
「既存顧客からの紹介に頼ってしまい、新規の荷主開拓がなかなか進まない」と悩んでいませんか?運賃競争の激化や特定の顧客への依存は、フォワーダーにとって大きな経営リスクとなります。しかし、日々の手配業務に追われる中で、自社の強みを活かした的確なターゲット選定や質の高いリスト作成、営業に割く人手や時間が不足しているのが現状です。
本記事では、競合に勝ち抜くターゲット選定から、初回商談での提案のコツまで徹底的に解説致します。実践的なノウハウを取り入れることで、価格競争から脱却し、安定して優良な荷主を獲得できる強い営業体制を構築できるようになります。
フォワーダーの新規開拓が極めて重要な理由

フォワーダー業界において、日々の手配業務に追われるあまり、新規開拓がおろそかになっている企業は少なくありません。しかし、企業の持続的な成長と安定した経営基盤を構築するためには、自ら新たな荷主を開拓し続ける営業力が必要です。なぜ今、フォワーダーにとって新規開拓が極めて重要なのか、その核心的な理由について解説します。
既存顧客への依存がもたらす経営リスク
特定の既存顧客や限られた業界からの受注に依存する状態は、フォワーダーにとって非常に危険です。市況の悪化や顧客の事業縮小、あるいは他社への乗り換えが発生した際、売上が急減するリスクを抱えることになります。新規開拓を通じて取引先の構成を分散させることは、外的要因に左右されない強固な経営基盤を作る、最も有効なリスクヘッジとなります。
価格競争から脱却し、利益率を向上させるため
既存の枠組みでのみ勝負していると、最終的に海上運賃や手数料の安さだけで比較される価格競争に陥りがちです。自社の強みを活かせる新たなターゲット層を開拓すれば、「安さ」ではなく「専門性」や「提案力」という付加価値で勝負できるようになります。結果として、無駄な値引きを避けることができ、組織全体の利益率の大幅な向上へと繋がります。
新規開拓を成功に導く!フォワーダー向けのターゲット選定

フォワーダーが新規開拓を成功させるための第一歩は、的確なターゲットを選定することです。手当たり次第に営業するのではなく、自社が最も勝てる領域を見極め、そこに工数を集中させる必要があります。ここでは、競合他社との差別化を図り、成約率を拡大するターゲティング手法とリスト作成方法を解説します。
自社の強み(特定地域・特定商材)の再定義
まずは自社の強みを客観的に再定義します。「北米向けの海上輸送に強い」「危険物や冷蔵貨物など特定商材のノウハウがある」といった具体的な強みを洗い出してください。大手フォワーダーが包括的なサービスを提供するのに対し、中堅・独立系フォワーダーは特定の領域における専門性や柔軟な対応力で差別化を図ることが、新規開拓を成功させる鍵となります。
新規の荷主として狙い目となる業界・企業の選定基準
自社の強みを明確にした後は、その技術やサービスを最も必要としている業界や企業を選定します。例えば、東南アジアへの輸送に強みがあるなら、同地域へ進出する製造業や越境EC事業者が狙い目です。また、貿易規模が拡大しているものの物流専任担当者が不足している中堅企業などは、フォワーダーの提案力が高く評価されやすく、優良なターゲットとなります。
成約率を高める質の高いターゲットリストの作成手順
ターゲット像が固まったら、営業効率を左右するリストを作成します。企業情報データベースや業界団体の名簿を活用し、条件に合致する企業を抽出してください。さらに、企業の公式ウェブサイトで最新の海外展開状況やIR情報を確認し、物流課題を抱えている可能性が高い企業に絞り込むことで、営業の成約率を劇的に高めることができます。弊社のサンプルリストは以下となります。
荷主を獲得する新規開拓の手法と実践法

ターゲットリストが完成したら、次はいかにして決裁者や物流担当者との接点を作るかが重要です。ただ漫然と連絡するのではなく、顧客の状況に合わせた適切な手法を選択する必要があります。フォワーダーの新規開拓において効果的な営業手法と、それぞれのポイントを解説します。
テレアポで担当者と接点を作るコツとトークスクリプト
テレアポではいきなり売り込まず、相手のメリットを簡潔に伝えることが重要です。「御社の東南アジア向け輸出において、輸送コスト削減の無料診断を行っております」など、関心を惹くトークスクリプト(台本)を用意しましょう。事前に企業HPで物流部門の名称を調査しておくと、受付突破率が向上します。
飛び込み営業は現在でも有効か?メリットと注意点
飛び込み営業は、港湾地域や工業団地などターゲット企業が密集しているエリアにおいては現在でも有効な手段です。担当者不在でも名刺や実績資料を残すことで、後日のテレアポで説明がスムーズになります。ただし、セキュリティ強化により対応されないことも増えているため、エリアを絞った補完的な手法として活用しましょう。
Web・メールからの見込み顧客獲得手法
電話や訪問だけでなく、Webやメールを活用したインバウンド(問い合わせを待つ)営業も並行して行います。自社の強みである特定航路の最新市況や、通関トラブルの解決事例をWebサイトで発信することで、自ら課題解決について検索している意欲の高い顧客を獲得できます。リスト企業への一斉メール配信も、低コストで広範囲に周知できるため有効です。
自ら声を掛けに行くFAXを活用した営業方法
Webやメールは顧客自身が積極的に情報収集している場合に有効ですが、今すぐ利用を検討していない層には届きません。また、飛び込みの訪問やテレアポは受付担当者に「営業ならお断り」とブロックされる可能性が高く、決裁者へ提案出来ない事もあります。その点FAXの場合、開封された状態で社内にそのまま届く事で視認性が高く、時間を掛けず各地へ一瞬で配信できる効率の良さがメリットです。ただ、モノクロで届く為、画像やイラストなどを添える事は逆効果となるので、初めて導入する場合はテンプレートなどを活用することが良いでしょう。弊社紙面のサンプルは以下になりますのでご活用ください。
競合他社に勝つ!初回商談でのヒアリングと提案のコツ

商談を獲得し、初回商談に漕ぎ着けた後は、いかに他社との違いを印象付けるかが勝負となります。単なる自社サービスの紹介に終始せず、顧客の本当の課題を汲み取り、的確な解決策を提示する力が求められます。ここでは、競合他社に競り勝つためのヒアリングと提案の極意を解説します。
荷主の潜在的な課題を引き出す必須ヒアリング項目
初回商談では、現在の輸送ルートや運賃だけでなく、潜在的な課題を引き出すことが重要です。具体的には、「イレギュラー発生時の既存業者の対応スピード」「通関手配におけるリードタイムの遅れ」「物流担当者の業務負荷」などをヒアリングします。これにより、価格以外の不満や改善点を浮き彫りにし、自社ならではの解決策を提示する重要な手がかりを得ることができます。
海上運賃の安さ以外の「付加価値」を提案する方法
運賃の安さだけを訴求すると、すぐに他社に切り替えられるリスクが生じます。そのため、「特定地域における現地法人との密な連携による迅速なトラブル対応」や「複雑な三国間貿易における最適なスキーム構築」など、自社独自の付加価値を提案しましょう。単なる輸送手段の提供にとどまらず、荷主のサプライチェーン全体を最適化する提携先としての姿勢を示すことが成約の鍵となります。
信頼を勝ち取る提案書と見積もりの提示方法
提案書や見積もりは、商談後の社内検討で決裁者を説得するための重要な資料です。見積もり項目は不透明にせず、諸掛やサーチャージなどの内訳を詳細に提示することで信頼感を与えます。また、複数パターンの輸送ルートやリードタイムの違いを比較表形式で明記し、荷主が自社の状況に合わせて最適な選択肢を選べるように工夫することが、他社との差別化に直結します。
新規開拓を組織的に進める改善方法

フォワーダーの新規開拓は、個人の営業力に依存するのではなく、組織全体で継続的に改善する仕組みが必要です。場当たり的な活動から脱却し、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回すことで、成約率と営業効率を持続的に高めることができます。ここでは、組織的な新規開拓に不可欠な指標管理とフォロー体制について解説します。
アプローチから成約までの期間と指標(KPI)の管理
新規開拓では、初回連絡から成約まで数ヶ月を要することも珍しくありません。そのため、最終的な売上だけでなく、架電数、商談取得率、見積もり提出数などの指標(KPI)を可視化することが重要です。各段階の数値を定期的に分析することで、営業活動の障壁を特定し、迅速な改善策を講じることが可能になります。
失注・時期尚早の顧客に対する適切なサポート体制
初回商談で失注した場合や、導入のタイミングが合わなかった顧客も重要な見込み顧客です。市況の変化や既存業者の運賃値上げなどをきっかけに、再度検討が始まることは多々あります。顧客管理システムを活用して定期的に連絡を取り、最新の市況情報や事例を提供し続けることで、次の入れ替え(リプレイス)のタイミングで真っ先に声がかかる関係性を構築します。
工数やノウハウ不足を解決する営業代行の活用

新規開拓の重要性を理解していても、日々の通関手配や既存顧客の対応に追われ、営業活動に割く人手や時間が不足しているフォワーダーは少なくありません。また、物流の専門知識と高い営業スキルの両方を兼ね備えた人材の育成には多大な時間とコストがかかります。こうした課題を迅速に解決し、成約に直結させる手段として、外部の営業代行サービスを活用する方法について解説します。
物流業界に特化した営業代行サービスを利用するメリット
一般的な営業代行ではなく、物流業界に特化したサービスを選ぶことが成功の鍵です。専門用語や貿易実務を熟知したプロが営業を行うため、荷主の複雑な課題を的確にヒアリングできます。これにより、単なる見込み顧客獲得にとどまらず、質の高い商談機会を創出し、成約率を大幅に引き上げることが可能です。
専門知識の活用による対応内容
自社の強みを深く理解した代行会社が、戦略設計からターゲットリストの作成、テレアポ、PDCAサイクルの運用を代行します。これにより、自社の営業マンは最終的なクロージングや本来の業務に専念でき、属人的な営業から脱却した効率的な新規開拓の仕組みを即座に構築できます。代行会社によっては、ターゲットリスト作成から商談予定の獲得まで、または商談への動向やクロージングまでのすべてを対応する企業と様々です。自社に不足している営業工数をきちんと把握したうえで代行会社を選びましょう。
費用対効果を最大化する外注依頼の判断基準
営業代行の導入にあたっては、自社で専任の営業担当者を採用・育成するコストと、代行サービスにかかる費用を比較検討します。即戦力として質の高い見込み顧客を継続的に獲得できる点や、育成の手間が省ける点を考慮すれば、専門的な代行サービスの活用は投資対効果が非常に高い選択肢となります。
営業代行にはテレアポやメールなど様々な営業手法がございます。私たちはFAXを活用した営業代行を行っております。FAX営業代行での成果についての事例とお客様との対談動画は以下となりますので参考にご覧ください。
まとめ:自社の強みを活かした戦略で新規開拓を成功させよう
フォワーダーが持続的な成長を遂げるためには、既存顧客への依存や運賃の価格競争から脱却し、自ら優良な荷主を開拓する仕組みづくりが不可欠です。本記事で解説したように、まずは自社の強みとなる特定地域や得意商材を客観的に再定義し、それを最も必要としているターゲットを的確に選定することが成功の第一歩となります。その上で、質の高いターゲットリストの作成、顧客の潜在課題を引き出すヒアリング、運賃以外の付加価値を訴求する提案、そして組織的にPDCAサイクルを回し続ける継続的な提案が求められます。
しかし、日々の手配業務と並行して、これらすべての営業工程を自社の人手のみで完結させることは容易ではありません。社内の営業工数やノウハウに課題を感じる場合は、物流業界に特化した専門の営業代行サービスの活用も戦略の1つとして視野に入れ、自社の強みを最大限に活かした効率的な新規開拓体制を構築してください。
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。