
「下請け案件ばかりで利益率が上がらない」「夏場は忙しいのに、秋から春にかけての売上が不安定だ」と悩んでいませんか?多重下請け構造や季節による売上の偏りは、空調設備工事業界における深刻な課題です。しかし、現状を打破して新規開拓を目指したいと考えても、慢性的な人材不足により営業に時間を割けない企業が多いのが実情です。
本記事では、商業施設や病院などの「直請け案件」を獲得し、利益率を改善するために「営業代行」を活用する理由や費用や対応内容に関する基礎や選定基準について解説致します。この記事を読むことで、下請け脱却に向けた対策と自社に最適な代行会社の選び方がわかり、年間を通じて安定した経営基盤を築く解決策が得られます。
空調設備工事業界が抱える「下請け・閑散期」の課題

空調設備工事業界では、安定した経営を阻む特有の課題が存在します。特に、元請けからの受注に依存する下請け構造や、季節変動による売上の波は、多くの事業者が直面する深刻な悩みです。ここでは、空調設備業者が抱えやすい「下請け」と「閑散期」に関する課題について詳しく解説します。
多重下請け構造による利益率の低下と経営圧迫
建設業界特有の多重下請け構造は、空調設備工事においても例外ではありません。二次請け、三次請けとなるほど仲介手数料が引かれるため、現場の作業量に対して利益率が著しく低下します。この状態が続くと、どれだけ案件をこなしても手元に利益が残らず、従業員の待遇改善や設備投資に資金を回すことが難しくなり、結果として経営を圧迫します。
夏場への売上集中と秋〜春の案件不足
エアコン工事は初夏から夏にかけて需要が急増しますが、秋から春にかけては案件が激減する傾向があります。この季節変動により、年間を通じた売上が安定しません。閑散期である秋〜春の売上を自力で確保できなければ、夏場に稼いだ利益を維持するための固定費(人件費など)に食いつぶされることになり、通期での事業成長が極めて困難になります。
慢性的な人材不足で新規営業に工数が割けない
業界全体で職人不足が叫ばれる中、多くの企業は目の前の現場を回すことで手一杯です。下請けから脱却し、閑散期の案件を獲得するには能動的な新規開拓が不可欠ですが、営業専任の担当者を配置する余裕はありません。また、社内に営業ノウハウを持つ人材が少ないあるいは在籍していないため、効果的な営業方法がわからず、現状から抜け出せない悪循環に陥っています。
商業施設や病院・介護施設の「直請け」を狙うべき理由

空調設備工事業者が下請け体質から抜け出し、経営を劇的に改善するための有効な手段が「直請け案件」の獲得です。その中でも、特にターゲットとすべきなのが商業施設や病院・介護施設です。これらの施設に直接自社商材を提案することで、これまで抱えていた利益率や売上の不安定さといった課題を解決できる可能性が高まります。ここでは、これらの施設を直請けのターゲットとしてなぜ狙うべきなのか?について解説します。
仲介手数料排除による圧倒的な利益率の改善
ゼネコンや建築会社を経由する下請け案件では、多額の仲介手数料や紹介料が発生します。一方、商業施設や病院の運営元から直接受注できれば、これらの手数料が一切かかりません。自社の技術力に見合った適正価格で契約を結べるため、1件あたりの利益率が大幅に向上します。少ない施工件数でも十分な利益を確保できるようになり、経営基盤の強化に直結します。
収益基盤となる「定期メンテナンス契約」への発展しやすさ
病院や商業施設は、空調の停止が事業に直結するため、日頃の保守点検を非常に重視します。単発の設置工事や修理で信頼を得ることができれば、継続的な「定期メンテナンス契約」へと繋がりやすいのが大きな特徴です。毎月の固定収入となり積み上がるストックビジネスを構築できるため、新規案件の獲得に追われるプレッシャーから解放され、長期的な収益の安定化が実現します。
季節に依存しない安定的な発注サイクル
一般家庭などのエアコン工事は夏場に集中しがちですが、大型施設では状況が異なります。法定点検や設備の耐用年数に基づく計画的な更新工事が行われるため、秋から春にかけての閑散期にも安定した発注が見込めます。季節による売上の変動を平準化できるため、年間を通して職人の稼働率を一定に保ち、無駄な人件費や稼働の空きを防ぐことが可能です。
空調設備工事業者が「営業代行」を活用するメリット

空調設備工事業者が直請け案件を獲得し、経営を安定させるためには「営業代行」の活用が非常に効果的です。自社に営業担当者がいなくても、プロのノウハウを用いて効率的に新規開拓を進めることができます。ここでは、空調設備業者が営業代行を利用することで得られるメリットを解説します。
自社にノウハウがなくても即座に直請け開拓が始められる
営業代行を活用すれば、自社に新規開拓のノウハウがなくても即座に直請け営業を開始できます。実績豊富な代行会社は、設備業界に特化した効果的なトークスクリプトや法人情報をすでに持っています。そのため、手探りで営業手法を模索する時間を省き、最短で商業施設や病院などのターゲット企業へ提案することが可能です。
採用・教育コストをかけずにプロの営業力を導入できる
自社で優秀な営業担当者を採用し、育成するには多大な時間とコストがかかり、早期離職のリスクも伴います。営業代行を利用すれば、これらの採用費や教育費などを一切かけることなく、即戦力となるプロの営業マンを確保することができます。人手不足に悩む小規模な空調設備業者にとって、非常に合理的な選択と言えます。
閑散期を見据えた計画的な見込み顧客の獲得が可能
営業代行と連携することで、夏場の繁忙期に自社が現場対応に追われている間でも、自動的に秋から春に向けた営業活動を進められます。閑散期の施工スケジュールを埋めるための商談予定を計画的に獲得できるため、年間を通じた売上の平準化が実現します。時期に合わせて代行の稼働量を調整できる点も大きな強みです。
現場の施工管理や技術指導に集中できる
慣れないテレアポなどの初回連絡を代行会社に任せることで、経営者や社員は本来の業務に専念できます。空調設備の品質向上、現場の安全管理、若手職人の技術指導といった自社の中核となる業務に人手や時間を集中して使うことが可能です。結果として施工品質が高まり、顧客からの信頼獲得やリピート発注にも良い影響をもたらします。
固定費を変動費化し、身の丈に合ったリスク管理ができる
営業社員を雇用すると毎月固定の人件費が発生し、経営の重荷になる場合があります。しかし営業代行であれば、必要な時期に絞って依頼したり、成果報酬型を選んだりすることで、営業コストを「変動費」に変える事ができます。自社の予算や事業規模に合わせて柔軟に費用を調整できるため、無駄な支出を抑えつつリスクの低い営業活動が行えます。
営業代行の利用で注意すべきデメリットと対策

営業代行は空調設備工事業の新規開拓に非常に有効ですが、業務を外部に委託する性質上、いくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを事前に把握し、適切な対策を講じておかなければ、期待した成果が得られないばかりか、予期せぬトラブルを招く恐れがあります。
自社に営業ノウハウが蓄積されにくい問題と解決策
営業活動を外部へ任せっきりにしてしまうと、聞く耳を盛ってもらえるトーク内容や顧客の反応が自社に蓄積されません。これを防ぐには、代行会社と定期的にミーティングを行い、接触件数や失注理由などの目標(KPI)を共有することが重要です。活動内容を不透明にせず、分業体制として密に連携することで、将来的に自社で営業を行うための知見を残すことができます。
顧客情報の漏洩リスクを防ぐコンプライアンス確認
営業活動では、ターゲット施設の担当者名や既存設備の状況など、機密性の高い顧客情報を取り扱います。万が一情報が漏洩すれば自社の信用問題に直結するため、セキュリティ対策を徹底している代行会社を選ぶことが大切です。契約前にはプライバシーマークの取得有無や、秘密保持契約(NDA)の締結条件を厳格に確認し、安全な情報管理体制が敷かれているかを見極めましょう。
空調設備の直請け開拓で失敗しない!営業代行の選び方

営業代行会社は無数に存在しますが、空調設備工事業者が商業施設や病院などの直請け案件を獲得するためには、自社の目的や業界特性に合った代行会社を選ぶことが成功に繋がります。失敗しない営業代行会社の選び方として重要な選定基準をお伝えします。
予算に合った料金体系を選ぶ
営業代行には、毎月定額の「固定報酬型」と、商談獲得などの成果に応じた「成果報酬型」があります。初期費用を抑えたい場合は低リスクな成果報酬型が適していますが、長期的に安定した営業活動を求めるなら固定報酬型が有利な場合もあります。自社の資金繰りと目的に合わせて最適なプランを選びましょう。
空調設備や建築・設備業界での支援実績があるか
空調設備の営業には、専門用語や業界の商習慣に対する理解が必要です。そのため、建築・設備業界での支援実績が豊富な代行会社を選ぶことが重要になります。業界に精通した会社であれば、商業施設や病院の担当者に刺さるトークスクリプトをすでに持っており、円滑な対応が期待できます。
商談の「量」だけでなく成約に繋がる「質」を担保できるか
商談の「数」だけを追い求める代行会社には注意が必要です。設備工事の案件獲得では、相手が決裁権を持っているか、予算や時期のめどがあるかといった「質」が問われます。契約前に、決裁者との商談機会を獲得するなど「成果の定義」をすり合わせ、成約に繋がりやすい質の高い商談を設定してくれる会社を選びましょう。
目標の共有や役割分担が明確にできるか
プロの力に頼りすぎるのではなく、架電数や商談化率などの目標(KPI)を定期的に報告してくれる会社を選ぶべきです。代行会社が「初期連絡と商談獲得」を担い、自社が「商談とクロージング」を行うといった役割分担を明確にすることで、効率的な営業体制を構築できます。定期的な情報共有は、自社にノウハウを残すためにも必須です。
空調設備の直請け案件を獲得する手順

営業代行会社を選定した後は、実際に案件獲得に向けて動くことになります。しかし、ただ闇雲に営業をかけても商業施設や病院からの直請けは獲得できません。自社の強みを整理し、代行会社と適切に連携しながら戦略的に営業を進める必要があります。ここでは、直請け案件を獲得するまでの流れや手順を解説します。
ターゲット選定と自社の強みを活かした提案軸の構築
まずは、過去の施工実績や自社が得意とする領域をもとにターゲットを絞り込みます。「病院向けの静音・衛生に配慮した施工」や「商業施設の深夜・休日対応」など、他社と差別化できる強みを明確に言語化できる状態にしておきましょう。この強みを軸に、ターゲットが抱える課題(電気代削減やダウンタイムの最小化など)を解決する仮説を事前に構築することが、商談獲得率を高める第一歩です。
営業代行による効率的な見込み顧客の獲得
提案軸が固まったら、営業代行会社がターゲットのリストアップと初回連絡を実行します。主流な方法としてはテレアポなどの架電業務が上げられますが、他にもメール・FAX・郵送DM・問い合わせフォームなど種類は様々です。プロが施設管理者や購買担当者の決裁フローを把握し、受付突破から決裁者との接触までを効率的に行います。自社はその間、現場の施工に専念しつつ、代行会社から共有される架電結果や顧客の反応を定期的に確認し、トークスクリプトの改善に協力しましょう。
自社で行う商談と、実績資料を活用したトータル提案のコツ
代行会社が獲得した商談には、自社の担当者が商談に臨みます。商談では、過去の類似施設での施工写真や工期短縮の事例など、視覚的にわかりやすい実績資料を持参しましょう。単なる機器の設置だけでなく、導入後の定期メンテナンスや省エネ効果まで含めたトータル提案を行うことで、直請けならではの長期的な信頼関係の構築と大型契約に繋がります。
空調設備業に進めたいFAX営業について
ここまで読んで頂いた方に私たちがオススメしている「FAX営業」を提案させて頂きたいです。その理由として、FAX決裁者の目に止まりやすく、コストを抑えて広範囲への営業ができ、空調設備業の営業に適している点です。テレアポで言われがちな、営業ならお断りですと言う受付担当者のブロック対応を通過でき、物理的に物として届く意味では郵送DMと同じだとしても、内容が見えている状態で届く事で目を通す機会を増やします。事例を含めた動画やご利用企業様とのインタビューもございますので、是非ご検討ください。
まとめ:営業代行で空調設備の直請けを獲得し、安定経営を実現しよう
空調設備工事業界が抱える多重下請け構造や、季節ごとの売上の波といった課題を根本から解決するためには、利益率が高く年間を通して安定した発注が見込める「直請け案件」の獲得が必要です。特に商業施設や病院・介護施設は、定期メンテナンス契約などのストックビジネスにも繋がりやすい絶好のターゲットとなります。
自社に営業ノウハウや新規開拓に割く人手や時間が不足している場合は、プロの力を借りる「営業代行」の活用が最も効率的な解決策です。自社の目的に合った料金体系を選び、設備業界に精通した質の高い代行会社に依頼することで、自社は現場の施工業務や技術指導に集中しながら、着実に新規顧客の開拓が可能になります。
本記事で解説した注意点や代行会社の選び方を参考に、適切な役割分担を行いながら、ぜひ直請け案件の獲得と年間を通じた安定した経営基盤の構築を実現してください
米澤 俊一(よねざわ しゅんいち)
株式会社セールスマーケティングファーム代表
1979年横浜市出身。日本体育大学卒業。
IT企業で4年間Web運営に携わった後2008年に独立。
その後、福井県のベビーリーフ農家へ転身し、独自の営業手法を駆使してわずか2ヶ月でスーパー150店舗、レストラン400店舗との新規取引を開拓。ビニールハウス2棟から33棟への急拡大を牽引。OTAや農業ベンチャーの役員を経て、現在は営業職不在の中小企業を支援する営業代行会社の代表取締役。