を記載する事が、捨てられないで読まれる紙面に繋がります。
まずは1業界から!スモールスタートで成果が取れる法則を見つける
最初から複数業界に手を出さず、まずは最も自社の強みが活きる「1つの業界」に絞って営業活動を開始しましょう。ターゲットを絞ることで、文面やトークスクリプトを最適化できたり、反応率の検証がしやすくなります。特定の業界で「この文面とリストなら商談に繋がる」という成果の出る法則や仕組みを見つけた後、それを近接する他の業界へ横展開していく事が失敗しないコツです。
外部のプロを頼る「営業代行」の活用
自社に営業ノウハウがない場合や、独立したばかりで対応出来ないと言う場合は「営業代行サービス」を導入し、プロの知識やノウハウを即戦力として活用することも有効です。外注費はかかりますが、新たに人材を採用したり育成する費用を抑えて、1日でも早く営業活動に取り掛かる事は、見込みの高い顧客との商談機会を増やし成約率を高めます。代行会社を選ぶ際は自社と同様の商材で営業実績があるか?提案するターゲット業種に精通しているか?を事前に事例や直接問い合わせて確認しましょう。
ドローン事業の新規開拓に関するよくある質問
ドローン事業の新規開拓を進めるうえで、多くの事業者が直面する疑問点とその回答をまとめました。
Q. 地方と都市部で狙うべきターゲットや戦略は変わりますか?
地方では農業や広範なインフラ点検の需要が高く、都市部では建設現場の進捗管理やビル外壁点検が中心となります。どちらのエリアでも、下請けに甘んじず直接契約を獲得するための提案型営業が重要です。顧客のコスト削減や業務効率化に直結する価値を提示し、高単価な直案件を狙う戦略を基本としましょう。
Q. FAX営業の場合反応率はどれぐらい?
一般的にFAX営業の反応率は0.1%〜0.3%程度、1000件配信して1~3件の返信や問い合わせとされています。自社の人手や工数だけでこの件数の配信をこなすのが難しい場合や、対応方法やコツがわからないという場合は、営業代行の活用や配信代行サービスの導入を検討し、配信数を担保する仕組みを作りましょう。
Q. 営業代行はどこまでの業務範囲を対応してくれますか?
代行会社によって対応範囲は異なります。営業リストの作成やトークスクリプト・文面の作成、初回連絡などの商談予定を獲得するまでを対応する企業もあれば、商談の同行やクロージング(契約締結)までを一括で対応する企業もあります。また、基本とされているテレアポなどの業務もあれば紹介したようFAX・メール・問い合わせフォームの他にも、訪問営業や郵送DMなど様々なツールや手法を活用するので、自社の対応出来ない業務や、適した営業手法にきちんと見合った代行会社を選びましょう。
まとめ:ドローン事業の新規開拓を成功させるために
ドローン事業の新規開拓を成功させるには、自社の強みが活きるターゲットを見極め、適切な営業手法を選択することが重要です。建設やインフラ点検、農業といった明確な需要を持つ業界に対し、顧客課題の解決に直結する価値提案を行いましょう。
また、営業工数の不足を補い、安定した見込み顧客の獲得を実現するためには、手作業に頼らない仕組み作りが重要です。自社で対応出来ない場合は、営業代行などを活用して継続的に声掛けを行い、データに基づく検証・改善を繰り返すことで、営業経験がなくても成果を出せる基盤が整います。本記事を参考に、事業拡大に向けた効率的な営業活動をスタートさせてください。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。